世界遺産条約では、世界遺産とは「顕著な普遍的価値」を有するものと規定されており、その具体的な基準は、委員会が定める「世界遺産条約履行のための作業指針」の中に詳細に示されています。
こうした基準の他、当該遺産について国内での保護措置が十分採られているか等も記載の判断基準となっています。
2021年8月現在では1,154件(文化遺産897件、自然遺産218件、複合遺産39件)
日本の世界遺産(文化遺産20件、自然遺産5件)、全世界の0.02%
今回から世界遺産検定に向けて皆さんの参考になればと思いシリーズでお届けします。
旅行やツーリングやキャンプに行った際にもお立ち寄りすることでぐっと世界遺産が身近なものに感じられることでしょう。
世界遺産検定にも出題される日本の世界遺産の数と種類
1年に1回発表される世界遺産の登録は、ニュース取り上げられた話題になる出来事です。
日本の歴史的建築物が世界遺産に登録されると、国民としてはとても誇らしいですよね。
ところで日本はには、どのくらいの世界遺産があるのでしょうか?
今回のお話は、世界遺産検定にも出題される世界遺産の種類と日本の世界遺産の豆知識をまとめさせていただきます。
日本の世界遺産登録数は世界何位?
2021年8月現在、世界中で1,154件の世界遺産が登録されています。
文化遺産が897件、自然遺産が218件、複合遺産が39件と文化遺産が圧倒的に多く登録されています。
日本の世界遺産は25件(文化遺産20件、自然遺産5件)、この登録数は世界中でどの程度の割合なのでしょうか?
世界遺産の登録が多い国と地域を見てみましょう。
1位 イタリア(58件)
2位 中国(56件)
3位 ドイツ(51件)
4位 フランス(49件)
4位 スペイン(49件)
6位 インド(40件)
……
11位 日本(25件)
日本は全世界で登録されている世界遺産の0.02%を占めています。
決して多くはありませんかます、少なくもありません。
歴史的な風景が多く残る一方で、災害が多く建築物が失われたこと、限られた土地で開発と発展が繰り返され保存状態が良くないことは、地理的にも仕方のないことなのかもしれません。
3種類の世界遺産
世界遺産には、文化遺産と自然遺産、さらにどちらにも当てはまる複合遺産があります。
文化遺産
文化遺産(英:cultural heritage)は、歴史的な建築物、遺構や記念碑や銅像などの記念工作物の中でも、歴史的・文化的・普遍的な価値があるものとされています。
世界遺産条約第1条に記載され、世界遺産の8割が文化遺産に分類されています。
文化遺産には芸術的・学術的価値も求められ、6つの基準に基づいて審査されています。
1.人類の創造的才能を表現する傑作
2.ある期間、文化圏で人類の価値の重要な交流を示すもの
3.現存または消滅した文化的伝統、または文明の唯一、少なくとも稀な証拠
4.人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式
5.ある文化を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例
6.顕著で普遍的な意義を有する出来事(他の基準と組み合わせて適用する)
表現は少々抽象的な用語が使われているため、解釈は専門的になっています。
建築物の扱いは、1つの建築物の場合といくつかの建築物を含む風景そのもののどちらにも当てはまります。
1つの建築物は、オーストラリアのシドニー・オペラハウスのような歴史的な建築物です。
いくつかの建築物を含む風景には、エジプトのピラミッド地帯、アルメニアのゲガルド修道院とアザト川上流域のような地域一帯。
また、地域が離れていても、スペインのアントニ・ガウディの作品群のように歴史的にまとまった建築物は1つの作品として対象になっています。
自然遺産
自然遺産(英:natural heritage)は、生き物を含めた自然の風景、生き物を深めない地域で、保存的・学術的・普遍的な価値があるものと定められています。
世界遺産条約第2条に記載され、世界遺産の1割が自然遺産に分類されています。
自然遺産は、文化遺産に続く4つの基準で登録の審査が行われています。
7.ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの
8.地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの
9.陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において重要な生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの
10.生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの
自然遺産は保護の状況に合わせて、Ia(厳正保護地域)、Ib(原生自然地域)、II(国立公園)、III(天然記念物)、IV(種と生息地管理地域)、V(景観保護地域)、VI(資源保護地域)の7つのカテゴリーと、どれにも分類できないカテゴリーの8種類が登録対象になっています。
東北の白神山地は、Ib(原生自然地域)に分類されています。
風景の美しさよりも、生き物や自然現象の希少さと、申請国の保護の状況が重視されています。
複合遺産
複合遺産(英:mixed heritage)は、文化遺産と自然遺産の両方の価値があるものとされています。
文化遺産と自然遺産の両方の基準に1つずつ以上当てはまることが必要で、全世界遺産の2~3%しか登録されていない貴重な世界遺産です。
ペルーのマチュピチュは、「マチュ・ピチュの歴史保護区」として複合遺産の登録がされています。
文化遺産としては、「1.人類の創造的才能を表現する傑作」、「3.現存または消滅した文化的伝統、または文明の唯一、少なくとも稀な証拠」の2つの基準で評価を受けています。
自然遺産としても、「7.ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの」、「9.陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において重要な生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの」の2つに当てはまるとされています。
世界遺産の登録基準の4つを満たす、価値の高い文化的・歴史的な遺産とされています。
世界遺産検定の例題
世界遺産の種類は、世界遺産検定では必須の問題です。
それでは、世界遺産検定4級の例題を紹介させていただきます。
空欄にあてはまる語句として、正しいものはどれでしょうか。世界遺産検定4級
世界遺産は、文化遺産と自然遺産、( )の3つに分類されています。
- 複合遺産
- 混合遺産
- 人間遺産
- 無形遺産
空欄にあてはまる語句として、正しいものはどれでしょうか。世界遺産検定4級
日本の世界遺産『富士山-信仰の対象と芸術の源泉』は、2013年に( )として世界遺産登録されました。
- 文化遺産
- 自然遺産
- 山岳遺産
- 伝統遺産
まとめ
世界遺産には、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類があります。
文化遺産と自然遺産の審査には、10の基準に照らし合わせて厳密に調査と分類が行われていました。
世界遺産の種類については、世界遺産検定でも出題されやすく、覚えやすい内容といえるでしょう。
日本の世界遺産が世の中で知られるようになるために、暮らしている私たちも勉強しておかなけれはまなりませんね。
次回は 世界遺産の登録の流れ・世界遺産検定にも出題世界遺産はどうやって決まるの?です。
【共通の参考元】
□例題の参考元 ○世界遺産検定公式サイト
登録までの流れ世界遺産は、政府や国際機関によるいくつもの手続きや調査を得たうえで登録されます。世界遺産登録までの流れと、ICOMOSやIUCNなどの関係機関、また登録の際の基準になる世界遺産の登録基準についてご紹介します。○世界遺産検定資格部
Not Found - 資格部資格・検定の試験情報、対策方法、問題解説などをご紹介○資格の一覧|難易度と人気ランキング 資格取得【JQOS.jp】
404 Not Found□世界遺産の参考元 ○文化庁ホームページ
日本の世界遺産一覧 | 文化庁日本の世界遺産一覧を掲載しています。○公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟公益社団法人日本ユネスコ協会連盟では、世界寺子屋運動・世界遺産活動・未来遺産運動・東日本大震災子ども支援募金などの活動を行っています。○林野庁ホームページ
日本の世界遺産:林野庁