地球温暖化の影響の1つに、「降雨パターンの変化」があります。台風の増加や規模の大きさも、地球温暖化の「海水温の上昇」が影響していましたが、最近のゲリラ豪雨とはどんな関係があるのでしょうか?
8月は善戦の影響で広いエリアで豪雨の被害が出ましたが、最近では狭いエリアで滝のように降る集中豪雨のような雨が増えていますね。
9月は秋雨前線で秋の長雨っていうくらいで雨が多い時期に入りましたね。
反対に降らないところではまったく降らないし雨の量に偏りが増えると、土地が干からびてしまい砂漠化するようになります。今回は雨について話していきますね。
ゲリラ豪雨多いのに地球温暖化になると雨が降らないって本当?
ゲリラ豪雨や一般的な雨の量の基準をまとめさせていただきます。
雨の量は降水量と呼ばれていて、0.5ミリ単位で計測されます。
10分間降水量、1時間降水量、日降水量などがありますが、天気予報では私たちが具体的にわかりやすい1時間降水量が使われています。
雨の量の基準とは?
1時間降水量が3ミリ未満の雨は全て「弱い雨」に分けられ、1ミリ未満では傘や雨具はいらず、服がうっすらと濡れる程度です。
1時間降水量が5ミリになると、傘があっても防水加工がされていない靴では濡れてしまうほどです。
では、豪雨と呼ばれる雨はどのくらいからになるのでしょう?
最近良く聞く豪雨の強さ
豪雨には、「やや強い雨」「強い雨」「激しい雨」「非常に激しい雨」「猛烈な雨」の5段階があり、それぞれの1時間降水量と雨の強さは次のようになっています。
▼やや強い雨
1時間降水量:10ミリ以上〜20ミリ未満
話し声が雨の音でよく聞き取れにくいこともあります。水たまりが地面一面にできます。
▼強い雨
1時間降水量:20ミリ以上~30ミリ未満
傘をさしていてもぬれるほどの激しい雨で、車のワイパーを動かしても見づらく視界が悪いです。
▼激しい雨
1時間降水量:30ミリ以上~50ミリ未満
寝ている人の半数が雨音で目が覚めるほどの雨です。
道路が川のようになります。高速走行時に路面や車輪の間に水膜ができて、ブレーキが効かなくなる「ハイドロプレーニング現象」が起こりやすいです。
▼非常に激しい雨
1時間降水量:50ミリ以上~80ミリ未満
傘は全く役に立たなくなり、車の運転は危険で、水しぶきで視界が悪くなります。
▼猛烈な雨
1時間降水量:80ミリ以上
視界が水しぶきで真っ白になり、車の運転、外出も危険です。
弱い雨と豪雨は、1時間降水量で比べるとおよそ10倍の違いがあることがわかります。
ただ、注意が必要なのは弱い雨でも梅雨や線状降水帯のように長く降り続く雨です。
「やや強い雨」が2時間降った場合、降水量は20~40ミリですが、「弱い雨」でも10時間降り続くと降水量は30ミリにもなり、洪水や土砂崩れの危険は変わらないことになります。
雨の天気は、1時間降水量と一緒に、どのくらい降り続くのかを知っておく必要があります。
最近の悩み事ゲリラ豪雨の真実
ゲリラ豪雨は、正式な天気予報の用語ではありませんが、私たちの注意を引きやすいため最近のニュースではよく使われています。
ゲリラ豪雨は、気象庁の分け方の「局地的大雨」と「集中豪雨」のどちらかに当てはまる場合に使われています。
局地的大雨の定義
局地的大雨は、「数10分の短時間に数10ミリ程度の降水量になる雨」とされています。
数10分の短時間に数10ミリ程度といわれても、実感が湧きにくいのですが、1時間降水量では「非常に激しい雨」「猛烈な雨」に当たります。
集中豪雨の定義
集中豪雨は、「数時間にわたって強く降り、100ミリから数100ミリの降水量をもたらす雨」「局地的大雨が連続する雨」とされています。
2つの違いは、局地的大雨が短時間で降り終わるのに対し、集中豪雨は数時間続き、より大きな被害をもたらします。
雨を降らせる雲は、高さが低く幅が広い乱層雲と、高さがあり幅が狭い積雲・積乱雲があります。
中でも、ゲリラ豪雨を降らせる雲は積乱雲が大きく発達した雷雲です。
積乱雲が発達する理由には、気温と地形の2つがあり、ゲリラ豪雨の原因になる雷雲の発達には気温の影響が大きいとされています。
地球温暖化の影響?
地表付近の空気が温まり、上空に冷たい空気が流れ込み、温度差が大きくなることで積乱雲はより大きく発達し、スーパーセルと呼ばれるゲリラ豪雨の原因になります。
近年のゲリラ豪雨の増加は、地球温暖化が影響しているとされていますが、地球温暖化で雨の日が増えるのかというと、そう単純ではないようです。
豪雨なのに干ばつが起こる理由
地球温暖化が地球全体に与える影響は、大きく分けて「海水温の上昇」「海の酸性化」「降雨パターンの変化」「熱帯性の感染症の拡大」「病害虫の増加」の5つでした。
ゲリラ豪雨の増加は、「降雨パターンの変化」に当たります。
豪雨が増えるのに、干ばつが起こるのは一見矛盾して見えてなりません。
実際には、最近の日本の傾向をみてみると、ゲリラ豪雨などの狭いエリアで降る雨はとても増えているのに、日本全体の降水量は決して増えていないという状態がつづいています。
つまり、雨の降る地域と時期が偏ってしまい、雨が降らない地域も出てきているのがゲリラ豪雨の真実というわけです。
まとめ
雨の量に隔たりがあると、飲み水や農業用の水が足りなくなるので、農作物がうまく育たないようになります。
森林で暮らしていた動物たちが住みかや食料を奪われて、死んでいくようになります。
回りが海で囲まれている狭い日本だけど隔たりが出来ているんですね。
そういうことです。国土が限られ、食料自給率が低い日本では、雨の隔たりは実はとても深刻な問題は間近に迫っているのです。では続きはまた次回に。