天気にまつわることわざ
虹に関することわざ
言い伝えのようなものから、理にかなっているものまで様々です。
「白虹日を貫く」の意味とは?
「白虹日を貫く」(はっこうひをつらぬく)とは、実力者や支配者にとっての不吉を予兆することわざです。
白い虹を武器、太陽を太守や君主といった支配者に見立て、支配者が貫かれている事を表しています。つまり、明るい空にかかった虹(白日にかかる虹=白虹)は、謀反が起こる兆しということです。
その昔、天気からさまざまな予知を行なう易学者が、天気のいい日に虹がかかっている光景を目にし、君主に不吉が訪れると報告したのが始まりと言われています。

太陽と青空と虹
「晩の虹は江戸へ行け、朝の虹は隣へ行くな」の意味とは?
「晩の虹は江戸へ行け、朝の虹は隣へ行くな」(ばんのにじはえどへいけ、あさのにじはとなりへいくな)
夕方になって虹が出たら、次の日に江戸(今の東京や都会のこと、つまり、遠出と解釈します)まで行くにも天気が崩れる心配はない。
一方、朝虹を見た日は、じきに雨が降り出すため隣町にさえ行かない方がいい、という意味です。
虹は主に雨が降った後に出ることから、夕方に虹がでれば、しばらくは雨が降らないだろうという考え方です。そのため、次の日に遠出をしても大丈夫だろうことを言い表しています。
反対に、朝に虹が出た時は、近くで雨が降った証であり、その雨雲がこちらにやってきてそのうち雨を降らせるだろうという解釈です。
必ずしも天気の予測方法に反するわけではなく、理にかなったことわざとも言えます。
なお「晩の虹」には、“夕方の虹を見たときは、翌日にいいことがある予兆”という解釈もあります。

虹(ダブルレインボー)
「朝虹に川超すな」も理にかなっている?

青空と虹
「朝虹に川超すな」(あさにじにかわこすな)も天気のメカニズムを利用したことわざです。
先の「晩の虹は江戸へ行け、朝の虹~」の『朝の虹は隣へ行くな』の部分と似た意味になります。
朝に虹が出るのは、必ず西の方角になります。
なぜなら、虹の見える法則として、太陽とは逆の空にしか虹が出ないためです。つまり「朝虹」は、西の空にかかる虹を指します。
日本では、気圧配置の関係で天気が西から東に変化することが多いです。
西の方で雨が降っていれば、それよりも東の方角にやがてその雨雲がやってくることを表しています(その前に雨雲が消えることもあります)。
したがって、そのうち雨が降りだすから川を越えるような遠出はするな、という忠告を意味します。
このように、虹に関することわざには言い伝えのようなものから、理にかなっているものまで様々です。

スケッチブックに描かれた虹