テントは構造の違いでドームテント、ツールームテント、ワンポールテント、ロッジ型テントの4種類に分けられています。今回は、構造はほとんど同じで広さの違うドームテントとツールームテントの選び方のポイントをお話しさせていただきますね。
初心者向け家族用ドームテント、ツールームテントの選び方
ドームテントとは?
ドームテントはテントの天井が丸い野球ドームの形なるテントです。テントのパーツは、テント本体のインナーテントに2本のポールをクロスさせ、さらに上からフライシートで覆います。
アウトドア用品が市販されるようになった1980年代頃には、ポールの柔軟性で風を和らげ、フライシートに耐水性を持たせることができたことから、多くのメーカーの主力商品になっていました。
ドームテントのメリット
ドームテントのメリットは、雨風に強い構造であることと、ソロキャンプからファミリーキャンプまで様々な大きさが選べる点にあります。国内外のキャンプ用品メーカーのフラグシップモデルは、本格的な装備が必要な登山家や探検家にも信頼されています。
ツールームテントとは?
ドームテントには、フライシートの入り口側を広げることで休憩や調理に使える前室があるタイプもあります。大きなフライシートをアーチ型のポールで広げ、インナーテントと同じかさらに広い前室を持つテントがツールームテントです。
ツールームテントはドームテントを2つ繋げたような構造で、インナーテント側に2本、前室側に1〜2本のポールがあります。前室側はやや風の影響を受けますが、市販されているテントでは雨に強いものがほとんどです。
ツールームテントのメリット
ツールームテントのメリットは、完全に外の空間と分けることができる前室です。寒さや雨の中、ゆっくりと過ごすには最適なテントです。
ドームテントとツールームテントの選び方
ドームテントとツールームテントの構造は、ほとんど変わりません。ドームテントの前室が広いモデルをツールームテントとして販売しているメーカーもあるため、雨風への耐久性と防寒の性能にも大きな違いはありません。
選び方のポイントは、「人数」と「キャンプスタイル」の2つで決めると失敗しないはずです。
人数で選ぶ
ドームテントかツールームテントで迷われたとき、どちらを選ぶかの1つ目は一緒に過ごす人数です。
テントの室内は、雪が降る地域での冬キャンプ以外では寝室として使うため、一緒に過ごす方全員が足を伸ばして眠れるスペースが必要です。
ソロキャンプやお2人でのキャンプでしたら、3〜4人用のドームテントの前室でも、雨を避けるスペースは十分あります。ですが、テントの構造上、大きさが増しても前室の広さは1〜2人用のスペースに限られます。
これからファミリーキャンプを楽しまれる方、2〜3人以上でキャンプに行く機会が訪れる方は、雨や強く陽射しを避ける前室のあるツールームテントがおすすめです。
キャンプスタイルで選ぶ
人数の他にも、ドームテントかツールームテントかで迷ったときのポイントがキャンプスタイルです。
まず1つ目は、現地までの交通手段が車かその他かです。3〜4人用のドームテントの場合、収納時の重さは4〜5kgでメーカーによってはさらに軽いモデルもあります。
同じ3〜4人用のツールームテントでは、ポールの本数が増えるため8〜10kgのものがほとんどです。
オートキャンプでもバイクや自転車で移動される方は、ドームテントの方が持ち運びに向いています。
次は、キャンプ場にどのくらいの時間滞在するかです。お昼にキャンプ場に到着し、翌日のお昼に撤収する場合、屋外で過ごす時間は10時間前後でしょう。
2日間ゆっくり時間をとってキャンプを楽しまれる方は、さらに倍以上屋外で過ごす時間が増えます。初日の夜は、お酒も楽しみたいものですね。
屋外で長くゆっくりと過ごしたい方は、雨風を避ける前室の広いツールームテントがおすすめです。
ドームテントとツールームテントに共通した比較ポイント
また、ドームテントとツールームテントどちらにも共通するテントの比較ポイントがあります。「ポール」「耐水圧とベンチレーション」の2つです。
ポールの種類
ポールには、アルミ、ステンレス、ジュラルミンの3種類があり、どのポールもサビには強い特徴があります。
アルミのポールは、ステンレスに比べて軽く持ち運びに便利なのですが曲がりやすくもあります。
ステンレスのポールは強度は十分で曲がることはありませんが、本数が多いとかなり重くなってしまいます。
アルミと同じくらい軽く、ステンレスに近い強度を持つのはジュラルミンのポールです。値段に大きな違いを感じない方は、長く使えるジュラルミンポールのテントがおすすめです。
耐水圧も必ず見よう
また、テントが雨にどのくらい強いかを示す数値に耐水圧(○○mm)があります。
フライシートの耐水圧が1500〜2000mmのテントは、大雨にも耐えられる性能があり、メーカーのフラグシップモデルには3000〜5000mmという高性能テントもあります。
耐水圧が高いほど雨には強くなりますが、室内の湿気が抜けにくくもなります。耐水圧の高いテントを選びたい方は、建物の換気口に当たるベンチレーションの多いテントを選ばれるといいでしょう。
まとめ
ドームテントとツールームテントのお話はいかがでしたか?はじめてのテント選びは、楽しくもあり、とても迷ってしまうことでもあります。ときには、その後のキャンプスタイルに合わず買い換えることもあるでしょう。ドームテントかツールームテントかで迷われた方は、「人数」と「キャンプスタイル」の2つを基準にテントを選ばれてはいかがでしょうか。