虹や朝雨や星にまつわることわざで雲の形や天気の変化を予測する先人の知恵

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天候とことわざは、古くから人々の生活に密接に関わってきました。
天候を予測するために、人々は雲の形や色、風の向き、鳥の飛び方などさまざまなことを観察してきました。
そして、その観察をもとに、ことわざをつくってきました。
天候とことわざは、私たちの生活に役立つ知恵の宝庫です。

 

天候とことわざの活用方法や歴史と種類

たとえば、「朝起きたら鳥の鳴き声が聞こえたら、今日は晴れだ」ということわざがあります。
これは、鳥は晴れた日には元気に歌うので、鳥の鳴き声が聞こえたら、今日は晴れである可能性が高いということを意味しています。
また、「夕焼けが赤い日は、明日は雨が降る」ということわざもあります。
これは、夕焼けが赤い日は、空気中の水蒸気が多くなるので、明日は雨が降る可能性があるということを意味しています。

天気にまつわる「ことわざ」は、たくさんあります。
ことわざを趣きのある言葉とだけとらえがちですが、実は天気の予測に役立つことわざもあるのです。
今回は、天気を表すことわざの意味について紹介します。

虹にまつわる「ことわざ」虹にまつわる「名言・言い伝え」

青空と虹

青空と虹

「朝虹に川超すな」

朝虹は西の空に見える虹のことです。西の空に雨雲があり、そこへ太陽が当っているときに見えることがあります。この雨雲がだんだんと東に移動してくると、その日は天気が悪くなることを意味します

これは、朝に虹を見たら、その日は天気が悪くなるので、川を渡らない方が良いという意味のことわざです。
朝に虹が見えるのは、西の空に雨雲があって、太陽の光が雨雲に反射して虹が見えるからです。
雨雲は東に移動していくので、その日は天気が悪くなるというのです。

天気予報だけでなく、ことわざからも天気の移り変わりを予測できると、いざという時に便利です。

朝虹は雨、夕虹は晴れ。

これは、朝に虹を見たら雨が降り、夕方に虹を見たら晴れるという意味のことわざです。
このことわざは、日本だけでなく、世界中の国々で知られています。

このことわざには、科学的な根拠があります。
虹は、太陽光が雨粒で反射してできる現象です。
太陽の位置が低い朝方や夕方には、雨粒が太陽の近くにあるので、虹がよく見えます。
また、日本では、気圧の谷が西から東に進むことが多いです。
そのため、朝に虹を見たら、西に雨雲があり、雨が降りそうです。
夕方に虹を見たら、東に雨雲があり、晴れそうです。

ただし、このことわざはあくまでも経験則です。
必ずしも朝に虹を見たら雨が降り、夕方に虹を見たら晴れるわけではありません。

「白虹日を貫く(はっこうひをつらぬく)」

中国の古代では、白い虹が太陽を貫くことは、兵乱の兆しとされていました。
白い虹は武器を意味し、太陽は君主を現したため、臣下が反乱を起こし君主を倒す前兆とされたのです。

しかし、現代では「白虹日を貫く」は、必ずしも悪い意味とは捉えられていません。
むしろ、希望や変化の兆しとして捉えられることもあります。
たとえば、白虹が現れた後、実際に兵乱が起こったという記録はほとんどありません。
そのため、白虹はむしろ、平和や繁栄の到来を告げるものと考える人もいるのです。

晩の虹は江戸へ行け、朝の虹は隣へ行くな

意味は、「夕方の虹は天気が晴れるので、江戸(東京)へ出かけるのには良い日だが、朝の虹は天気が悪くなるので、隣町へ出かけるのには良い日ではない」というものです。

虹は、太陽の光が雨滴で反射してできる自然現象です。
虹が見える条件は、太陽が低い位置にあり、太陽の背後に雨雲があることです。
夕方の虹は、太陽が西に沈む頃に見られるので、雨雲は東に移動しています。
つまり、夕方の虹は天気が晴れる兆しです。
一方、朝の虹は、太陽が東に昇る頃に見られるので、雨雲は西に移動しています。
つまり、朝の虹は天気が悪くなる兆しです。

このことわざは、昔の人々が虹の現象を観察して得た経験に基づいています。

 

ここからは虹にまつわる「名言・言い伝え」です。

「虹を見ると願いが叶う」

ことわざではありませんが、日本やハワイなど世界中で知られている言い伝えです。
虹は、太陽の光が雨滴で屈折して反射してできる自然現象ですが、その美しさから古くから神聖なものとして考えられてきました。
また、虹は幸運の象徴ともされており、虹を見たら願い事をすると叶うという言い伝えがあります。

この言い伝えの由来は、諸説ありますが、その一つは、虹が天と地を結ぶ架け橋であると考えられていることから、虹を見たら天に自分の願いを届けることができると考えられたためだと言われています。
また、虹の七色は、七福神や七つの大罪など、様々なものを象徴していると考えられており、虹を見たらその七つの幸運が得られるという考え方もあります。

「虹を見ると願いが叶う」は、科学的根拠のない言い伝えですが、虹を見たら幸せな気持ちになる人も多いのではないでしょうか。虹を見たら、願い事をしてみるのも良いかもしれません。

「虹の七色は七つの幸せ」

「虹の七色は七つの幸せ」はことわざではありません。
しかし、虹は幸せの象徴としてよく使われます。
虹は雨上がりに現れて、太陽の光が雨滴で反射して七色に分かれたものです。
七色は、幸せ、希望、愛、健康、富、成功、永遠などのことを表すと言われています。
そのため、虹を見たら幸せが訪れるという言い伝えがあります。

 

朝雨にまつわる「ことわざ」

「朝雨はひでりの元」

朝のうちは天気が悪くても、そのあと回復に向かうという意味です。朝雨が降っていて肌寒いと感じても、そのあと天気が良くなってきて日が照ることもあります。

朝、雨が降っているからとはいえ、昼から晴れることがあるので、体温の調整が出来る服装を用意しておくことが大切です。

「朝雨はひでりの元」

意味は「朝に雨が降ると、その後に晴れて蒸し暑くなることが多い」というものです。
これは、朝に雨が降ると、地面が冷やされ、空気中の水蒸気が凝結して雲になり、昼間になって太陽が昇ると、雲が晴れて蒸し暑くなるためです。

「朝雨と女の腕まくり」

これは、朝に雨が降ると、その後は晴れて気温が上がることがよくあり、そのせいで女性は腕まくりをして家事をすることが多いことから生まれた言葉です。
また、朝の雨は、これから一日が元気に過ごせる兆しであるとも解釈されています。

 

「朝雨に傘要らず」

はい、「朝雨に傘要らず」はことわざです。
意味は「朝に雨が降っていても、昼には晴れて傘は要らないことが多い」というものです。
これは、朝は夜に比べて大気が冷たくて重く、そのため雨雲が発生しやすいからです。
しかし、昼になると太陽の光で大気が暖められて、雨雲が消えていくことが多いのです。
そのため、「朝雨に傘要らず」ということわざが生まれました。

ただし、これはあくまでも一般的な傾向であり、必ずしも当てはまらない日もあります。
朝に雨が降っていても、昼になっても雨が続くこともあります。
そのため、傘を持参しておいた方が無難です。

夕焼けにまつわる「ことわざ」

「夕焼けは晴天の前触れ」

温帯地方では、大気の流れが西から東へと変わっていきます。夕焼けが見えるということは、西の空が晴れている表れなので、しばらくは良い天気が続くことを意味します。

夕焼けになれば、少なくとも翌日は天気に大きな崩れはないでしょう。

「夕焼けは晴れ、朝焼けは雨」

意味は、夕方に空が赤く焼けるのは晴れの兆し、朝方に空が赤く焼けるのは雨の兆しです。
これは、太陽の光が大気の層を通って私たちの目に届くまでに、青い光は吸収されやすいが、赤い光は吸収されにくいためです。
そのため、夕方に空が赤く焼けて見える時は、大気の層が厚く、雲が多いため、雨が降りやすいのです。
一方、朝方に空が赤く焼けて見える時は、大気の層が薄く、雲が少ないため、晴れが続く可能性が高くなります。

ただし、これはあくまでも一般的なことわざであり、必ずしも当たるとは限りません。
天気予報を参考にしながら、ことわざも参考にして、天気の変化を予測してみましょう。

「秋の夕焼け鎌を研げ」

意味は、秋に夕焼けがあると翌日は晴れるので、鎌を研いで草刈りや稲刈りの準備をしておけということ。
秋の夕焼けの翌日は、晴れることが多いため、このことわざは、昔から農家で使われてきました。

 

「朝焼けは雨、夕焼けは日和」

朝、東の空が赤くなっている日は雨となり、西に夕焼けしている日の翌朝は、たいがい晴れとなるというたとえです。
このことわざは、日本だけでなく、中国や韓国など、東アジアの多くの国で知られています。

このことわざの由来は、太陽から届く光(日光)には、「青い光と赤い光」が含まれています。
大気の層を通って目に届くまでに青い光は吸収されやすいが、赤い光は吸収されにくいため目に届きます。
このことから、「空の雲のない部分が赤く焼けて見える」のです。
また、上記のことに加えて、日本付近の天気は西から東へ変わっていく(雲が西から東へ流れる)ことを考えて、「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」と考えられています。

 

星にまつわる「ことわざ」

天の川

天の川

 

「流星多ければ日照り続く」

夏に流星が多いと日照りが続くことを表します。

日本だけでなく世界共通で指標にされているもののひとつで、海外へ行ったときにも使えます。流星を見ることはあまりないかもしれませんが、空に流星がたくさん流れた時は、しばらく天気が崩れる心配はないと覚えておきましょう。

風にまつわる「ことわざ」

「冬の西風、日暮れまで」

日が昇った後に西や北西の風が強くなりはじめ、午後には一番強くなり、夕方になるとおさまることを表します。

関東平野などの冬に良く見られる現象で、実際に経験している人も多いのではないでしょうか。

雷にまつわる「ことわざ」

「夜中の雷は大雨」

雷を起こす積乱雲は低気圧や前線を伴います。特に夜になると湿度が高くなり、大雨になりやすいです。

夜中に雷が鳴ることは稀ですが、もし夜中に鳴ったときは大雨になる可能性があると心得ておきましょう。万が一のための備えをしておくと安心です。

 

おまけ:「白虹張れば干天」

「白虹張れば干天」ということわざを知っていますか?

くっきりとした七色ではなく白っぽい虹が出ている時は晴天が続く、という意味です。

白虹は「しろにじ・はっこう」と読み、夏の高気圧が発達して上空湿度が低い時に見えやすい虹です。虹が現れた際は、色の見え方によっても空模様の違いを細かく判断できます

主に夏に多くみられる現象なので、白虹が出ればしばらくは暑い晴天の日が続くことになります。熱中症や強い紫外線予防の目安にもなるでしょう。

まとめ

天気に関係することわざは、まだまだあります。自然の摂理をあらわすことわざは、時に生活の中で役立ちます。
ことわざを単なる言葉としてだけではなく、天気の先読みとして取り入れてみるのも一興です。
天候とことわざは、私たちの生活に役立つ知恵の宝庫です。
天候を予測するために、天候とことわざを活用してみてはいかがでしょうか。