北海道で土から草木の目が見え始める4月頃、2つの出来事が始まります。1つは、最近ブームが続いているアウトドアです。もう1つは、アウトドアで事故の元になる熊との遭遇事故です。私も、北海道キャンプで熊ではありませんがキツネにゴミを漁られてしまった経験があります。そこで、今回は北海道の熊を含む野生動物対策のお話をさせていただきます。
北海道のキャンプ場のオープンとヒグマの目覚め
アウトドアの始まりと北海道のヒグマが冬眠から目覚める時期は、運悪くほとんど一致しています。そのため、キャンプ場のオープンやハイキング始めに合わせて、熊との遭遇事故が起こっています。
春から初夏はヒグマもお目覚め
熊の仲間でも、最も大きな体を持北海道のヒグマ。大人のオス熊は体長約1.9 〜2.3m、体重が約120〜250kg以上にもなる国内最大の陸上野生動物です。
北海道では、毎年4月から5月の春から初夏にかけてヒグマの目撃や遭遇事故がニュースになることから、「北海道には熊が出る」と本州の方にも知られるようになってきました。
ヒグマは、山で雪が解け始める3月末頃から4月にかけて、冬眠から目覚め子育てを始めます。冬眠の間、食事を全く摂らず、蓄えた栄養だけで過ごしていたヒグマは、春になるとお腹を空かして山の中で食事を探し始めます。
ヒグマの行動範囲は広く、あまり人を怖がらない習性から、山菜採りや登山に出かける人と出くわすことが多く、アウトドアブームでさらに目撃が増えているといわれています。
キャンプ場がオープンする季節
北海道のキャンプ場は、冬キャンプやグランピングの設備がある場所を除いて、ほとんどが4月からオープンします。理由は、日によって最低気温がマイナスになる3月の屋外の気温では、冬キャンプ用の装備が必要になること。キャンプ場でも、降り積もった雪を除雪してから芝生や設備を製品するためです。
キャンプ場のオープンと、ヒグマが冬眠から目覚めて山を歩き回る時期は、ほとんど同じ時期でもあるんです。
キャンプでキツネのゴミ漁りに遭う
ヒグマのお話とは変わってしまいますが、北海道でキャンプを楽しんでいる私は、数年前に始めて野生動物と遭遇する出来事がありました。
前日の天候が悪かったため、利用客の方がほとんどおらず空いていたキャンプ場、テントはまばらで数区画に1つだけでした。とても静かで自然を堪能した夜、「カサカサ」「ゴソゴソ」という音で目が覚めます。
しばらく音を聞いていると、突然「ザーッ」と何かを引きずる音で何かを取られたと思いテントから飛び出しました。テントから10mほど離れた場所には、私たちのゴミ袋があります。
後で管理棟で聞いた話では、利用客が少ない日の夜にはキツネが夜にゴミを漁りに来ることがあると知りました。
ゴミ処理と音で野生動物を寄せ付けない
北海道に生息する大型のヒグマ、エキノコックスという寄生虫の感染に気をつける必要があるキタキツネは、どちらも「寄せ付けない」ことが大切です。地元の方は当然知っていることです。私みたいに転勤族や本州から見えた方向けに、北海道キャンプで同じ被害に逢わないよう深ーく反省しながら書いています。
野生動物に効果的な方法は、「匂いと音」です。
ゴミ処理はヒグマとキツネ対策の基本
犬の嗅覚が人間に比べて100〜300倍も優れていて、警察犬や災害救助犬として活躍しているのは知られています。
ここでクイズです
それでは、熊の嗅覚は人間と比べてどのくらいなのでしょうか?
① 50倍 (人間より優れている)
② 200倍 ( 犬と同じくらい)
③ 1000倍(犬より5倍)
④ 2100倍(犬より10倍)
⇩ シンキングタイム
実は、熊の嗅覚は犬よりも優れていて人間の約2100倍。数字が大き過ぎてわかりにくいのですが、動物の死体や発酵した果物など匂いのするエサなら、20〜30km以内ならおおよその位置がわかるそうです。
ちなみに、キツネの嗅覚は犬と同じくらいだそうですよ。熊やキツネなど野生動物を寄せ付けないためには、ゴミ処理が必要です。
特に生ゴミはキャンプで眠りにつく前に、キャンプ場指定の場所にゴミを集めるか、車の中に入れてしまいましょう。
時に気を付けたいのは
気をつけたいのが、バーベキューグリルです。肉や魚の焼けた脂がこびりついているので、タワシや洗剤で綺麗にしておきたいですね。
ちなみに、カラスなど人間に身近で頭のいい野生動物は除いて、熊やキツネには、音を鳴らして動いてまわる車が、機械なのか動物なのかは判断がつかないようです。
車にゴ置かれたゴミ袋は、自分よりも大きな猛獣が餌を抱えているように見えるのかもしれませんね。
音で人がいることを知らせる熊鈴とラジオ、もしもの時は…
ゴミ処理の他に熊やキツネを避ける方法には、「音」を利用する方法があります。
北海道には、「熊鈴(くますず)」と呼ばれる金属製の卓球の球くらいの大きさの鈴が売られています。鈴からは、熊が苦手な音が出て、人が近づいていることを知らせる効果があります。
また、夜に荷物をいたずらしてくるキツネには、ラジオをつけておき「音量を聞こえるか聞こえないか」に設定すると効果があるともいわれています。
それでも、万が一熊と遭遇してしまったら…アウトドアショップで販売されている「熊撃退スプレー」を持っていてもいいのかもしれませんね。
熊対策で危険を避けるまとめ
北海道では中型犬ほどのキツネも、場合によっては危害を加えられることはあります。ですが、本州のツキノワグマよりも大きく、シロクマやグリズリーお同じくらい大きなヒグマからは、助かる方が難しいくらいです。春から初夏にかけてキャンプに出かけられる方は、熊対策を欠かさず行ってくださいね。
参照:北海道ホームページ: http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/higuma/kihon.htm
北海道警察ホームページ: https://www.police.pref.hokkaido.lg.jp/info/chiiki/bear/bear.html