キャンプで海や川遊びを安全に楽しむ!海岸で危険な風オフショアとは

海や川遊びを安全に楽しむために

夏の暑い時期には、天気の良い日こそ水遊びに出かけたくなります。夏のアウトドアとしても、海や川遊びが人気です。楽しい海や川遊びですが、水難事故が多く発生することも忘れてはいけません。

平成30年における水難の概況によると、水難事故の死者・行方不明者が多い場所1位が「海」で53.6%、2位が「河川」28.5%、3位が「用水路」の9.5%、4位「湖沼地」となっています。

また、水難事故で死亡・行方不明に遭いやすいのが「釣り・魚獲り」30.6%、「水遊び」9.1%、「作業中」7.7%と続きます。

これを見て分かるように、海や川遊びでの水難事故が多く起こっています。楽しい海や川遊びをするために事故を防ぐことが大切です。防ぐために、どのようなことに気を付けたらよいのでしょうか?

楽しい水遊びの大敵!天気の変化に気を付けよう

海や川遊びなどのアウトドアで、水難事故を防ぐために気を付けなければいけないのが「天気」です。

事前に天気予報などで、天気の変化が起こらないかどうかを確認して出かけましょう。特に、台風が近づく場所での水遊びは大変危険です。台風情報も忘れずに確認し、台風の発生や接近の危険がある場合には必ず中止しましょう。

また、晴れていても油断は禁物!夏は強い高気圧の影響で、突然の大雨や雷の被害も頻発します。楽しい水遊びが一転、悲しい出来事にならないように、天気の移り変わりには十分注意しなければいけません。

キャンプ

河川敷でキャンプ

水遊びをしている最中も、天気や水辺の変化を敏感に読み取らなければ命とりになることがあります。つづいては「海」「川」の天気で気を付けるべきポイントを詳しくみていきましょう。

海で遊ぶときに注意する天気の変化

海に行く前には、天気とともに潮の満ち引きの確認も大切です。海で急な悪天候や強風が起こると、一気に波が高くなることがあります。天気の変化ももちろんですが、潮の変化も危険が伴うことを忘れてはいけません。

風の向きも重要です。出掛ける海で、東西南北どの向きの風が吹いているのかを調べておきましょう。海岸で吹く風は、

  • 海から浜に向かって吹く風「オンショア」
  • 浜から海へ向かって吹く風「オフショア」

の2つがあります。オフショアが強いと、浮き輪などがどんどん沖に流されて岸に戻れなくなる危険性があり、注意が必要です。

川で遊ぶときに注意する天気の変化

川の源流である山の天気はとても変わりやすく、水遊びをしている周りで天気が良くても、上流では大雨が降っていることもあり得ます。急な雨雲や雷が発生して激しい雨が降れば、大量の雨水が川に流れ込んで水かさが急に増えるため危険です。突然、上流から鉄砲水が流れてくれば、避けようがありません。

川の水遊びでは、現場が晴れているからと油断をせずに、周囲の天気や上流の空模様にも注意しましょう。上流の方向に黒っぽい雨雲が見えたり、遠くで雷の音が聞こえたりしてきたら、速やかに川から非難することが大切です。

さらに、夏は積乱雲の発生にも気を付けなければいけません。

積乱雲は「入道雲」とも呼ばれる夏の風物詩で、強い上昇気流により小さい積雲がみるみる発達し、高度10kmにもなる巨大な雲です。発達した積乱雲は激しい竜巻・落雷・豪雨などを起こす原因となります。

ほかにも細かい雲が群れをなす「ひつじ雲」や「鱗雲」が空を覆っている時も、天気の急な悪化の前触れです。

川に流れる水の変化にも、危険予測のヒントがある

川では、

  • 急に落ち葉やごみが大量に流れてきた
  • 水が濁ってきた
  • 水から香る木や土の匂いが強くなった

などの水の変化があれば、すぐに避難しましょう。「鉄砲水」が発生する危険が高いからです。

鉄砲水とは、まず、集中的な豪雨などが原因で川岸の土砂崩れが起こり、川をせき止めます。しかし、川の水量が増してくると、せき止めていた土砂が耐えられなくなり崩壊。せき止められていた水が、ゴミや土砂と一緒に一気に流れだすことにより起こります。

鉄砲水が発生すると、川の浅瀬でも突如1メートル以上まで深くなることさえあります。強烈な流れも特徴で、重さ約1トンのブロックが数メートル流されたという調査報告もあるほどで、大変危険です。

楽しい水遊びのために天気の変化を読み取ろう

海や川での水遊びは楽しいものですが、危険が伴うことを忘れてはいけません。

快晴でも油断をせず、空の雲や水の流れに表れるヒントも参考にして、天気の変化に気を付けることが大切です。海や川の特性と天気を知ることで水難事故の予防にもつながり、安全に海や川のアウトドアを楽しめます。