昨年6月、全国に先駆けて発表された「新北海道スタイル」。新型コロナウイルスの流行を押さえ込み、感染症に強い環境をつろうと全国が呼びかける「新しい生活様式」を実践する北海道の取り組みです。札幌市や地方の飲食店はもちろん、温泉街にも新北海道スタイルは広まっています。
新北海道スタイルも4回目になりました。
今回は温泉旅行される方向けにインタビューした記事をまとめています。
雄大な景色を見ながら温泉でゆっくりのんびり過ごしたいですね。
是非参考にしてくださいね。
北海道内には、湯の川温泉、登別温泉、洞爺湖温泉など大規模で充実した温泉街があります。定山渓温泉と朝里川温泉は、北海道観光の中心都市 札幌市、有名な観光地 小樽市内にあるアクセスのしやすい温泉街です。
札幌市内にある定山渓温泉
定山渓温泉は、札幌市南区定山渓にある温泉街です。札幌市内にありながら、春はお花見、夏はアウトドア、秋には紅葉、冬は雪景色と四季の変化を感じられる山に囲まれた温泉地です。
源泉は56カ所あり、泉質はナトリウム-塩化物泉です。四方を山に囲まれ、中心を流れる豊平川の両岸に大規模な温泉街が広がっています。周囲には、足湯や温泉卵、ウォーキングができる公園もあり、自然を感じながらの長期滞在にも向いています。
札幌市中心部からは、地下鉄と路線バスを乗り継ぎ1時間30分ほどで着くことができます。荷物を抱えての旅行の方は、温泉旅館やホテルが運行する送迎バスの方が乗り換えや待ち時間がなく便利ですよ。
ノスタルジックな小樽の秘境 朝里川温泉
朝里川温泉は、札幌市の隣の観光地 小樽市朝里にある温泉地です。小樽運河やガラス細工、海産物やノスタルジックな街並みで全国的に有名な小樽市。
街中から列車で15分ほど、遠くに海が見える山あいに朝里川温泉はあります。源泉は食塩泉で、数はそう多くは無いようです。
初夏の太陽の光を透かした緑が美しく、夏は鳥のさえずりで眼が覚めるような自然の中に8カ所の宿泊施設はあり、夏の終わりころまで付近でバーベキューが楽しめます。
宿泊施設の規模は、秘境らしくコンパクトですが、夏場はテニスやゴルフ、冬にはスキー場があり、アクティビティには困りません。アクセスは、小樽駅からのバスが便利ですが、小樽の街中を抜ける列車の旅もいいと思いますよ。
仙台と深いつながりの登別温泉
登別温泉は、北海道の道南胆振地方にある人気の温泉地です。
登別温泉の始まりは幕末から明治の時代と、開拓150年の北海道の歴史の中では古く、現代で
も「にっぽんの温泉100選」の上位にランキングするほど全国的にも知られています。
北海道の名付け親とされる探検家 松浦武四郎が1845年に訪れた際には、既に地域の人々に
温泉が利用されており、幕末から明治にかけて周囲の道路や温泉を引く設備が整備されました。
その後、1888年には第一滝本館がオープンし、厳しい冬の季節でも温泉を楽しめるようになり
ます。
観光地として発展するとともに、日露戦争、第一次第二次大戦で負傷した軍人の保養施設として
も利用されて、北海道開拓とともに歴史に記録が残されています。
戦後は、1964年から『登別地獄まつり』が開催され、登別温泉といえば蒸気を上げる地獄谷と、迫力満点の閻魔大王が知られるようになります。
登別温泉の泉質は、9種類と温泉地の中でも際立って多く、白く濁り湯の花が舞う硫黄泉、うす
緑がかった含アルミニウム泉はどちらもお肌に良いとされています。
珍しい泉質のラジウム温泉という微量な放射線を含んだ温泉もあります。
放射線というと被爆が心配になりますが、「免疫細胞が活性化する」という説もあり、長引く怪我
や免疫機能の持病の保養目的で利用されています。
登別温泉旅館組合には、第一滝本館をはじめ14の宿泊施設が登録されており、登別グランドホ
テル、ホテルまほろば、登別万世閣は客室数も大規模です。
冬には湯気、夏の早朝には霧がかかる山間に広がる温泉街には、土産物店や飲食店が栄え、
銀行や診療所など長期滞在するための施設も整っています。
登別温泉のある登別市は、明治時代に仙台藩が中心になって開発を勧めたことから、仙台市の
文化も取り入れられた観光地も少なくはありません。
北海道有数の温泉街と道央のレジャー・新北海道スタイルの実践って
レジャーで心配なのは、やはり新型コロナなどの感染症対策です。温泉施設などの観光業は、海外旅行客の減少で不況の中にあります。
限られた設備投資の中で、感染対策は大丈夫なのでしょうか?北海道では、新北海道スタイルと呼ばれる「新しい生活様式」へ向けた取り組みがあり、地域住民と事業者それぞれが守るべきことがあります。
事業者側でもある温泉街では、「感染しにくい環境整備」に取り組まれています。
新北海道スタイルへ向けた温泉街の取り組み
北海道外や海外からの観光客で賑わいを見せていた定山渓温泉、朝里川温泉は新型コロナウイルスの流行で大きな痛手を受けた地域です。全国に先駆けて、新しい生活様式が発表された北海道では、新北海道スタイルの定着も順調に進んでいます。
定山渓安心宣言での新北海道スタイルを実践
定山渓温泉は、温泉街が1つになって新北海道スタイルを実践しています。大規模な温泉ホテルから、隠れ家的な温泉旅館が20軒以上もある定山渓温泉を取りまとめているのが定山渓観光協会です。
定山渓観光協会が主導して、新北海道スタイルの事業者向けの7つの取り組みを温泉街に徹底しているのが定山渓安心宣言です。中でも、「癒のご提案」という新しい生活様式を実践しながら温泉の楽しみを満喫できる入浴方法などは温泉街ならではです。
定山渓安心宣言は、新北海道スタイルのロゴの他にベージュの背景にネイビーの文字で描かれたポスターが掲示されています。ロゴマークを頼りにというより、地域そのものが感染症に強い安心できる観光地でもあります。
朝里川温泉の取り組みと新北海道スタイルを実践する温泉施設
朝里川温泉の宿泊施設や観光施設でも、新北海道スタイルが実践されています。
朝里川温泉で1番大きな小樽朝里クラッセホテルは、新北海道スタイルの事業者向けの取り組みを「7つの習慣化」として従業員の方全員で取り組まれています。
また、朝里川温泉にあり、夏はゴルフ、冬はスキーが楽しめる朝里川温泉スキー場では、リフトチケット売り場、レンタルショップ、インフォメーションなどでアクリル板が設置され、キャッシュレス決済を優先する感染対策が取り組まれています。
登別温泉の取り組みと付近の観光地
北海道有数の観光地でもある登別温泉は、北海道の新型コロナ感染予防の取り組み「新北海道
スタイル」を実践しています。
「新北海道スタイル」では、基本的な感染予防の三密対策の他、ビュッフェ形式の食事は小皿で
の提供やスタッフによる取り分けを行い、感染された無症状の方が利用された場合でも、他の方
へ感染を広めないよう配慮がされています。
また、「北海道コロナ通知システム」を導入し、感染者が出てしまった場合でも、初期対応を適切
に行うことで、感染が広まらない取り組みが実践されています。
登別温泉から、交通機関で日帰りで行ける「登別伊達時代村」
登別温泉から、交通機関で日帰りで行ける観光地もまた魅力的です。
まず、登別市の目玉の「登別伊達時代村」は江戸時代をテーマにしたテーマパークです。
施設内は、仙台藩にゆかりのある武家屋敷や忍者屋敷が立ち並び行き交うスタッフも着物姿。
中には、忍者のスタッフがアトラクションを提供してくれるサービスもありますよ。
また登別市内には、登別マリンパークニクスという大規模な水族館もあります。
北欧のお城をモチーフにした建物には、イルカショーやアシカショーが開催されており、ペンギン
が散歩をする時間はマリンパークニクスの名物になっています。
人気の海の生き物たちのイベントも楽しみですが、北海道ならではの北の海の生き物を展示・繁
殖している貴重な施設でもあるんです。
登別市のとなり壮瞥町には、昭和から平成にかけて噴火が起きた有珠山・昭和新山という2つの
活火山があります。
隣り合った2つの活火山の中でも、有珠山は2000年に周辺自治体が長期間避難しなければな
らないほどの噴火が起きています。
もう一方の昭和新山は、1944年に堅いマグマが突然現れてできた岩山です。
活火山というと、噴火や噴石が心配ではありますが、登別周辺の豊かな温泉は、有珠山や昭和
新山のおかげでもあります。
また、壮瞥町は2008年にサミットが開催された景観地の洞爺湖東岸に面しています。
洞爺湖は、北海道に興味のある方ならご存知の名スポットで、湖岸にはキャンプ場やアクティビ
ティ、洞爺湖温泉、リゾートが集まる地域です。
洞爺湖温泉は、日帰りではなく滞在をおすすめしており、登別温泉と洞爺湖温泉を連泊で利用す
るのも贅沢な楽しみかと思いますよ。
まとめ
北海道観光の中心都市札幌市、全国有数の観光地小樽市には、定山渓温泉と朝里川温泉とい
うアクセス良好な温泉街があります。
また、道南の胆振地方には北海道有数の登別温泉、カルルス温泉、洞爺湖温泉が集まる一大
温泉地です。
感染症に強い安心できる観光地を目指すため、定山渓温泉では「定山渓安心宣言」、朝里川温
泉の大型ホテルでは「7つの習慣化」、登別温泉でも「北海道コロナ通知システム」を運用してお
り、各地で新北海道スタイルが実践されています。
新型コロナウイルスの流行が収まり、北海道観光をされる際には、ぜひお立ち寄りくださいね。
参照: 朝里川温泉スキー場 https://asari-ski.com/1811/
低山峡温泉安心宣言 https://jozankei.jp/new-hokkaido-style
小樽朝里クラッセホテル http://www.classe-hotel.com/topics/news/000678.html