最近は40度ちかい猛暑がつづくこともある夏の気候。夏にまつわる天気ことわざを知って、日本の四季をもっともっと愛してみてください。夏にまつわることわざは沢山ありますが2022年7月に6選から12選に増やしました!
学生の皆さん方はどうぞ宿題や自由研究などにお役立てください。
30度超えると熱中症が気になって、なかなか屋外を出歩けないことも多い昨今の「日本の夏」です。ところによってはゲリラ豪雨があることもあり、おだやかな夏とはほど遠い陽気がつづいています。
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天気ことわざが面白い!動物や鳥、霧や雷を使った天気ことわざは何?
観天望気・夏にまつわる天気ことわざ
春夏秋冬の中でも、もっとも気温が上がり爽快なシーズンが夏。日本には夏にまつわる天気ことわざも、たくさんあります。
寒い冬ですが、チリーン。風鈴をかざってみました。今回は私の大好きな季節、夏のご紹介です!
気が早いなー。夏まで待てないってところかな。
夏に風鈴の音を聞くと「夏がきたな~」と思うよね。夏のことわざって、実はとても面白いものがいっぱいあるみたいだよ。
夏の入道雲は晴れ
モクモクとした大きな入道雲があらわれると、お天気になるということわざです。とは言え入道雲が出ると、大雨が降る―という言い伝えも聞いたことがあるはず。このことわざは本当なのでしょうか?
入道雲の本当の名前は『雄大積雲』といいます。雄大積雲がさらに大きく進化すると、みなさんご存じの「積乱雲」になります。積乱雲がいくつもつながると雷や竜巻なども引き起こし、災害をもたらすような豪雨を引き起こす恐れもあるためとても危険です。
入道雲が青い空に浮かんでいると、海にヨットが浮かんでいるように壮大な気持ちになりますが、さらに大きな積乱雲に変化したら少し危ないサイン。覚えておくといい豆知識です。
梅雨に降らぬと、土用に降る
土用の丑の日においしいウナギを食べるのは、ささやかな夏のお楽しみのひとつですよね。夏の土用はだいたい7月の後半から、8月の頭にかけてあります。2021年度は7月19日の日が、土用の丑の日にあたります。
梅雨に降らぬと土用に降るというのはお天気のジンクスで、まとまった雨が梅雨のシーズンに降らないと、夏の土用にドカッと大雨が降るという意味があります。
じめじめとした梅雨の季節は嫌なものですが、降るべき時期に雨が降らないと、そのあと天気のバランスが崩れてしまい災害をもたらすような大雨につながることもあります。人生もお天気も「ちょうどいいあんばい」が必要なのですね。
夕立は三日
夏の午後から夕方にかけて、ザーと勢いよく降るのが夕立です。さっきまで晴れていたのに、急に傘が必要な天気にさま変わりするので、びっくりさせられることもあります。
そんな夕立は、ひとたび起こると3日間は続くよ―と述べたのが「夕立は三日」というお天気ことわざです。たしかに夕立のような大雨は、ピンポイントではなく、ある期間に集中して起こることが多いかもしれませんね。
ちなみに夕立が起こるメカニズムは、どんなものがあるのでしょうか?夏のギラギラの太陽が照り付けると、地面近くの湿った空気が少しずつ温まり空にのぼっていきます。湿った空気は空の中で積乱雲などの雨を降らせる雲に変化し、ザーという大雨を降らせるようになります。
急激に変化することも多い、夏のお天気。朝とてもよく晴れていたとしても、夕方にはひと雨降ることもあります。「夕立が1日、2日と続いていたら、今日も降るかもしれない」と心得て雨具を準備しておくことも大切です。
夏の雨は馬の背を分ける
夏の雨の特徴を述べているのが「夏の雨は馬の背を分ける」です。馬の背中で分けられるくらい、夏の雨が小さなエリアで降るという例えになります。
馬の背中というのは少しオーバーな気がしますが、たとえば電車に乗っていて窓の外が大雨だったとき、お隣の街に着くころには雨が降った気配すら感じられない…。そんなことも日常生活では良くあります。
南高北低の夏の気圧配置になると、南から暖かく湿った風が入りやすくなり、局地的な大雨が降りやすくなります。夏にアウトドアを楽しむ場合には「夏のお天気は変わりやすいこと」を知っておくとより楽しく過ごせるかもしれません。
雷なれば梅雨あける
気象予報士さんの間では「雷がよく鳴るようになると、梅雨明けまでのカウントダウンが始まる」と言われています。ちょっと面白いジンクスですが、実はこれは理にかなっているところもあるのです。
梅雨の時期は、梅雨前線の働きによって日本列島の各地に雨が降ります。梅雨前線はオホーツク高気圧と太平洋高気圧をわける、いわば「境界線」のような役割を果たしています。
梅雨の最初の頃は、オホーツク高気圧が優位に。反対に梅雨が終わりの頃になると、太平洋高気圧が優位になり、南から温かく湿った風が前線に向かって流れ込みやすくなります。そのため大気の状態が不安定になり、雷や大雨が降るようになるのです。
ピカッと光る夏の雷は、恐怖のシンボルですが「梅雨がそろそろあけるサイン」。ちがった角度で空を眺めてみると、またちがった発見ができるかもしれません。
流星多ければ、日照りつづく
夏に流れ星が多いと、昔から日照りになるといわれています。山梨県の南アルプス周辺で伝えられることわざですが、科学的な見解はまだよくわかっていません。
夜空に流れる美しい流れ星は、現代人の私たちにとっては「華やかなショー」ですが、昔の人にとっては少し違うニュアンスだったのかもしれませんね。
夏も近づく八十八夜
八十八夜は、民謡『茶摘み』で幼い頃に聞いたことがある方が多いかもしれません。
八十八夜は、中国発祥の二十四節気の中でも季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた雑節(ざっせつ)の1つに当たります。
旧暦では暦日と季節が大きくズレる年もあることから、農作業をする方へ特に注意を喚起するた
めにこの雑節が作られたことが由来です。
八十八夜は、立春の87日後の日とされており、2022年は5月2日でした。
日本国内では、ゴールデンウィークの最中で気候が不安定な季節でもあります。
八十八夜の由来にも、「遅霜が発生する時期」「気候が不安定な晩春」とされ、暖かさが心地よく、夏の訪れが楽しみではありますが、気候の変化に気をつけましょうという意味が込められています。
「夏も近づく八十八夜~ポン、ポン♪」よく小さい頃意味もわからず歌ってましたが、観天望気と深いつながりがあったんですね。以外でした。
夏歌うものは冬泣く
夏歌うものは冬泣くとは、働ける夏に働かないで歌い暮らす者は、冬になって寒さと飢えに泣くと
いう意味があります。
夏歌うものは冬泣くの意味を聞いてなにか思い出さない?
あ、わかった!アリとキリギリスだ~。
そうです。
ここですぐに思い浮かぶのは童話『アリとキリギリス』ではないでしょうか?
過ごしやすい夏だからといって、遊んで暮らしていたキリギリスは、冬になって食べ物も住む場所
にも困ることになるお話です。
平成後半からは、キリギリスはアリに助けてもらえることになっていますが、昭和の時代は何と餓
死してしまいます。
えっ!そうだったの?本の内容も変わってたんだ~。
「夏歌うものは冬泣く」は、季節と労働、つまりは農作業と冬ごもりを例えていますが、こうも言えます。
好景気の時に資産を蓄えておくと、不景気になってから耐え忍ぶことができますよ。
これ、イトポン先輩を思い浮かべた!
ムムム!キナポンがアリで俺はキリギリスってかい?笑
夏は日向を行け、冬は日陰を行け
「夏は日向を行け、冬は日陰を行け」は、読んだままの意味で、暑い日には日向で過ごし、寒い日
には日陰で過ごすことで体が鍛えられるというものです。
もちろん、令和の現代ではそのまま実践する方はいないはずです。
猛暑日には、「冷房を適切に使用してください」と熱中症予防が呼びかけられ、冬の季節には「雪
が降る前に暖房設備の点検を」と呼びかけられています。
暑い中過ごせば暑さに強くなるわけではなく、寒い中黙っていては低体温症になってしまいます。
ここで言う夏と冬は、私たちの仕事や勉強に当てはまるのではないでしょうか?
夏の時期を例えて「忙しい時期には、目の前の物事をひたすら片付け」、冬の時期を例えるなら「暇な時期にはじっくりと今までを振り返り対策を検証する」。
そんな意味が現代には当てはまりそうですね。
猛暑特訓をするよりも、より実践的ではありませんか?
貰う物は夏も小袖
小袖は着物の種類の1つで、肘より先まで袖がある着物です。
江戸時代の東京を中心とした和服の文化では、小袖は春と秋の上着、冬の肌着と位置づけられ
ていました。
「貰う物は夏も小袖」の意味は、季節外れの衣服であっても頂けるものは貰ってしまおうという少々厚かましい様子を表現しています。
1枚の布を織り込みながら縫う着物は、サイズの変更や裏地を着脱して季節に合わせることも容
易でした。
現代なら、真夏に着る予定はなくても着回しのできるアウターを頂いておこうという感覚ではない
でしょうか。
貰う物は夏も小袖とは、厚かましさを表現したことわざですが、現代的な感覚では資源を大切に
すると受け取ることもできますよね。
11.夏の虫氷を笑う
「夏の虫氷を笑う」とは、夏の間しか活動しない虫にとって氷は見たこともないものです。
氷という存在を知らず、「マイナスの気温で水が氷るの? ありえないよ」と笑ってしまうことでしょう。
近いことわざの、「井の中の蛙大海を知らず」と同じく、見識が狭いことを例えています。
現代に暮らす私たちも、自分の知らないこと、見たこともない物事は信じることができないもので
す。
夏の虫にとって、水が凍ることを知らないように、未来人には当たり前の過去へのタイムトラベル
を笑っていられるのも、今のうちかとしれませんね。
夏は熱いものが腹の薬
猛暑日の続く日本の真夏。
食べたいものというと、冷やし中華、冷たいお刺身、アイスクリーム、かき氷とよく冷えていてさっぱりしたものが食べたくなります。
さらに熱中症が問題になっている近頃の日本では、夏の水分補給はかかせません。
ですが、ひと昔前の昭和の時代には夏は暑いラーメンやそばが体にいいとも言われていました。
その裏づけになっていたことわざが、「夏は熱いものが腹の薬」です。
実は、熱い食べ物は塩分とたんぱく質が多く、体温より上の温度は消化にもいいとされていま
す。
熱中症では塩分が失われることが原因に上げられ、夏バテではたんぱく質不足が指摘されてい
ます。
体調を壊してまで熱い物を食べる必要はありませんが、冷房の整った環境なら、たまには暑い食
べ物も体に良さそうですよね。
まとめ
最近は40度近い猛暑がつづくこともある夏の気候。
ところによってはゲリラ豪雨があることもあり、おだやかな夏とはほど遠い酷暑がつづいています。
熱中症が気になって、なかなか屋外を出歩けないことも多い昨今の「日本の夏」ですが、空気の
ひんやりした早朝や夕方に、空を眺めてみるのも楽しいかもしれませんね。
夏にまつわる天気ことわざを知って、1つでも体験してみながら、日本の四季をもっともっと愛してみてください。