日本が誇る世界遺産の中で、歴史的な背景を含めて注目されている歴史的建造物が近畿地方にあります。
それは、兵庫県の姫路城、大阪府の百舌鳥・古市古墳群の2つです。
日本文化発祥の時代から令和の現代まで、近畿地方は文化の中心地というのは間違いありません。
今回は、歴史的な背景に触れさせていただきながら、2つの世界遺産を紹介させていただきます。
世界遺産検定に役立つ日本の世界遺産シリーズ、近畿地方が世界に誇る歴史的建造物
近畿地方は、九州地方から始まったとされる倭国が周辺の有力者と同盟や支配を重ねて規模を拡大し、ヤマト王権の中心になった地域とされています。
近畿地方は歴史的建造物の宝庫
穏やかな天候と、他の地域との玄関口になる海に恵まれた近畿地方は、弥生時代から徳川幕府が長期政権を納める江戸時代まで、政治と経済の中心として栄えてきました。
江戸時代初期までの日本国内では、西の地域ほど文化が発展していたため、近畿地方には歴史的建造物が数多く残されています。
大阪府と兵庫県が誇る日本の歴史を証明する世界遺産
近畿地方の歴史的建造物の中で、世界から注目されているのは、兵庫県の姫路城、大阪府の百舌鳥・古市古墳群の2つです。
どちらも世界遺産の認定を受け、世界が認める日本の歴史を証明する建造物です。
姫路城
登録区分)文化遺産
登録年)1993年
登録基準)(1), (4)
国内の登録順位)No.2
姫路城は、白く塗られた美しい佇まいから白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう)とも呼ばれる日本を代表する城郭です。
兵庫県姫路市に姫路城を築いたのは、戦国時代の名軍師として名高い黒田官兵衛の父 職隆と祖父重隆 とされています。
室町時代から戦国時代にかけて、姫路市一帯は播磨(はりま)と呼ばれ、中小規模の勢力がひしめき合う地域でした。
姫路城が建設されたのは1300年代とされ、姫路市周辺の支配を競い合っていた小寺氏と赤松氏の間で城主が変わっています。
当時の姫路城は、大きな住宅程度だったことされています。
現在の規模に近づいたのは、小寺氏に使えていた黒田氏に変わってからです。
黒田官兵衛の祖父 重隆は、小寺氏から姫路城を譲られると、堀と壁の大規模改修工事に取り掛かります。
おおよそ5年の期間で、現在の最も内側の堀くらいの城郭に生まれ変わった姫路城は、織田信長の勢力に仕えた黒田官兵衛によって、大規模な堀と石垣の城が完成したとされています。
姫路城は、文化遺産の基準の2つの項目で登録されています。
百舌鳥・古市古墳群 -古代日本の墳墓群
登録区分)文化遺産
登録年)2019年
登録基準)(3), (4)
国内の登録順位)No.23
百舌鳥・古市古墳群は、大阪府内にある45件49基の古墳の集まりです。
古墳は、3世紀半ばの弥生時代から7世紀頃の飛鳥時代のにかけての有力者のお墓です。
特に、皇族を含む地域の有力者によって盛んに古墳が築かれた弥生時代後期から4世紀にかけては、古墳時代と呼ばれています。
百舌鳥・古市古墳群は、堺市、羽曳野市、藤井寺市の3つの自治体にかけて広がっており、堺市側を百舌鳥エリア、羽曳野市と藤井寺市側を古市エリアとしています。
堺市側の百舌鳥エリアでは、仁徳天皇が奉られる大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)が最も大規模です。
古市エリアでは、応神天皇が奉られる誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)があり、どち
らも大規模な前方後円墳です。
百舌鳥・古市古墳群は、文化遺産の基準の2つの項目で登録されています。
の皇族の墓形に受け継がれ、埋葬の伝統を証明する土製建造物として評価を受けています。
世界遺産検定の例題
Q1.( )に当てはまる用語を選びなさい。世界遺産検定4級
『姫路城』の修復では、文化的伝統を受け継いでいるという( )の考え方が重視されている。
1. 完全性
2. 真正性
3. 文化性
4. 単一性
Q2.( )に当てはまる用語を選びなさい。世界遺産検定4級
『百舌鳥・古市古墳群』には、日本最大の前方後円墳である( )陵が含まれる。
1.仁徳天皇
2.天智天皇
3.天武天皇
4.桓武天皇
まとめ
兵庫県の姫路城は、戦国時代の名軍師 黒田官兵衛の一族が建築に携わり「日本の木造城郭建築の最高点」として、日本国内では2番目の早さで世界遺産に登録されています。
大阪府の百舌鳥・古市古墳群は、仁徳天皇が奉られる大仙陵古墳、応神天皇が奉られる誉田御廟山古墳と大規模な古墳を中心に45件49基の古墳の集まりが世界遺産に登録されています。
近畿地方は歴史的な背景から、他の地域に比べ歴史的建造物が数多く残る貴重な地域です。
世界遺産検定では、どちらの世界遺産も出題されているため、建造された背景も含めて覚えておきたいですね。