観天望気とは何?読み方や天気にまつわることわざの言い伝えを紹介

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観天望気は(かんてんぼうき)と読みます。
意味は天気・天候の自然現象や動物や昆虫の行動から今後の天気を予想することなんです。
例えば海や山で仕事をしている方が空や風や生き物の様子から「海が荒れそうだな」「30分後に雨が降るな」などと予想してたんです。

海や山での急激な天気の変化は命に関わるだけに、気象庁から出すニュースなどがなかった時代は先人たちは知恵により天気を予想していたのです。

感の言い方は「ことわざだ!」と思いつくかも知れませんね。
そうです!そうなんです!
久々に今回は天気にまつわる面白いことわざを紹介していきます。

観天望気のことわざや言い伝えを紹介

気象庁や天気ニュース等がなかった時代に、経験や代々伝わる言い伝えにより天気の状態を知る事ができたんです。

科学的根拠や現代の正式な天気予報に代替できるものではありませんが、先人たちは知恵により天気を予想していたのです。それがことわざになり代々言い伝えられてきたのです。

 

水の生き物が教える風と魚の天気にまつわることわざ

あまり知られてはいないことですが、天気のいい高気圧のときには水にも大きな水圧がかかって
います。
魚釣りと天気には、古くから深い関係があります。
そのことわざの一つに「東風が吹いた次の日は魚が釣れない」のことわざがありきちんと意味があるんです。

東風が吹いた次の日は魚が釣れない

魚には浮き袋があり、水中での上下の移動に関わっている大事な器官です。
高気圧で水圧が増えると、浮き袋の働きが下がり動く力が弱くなります。
大きな魚ばかりではなく、小さな魚も同じことが起こり、エサを食べるために動くのがおっくうになることがわかっています。

さて、ここで風と天気を振り返ってみます。
私たちの暮らすアジア地域では、天気は西から東へと変化することが多いとされています。
夏から秋にかけての台風、冬場の爆弾低気圧は南から北に変化しますが、穏やかな天気の変
化は西から東に向って変化しています。

また、日本を含む温帯の地域の春や秋は、高気圧と低気圧が交互にやってくる特徴があります。

東風が吹くということは、東が高気圧で西に低気圧があり、高気圧が近づく知らせでもあります。

水の生き物は、気圧が高いほど動きにくく、魚もエサを食べるのがおっくうになります。
東風が吹くということは、高気圧が近づくサインなので、次の日は魚がエサを食べにくくなり、釣
れなくなるということなんです。

観天望気、夕焼けから天気を読むことわざ

夕焼けからは次の日の天気、朝焼けはその日の天気がわかるとされています。

その中によく耳にすることわざ「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」があります。

夕焼けは晴れ、朝焼けは雨

夕焼けや朝焼けは、澄みわたった空に地平線の太陽の光が反射して起こる自然現象です。
太陽の光を遮る雲や湿気のある空気の層がないほど、夕焼けや朝焼けは遠くまで広がります。

夕焼けは、日没の方角の西の空がよく晴れている日が綺麗ですよね。
朝焼は、日の出の方角である東の空がよく晴れている朝が清々しくあります。

夕焼けの時には、西の空に高気圧があることになり、朝焼けでは反対に東の空に高気圧がある
ことになります。

日本国内では、天気は西から東へと穏やかに変化し、高気圧と低気圧が交互に訪れる特徴があ
ります。
夕焼けの日は、西の空にある高気圧が明日にかけて移動してくるので晴れ、朝焼けは東の空に
高気圧があり、次に来るのは低気圧のためその日は天気が崩れることになります。

 

観天望気・雲から伝わることわざ

夏の終わりや秋にかけて、波のような雲をご覧になったことはありますか?

波のような雲は、「波状雲(英:undulatus)」と呼ばれ、温暖前線の接近を知らせてくれる雲でもあります。

ことわざの一つに「波のような雲が現れると雨」があります。

波のような雲が現れると雨

温暖前線というのは、暖かい空気が冷たい空気に対して勢力が強い状態を指し、広い範囲で穏
やかな雨や曇が続くとされています。

特に夏場の低気圧は、南東方向から暖かい空気を引き込むため、温暖前線が現れやすく、波の
ような雲を見ることができるはずですよ。

波状雲

観天望気・雪から言い伝えられていることわざ

最後に、雪国に伝わるご当地ならではのことわざ話題で締めくくらせていただきます。

雪を踏んでキュッキュッと音がすると寒くなる

東北や北陸、北海道では「雪を踏んでキュッキュと音がすると寒くなる」と言い伝えられています。
東北や北海道の冬場は、固まった雪道の上に新しく降り積もった雪を踏みながら家を出ることが
ほとんどです。

このとき、雪から音がするとその日は寒くなることがわかっています(踏んだ時点で既に寒いこと
も多い)。

雪は、昼間にプラスの気温にならない限り溶けてしまうことはありません。
反対に、気温が下がり続けると、バラバラに固くなり、踏むと音がするようになります。
雪が固くなるのは、乾燥と寒さの証拠です。

東北や北海道の冬は、「乾燥すると寒くなり」「寒くなると乾燥する」ことを繰り返しています。
お越しの際には、雪から音がしても暖かい服装でおいでくださいね。

 

現代の天気予報は統計学

21世紀の現代、天気予報は各地域のセンサーから集められた観測データと過去の気象データを
照らし合わせ、コンピューターによって予測がたてられます。

データを照らし合わせる際には「数値予報モデル」と呼ばれる計算式が使われているため、天気
予報は統計学の1つとされています。

天気予報が当たる確率は統計学で的中率と呼ばれ、データの収集から近い時期の「翌日の予
報」の方が高いことは明らかです。

21世紀はスーパーコンピューターを使い、膨大なデータで計算されていますが、こうした方法が
取られたのはいつからなのでしょうか?

現代的な方法で天気予報が行われるようになったのは1922年が最初とされ、コンピューターが
使われるようになったのは1970年代以降です。

ですが、天気予報そのものは紀元前から記録が残っていて、雲や霧など「天候のパターン」「次
の日の気象」を結びつけていました。

もちろん、計算機は発明されていないため、「手作業や長年の勘」で判断されます。

さて、ここであることに気がつくかと思います。

「天候のパターン」が観測データ「手作業や長年の勘」がコンピューターによる複雑な計算に置
き換わっただけで、昔からある慣用句と現代の天気予報はそっくりに見えませんか?

例えば、「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」という慣用句は、夕焼けがきれいな「自然現象」があると翌日の晴れという「気象」が多いという「天候のパターン」と「次の日の気象」を結びつけた昔の統計学による天気予報なんです。

もちろん、現代的な天気予報とは当たる確率に違いはありますが、全く的外れな迷信ではありま
せん。

まとめ

もちろん、ことわざにはうわさ話のようなものもあります。

しかし、湿度や雲の流れや雲の構成などから現代にも正しく伝わる観天望気のことわざも証明できるものも多くあります。
海や山での天気の急な変化の補完方法として知っておいたほうがよいものもあります。

自然の中で過ごす日には、危険がない範囲でスマホの天気予報から離れ、慣用句を思い出して
次の日の天気を予想してみてもいいのかもしれませんね。