道央の冬のバードウォッチング
冬のアイドル、シマエナガと呼ばれる小鳥をご存知ですか?スズメより小さなまん丸で真っ白な姿に大きな目が愛らしい、昨年から人気の小鳥です。シマエナガは北海道内なら街中でも見かける身近な小鳥で、冬用の羽に生え変わる12月から2月はとても可愛らしい姿を見ることができます。
冬のアイドル シマエナガに会える北海道の季節の概要
冬の妖精、冬のアイドルと呼ばれ昨年から人気の小鳥シマエナガ。写真集やグッズが販売されるほど人気のシマエナガには、北海道内なら街中でも会うことができるんです。
まずは、シマエナガの特徴と写真集やSNSのような姿を見ることができる季節の特徴をお話しさせていただきます。
北海道の冬の妖精の全国デビュー
シマエナガは、日本全国で見かけるエナガと呼ばれる小鳥の1種です。体長は13〜14cm、翼を広げると15〜16cmとスズメよりも少し小さい大きさです。
シマエナガってどんな鳥?
羽毛は白く、フワフワとした丸っこい体型は愛らしく、少し離れていても「変った小鳥がいるなぁ」と気になる存在。時折見せる首を傾けた「どうしたの?」という可愛い表情はカレンダーやポスターにもなっていて、バードウォッチングをされる方以外にも親しまれています。
バードウォッチングというと、野鳥の知識に精通していて、高性能カメラを持った方が楽しむ専門的な趣味の1つでした。野鳥の姿は、専門の本を購入したり、Webサイトを運営されているバードウォッチングの専門家からしか得られない貴重な情報でした。
最近では、スマホカメラの性能が高くなり、InstagramやTwitterで手軽に写真がシェアできるようになり、多くの方がSNSで画像をシェアされています。
今までは北海道のローカルアイドルだったシマエナガの人気は、「冬の妖精」「冬のアイドル」と呼ばれ全国に広まることになりました。
エナガの中でも変わり者のシマエナガ
日本全国で見かけるエナガと北海道だけで見ることができるシマエナガには、少しだけ顔に違いがあります。シマエナガは、ユーラシア大陸と周辺で暮らしているエナガ(英語名 Long-tailed bushtit)と呼ばれる小鳥の仲間です。
4種類のエナガ
日本国内には、北海道のシマエナガ、本州で暮らすエナガ、九州と四国で暮らしているキュウシュウエナガ、対馬だけで見られるチョウセンエナガの4種類のエナガが生息しています。
エナガの種類の分け方では、シマエナガが北方系、エナガとキュウシュウエナガ、チョウセンエナガの3種類が南方系と呼ばれ、羽根の色に大きな違いがあります。
子どもの頃には、シマエナガと他のエナガの違いはわかりづらく、専門家でなければほとんど見分けはつかないようです。
4種類のエナガの中で、シマエナガだけが大人になると真っ白な羽根に覆われます。
シマエナガとエナガの違い
全身の白さの他にも細かな違いがたくさんあります。例えば、エナガには、大きな黒い眉毛があり、背中まで続いていますが、シマエナガは眉毛がなく顔が真っ白なんです。大人の鳥でもヒヨコのような可愛い顔は、眉毛がないからなのかもしれませんね。
また、シマエナガは、夏と冬で羽毛が生え変わり、夏は移動に向いたスマートな体型、冬は保温のためのフワフワの丸っこい体型を見ることができます。ちなみに北海道では、スズメも冬にはフワフワの丸っこい姿になり、雪の上で遊ぶ姿はとても可愛いんですよ。
シマエナガの暮らし
シマエナガは、他のエナガと同じ留鳥や漂鳥という渡り鳥ではない鳥です。渡り鳥ほどではありませんが、季節によって住処は変わり、夏場は涼しく食事の多い山の中で暮らしています。
紅葉が終わり、雪がちらつき始めると、厳しい寒さを避けるために標高の低い街の近くの森や公園に移るため、地域で暮らしている人に見かけられるようになります。
食事は、夏場は山の中で小さな虫を食べていますが、冬には気に残った木の実や地面に落ちた木の種をついばんでいます。
シマエナガに会える季節と天気の特徴
シマエナガは留鳥と呼ばれ、1年中同じ場所で暮らしています。バードウォッチングを専門に楽しまれている方は、1年の中で姿が変わるシマエナガを追い続ける方もいらっしゃるようですが、せっかくなので冬のフワフワした姿を見たいものです。
冬のシマエナガには、12月頃から2月までの真冬の季節に会うことができます。森の中に出かけなくても会うことができるので、札幌市と函館市のバードウォッチングスポットの天気を調べてみましょう。
札幌市と函館市の冬の平均気温
札幌市の平均気温は、2019年12月-0.9℃、2020年1月-2.3℃、2020年2月-2.1℃と北海道内でも暖かい地域ではあります。
函館市の平均気温は、2019年12月0.3℃、2020年1月-0.9℃、2020年2月-0.7℃と北海道の南側の地域なので東北地方に近い気温です。
ただ、ここ3年ほどは暖冬傾向なことと、1日の中で気温の変化が10℃ほどある日もあるため、当日の天気には注意が必要です。
札幌市と函館市の交通事情
札幌市と函館市は、北海道内でも交通機関が整っている地域です。札幌市内の移動は、市内に3路線ある地下鉄、中心部を巡る路面電車、市内各地を結ぶバスで移動することができます。
函館市内は、市を縦断する路面電車と市内各地を結ぶバスでの移動になります。
札幌市と函館市のバードウォッチングに必要な服装は?
バードウォッチングというと自然の中で双眼鏡を構えて「じっと鳥を待つ」ことを思い浮かべます。
シマエナガを撮影される方も本格的なバードウォッチングをされる方を見かけますが、今回は札幌市と函館市を普段着に近い服装で歩きながらシマエナガを探せるスポット、普段着に近い防寒装備を紹介させていただきますね。
冬のバードウォッチングの服装と装備
札幌市と函館市の平均気温は函館市が少し高く、雪の降る日は札幌市が多く函館市は少ない。海沿いの函館市は冬の風が強い特徴がありますが、12月から2月はどちらも-の気温が続くため、同じ服装を紹介させていただきます。
屋外を移動するバードウォッチングのポイントは、防寒と雪対策です。
防寒は、アウターにダウンジャケットやウールのコートなど外からの寒さを遮る服が必要です。インナーは、起毛のニットなどで熱を逃がさない重ね着が効果があります。
意外と見落とされがちですが、靴下も保温効果があるものの方が、長い時間屋外で動き回ることができます。こちらの雪対策で傘をさすことはほとんどありません。
ですが、髪の毛に雪がついたまま交通機関に乗ると雪が解けて髪が濡れてしまいます。ニット帽やキャップなど、服装に合わせた帽子を選ばれるといいですね。
シマエナガに会えるスポット
シマエナガは、北海道内なら街中でも見かけることができます。ゆっくり歩きながら自然を楽しんだり、SNS映えする写真を撮りたい方には市内にある公園がおすすめです。
札幌市内なら、地下鉄で行ける円山公園、バスを乗り換えて向かう山の裾野に広がる旭山記念公園がおすすめです。函館市内の五稜郭公園は、市電を降りてから徒歩10分ほどで行ける大きな公園です。公園内には、五稜郭タワーがあり、函館市内を一望することもできる人気の観光スポットでもあります。
札幌の市街地が一望できる冬の旭山記念公園
旭山記念公園は、札幌市中央区の高台にあり20.3ヘクタールの広さのある公園です。入口が住宅地と接している他は、周囲を森林に囲まれており、展望台からは札幌市中心部を一望することができます。
山の自然を残したまま整備した公園のため、野鳥の観察スポットとしても親しまれており、路線バスも運行しているため、冬でも訪れることができます。園内の施設は、レストハウスだけは冬期は影響しておりませんが、清潔なトイレが整備され、冬のバードウオッチングにも最適です。
展望台の付近でも標高137.5mと小高い丘程度のため、観光のままの服装でシマエナガに会いに行くことができますよ。
街中のバードウォッチングスポット五稜郭公園
もう1つは、道南の観光地函館市の名所 五稜郭公園です。五稜郭公園は、観光番組で頻繁に紹介されているほど有名ですよね。
市街地の中にありながら、周囲を水堀で囲まれ、園内には桜をはじめ幕末からの自然が残されています。星型の水堀には、カルガモやチョウサギが暮らしており、木々の並ぶ園内はスズメやムクドリの住処になっています。もちろん冬には、可愛いシマエナガの訪れるスポットでもあるんです。
五稜郭公園へのアクセス
五稜郭公園へのアクセスは、市電の五稜郭公園前駅、函館バスは公園周辺に3か所の停留所、北海道バスは2か所の停留所と函館市内のどこからでも訪れることができます。
冬の函館市は、道南と言ってもやはり寒くなり、雪は少なくても風の強い地域でもあります。五稜郭公園の間近に訪れることができるバスでの移動が便利ですよ。
まとめ
北海道で会うことができるシマエナガのお話はいかがでしたか?冬のシマエナガは、写真で見るようにまん丸でとても愛らしい姿なんです。今回は、交通アクセスの良い観光向けのバードウォッチングスポットを選ばせていただきました。観光向けといっても平均気温はマイナスの北海道の屋外です、防寒対策を欠かさず楽しんでみてくださいね。
※現在新型コロナウイルスの全国の感染者が増えています。北海道も医療体制もひっ迫する中、医療現場で働く皆様には敬意を表します。コロナ禍明けには北海道の自然に触れていただきたく記事を執筆させていただきました。
コロナ禍明けには是非北海道へ遊びに来てください。