ポーランドクラクフ歴史地区深掘り!世界遺産検定で学ぶ歴史地区の秘密

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ポーランド南部に位置するクラクフは、その美しく保存された歴史地区で知られています。
この地区は、その豊かな歴史と壮麗な建築で世界遺産にも登録されており、年間多くのお子様の観光客がこの魅力的な場所を訪れます。
今回のブログでは、ただクラクフを訪れるのではなく、その深い歴史と文化をより深く理解するための一つの方法、世界遺産検定、クラクフ歴史地区の魅力を探ります。

 

前回の記事は ヴィエリチカとボフニアの岩塩坑、その歴史と世界遺産検定への道深く掘り下げ です。

クラクフ歴史地区世界遺産検定ガイド

東欧ポーランドには、日本の古都のように街そのものが世界遺産として高い評価を得た地域があります。
それは、ポーランド第三の都市クラクフです。
中世の世界を現代に残す文化遺産、クラクフ歴史地区についてまとめさせていただきます。

 

クラクフ歴史地区の基本情報

 

英語表記)Historic Centre of Kraków
登録区分)文化遺産
登録年)1978年
登録基準)(4)
登録国)ポーランド
登録地域)ヨーロッパ

 

ポーランド南部マウォポルスカ県の県都クラクフは、ポーランドの中で最も歴史ある都市の一つに数えられ、17世紀初頭に現在の首都ワルシャワに遷都するまではクラクフがポーランドの首都とされていました。

ポーランドを南北に縦断するヴィスワ川の上流に位置するクラクフ、市街地はヴァヴェル城を中心として川の両岸に広がっています。

記録が残る10世紀頃から建設と再建が繰り返され、歴史的建造物に大きな被害をもたらした第二次世界大戦でも大きな被害を受けず歴史的な建造物が数多く残っています。

 

 

クラクフ歴史地区とは?クラクフ歴史地区の成り立ち

ポーランドの首都とされた歴史のあるクラクフについて、地理と歴史の2つの目線で掘り下げてみます。

クラクフ歴史地区は、中世ヨーロッパの都市構造が色鮮やかに残る場所で、独特の魅力を放っています。

旧市街を中心に、ヴァヴェル城やヤギェウォ大学など、重要な歴史的建造物が今もなお市民の生活。
この地区が世界遺産に登録されたのは、その保存状態の良さと歴史の重要性が高く評価されたためです。

クラクフと日本の都市の比較

クラクフの面積は326km2と、日本国内では愛知県名古屋市(326km2)、神奈川県相模原市(328km2)とほぼ同じ広さです。

人口はワルシャワ、ウッチに続いて第3位の782,137人と、こちらも神奈川県相模原市(725,493人)とほぼ同じ程度です。

人口の多い都市を中心に、周りのベッドタウンや学校などへ人々が行き来する都市圏を作っています。

ポーランドそのものが日本に比べて緯度が高い地域でもあり、クラクフは北海道札幌市よりも緯度が高い地域にあります。

そのため、8月の平均気温は19℃と長袖を羽織りたくなる涼しさで、1月の平均気温は-1℃とダウンジャケットが欠かせない寒さです。

クラクフの歴史をたどる

クラクフはポーランド王国の首都として栄え、多くの歴史あるイベントの舞台となりました。

特に、市の中心部に残る中世の市場広場は、過去には商人たちが集まりやすい中で快適であり、現在でもその古き良時代の雰囲気を感じさせてくれます。
この広場から石畳の道を歩けば、ポーランドの歴史に触れることができるでしょう。

クラクフとヴィスワ川

クラクフの成り立ちを知るうえで欠かせない場所は、ヴィスワ川とされています。

過去にウィストゥラ川、ヴァンダルス川と呼ばれ、当時の言葉の語源は「水」です。

全長は、1,047kmで流域面積はポーランド国土の60%以上におよび、まさに国を横断する大河です。

源流は、ポーランド南部のベスキディ山脈から、河口はバルト海へ注ぎ流域にはワルシャワ、トルンなどの大都市が存在しています。

サンドイッチアジサシとゼニガタアザラシの唯一の繁殖地とされるヴィスワ川河口のプタシ・ライ自然保護区は、2015年にラムサール条約に登録されることになります。

支配者の入れ替わりの歴史

農業にも物流にも最適なヴィスワ川河岸のクラクフには、ポーランド王国成立以前は西スラブ民族が定住していたことが明らかになっています。

その後、モラヴィア王国の統治が始まりますが、ハンガリー人のボヘミア王国へと支配者が変わります。

記録が残る966年には、ボヘミアの交易都市として栄えていたとされています。

さらに、1038年から1569年まではポーランド王国の首都とされていますが、13世紀に起こったモンゴル帝国の襲撃で一度荒廃を迎えます。

14世紀に入ると、名君として称賛されるカジミェシュ3世によって復興と都市の整備が行われ、聖マリア教会や織物会館など世界遺産登録のきっかけになった建物が建築されることになります。

近世にかけては、1794年からオーストリア帝国領の統治が始まり、1846年から1918年まではクラクフ大公国としてオーストリア帝国の構成国とされます。

近代にかけても、クラクフの支配者は入れ替わり、第二次世界大戦ではナチスドイツ軍によって占領、終戦後はソビエト連邦軍の支配下に置かれることになります。

見どころと建築の魅力

クラクフ歴史地区は、ゴシック建築の聖マリア教会や、ルネサンス様式のヴァヴェル城など、多様な建築スタイルが見られることでも有名です。

これらの建築物は、それぞれの時代の技術と芸術的センスが反映されており、訪れる人々を魅了してやみません。

クラクフの歴史的価値が高い理由

おおよそ100年ごとに周辺国の侵攻を受け、支配者が入れ替わったクラクフですが歴史的価値が高く評価されていることには理由があります。

1つは、戦争や災害による建築物の損害の少なさです。

クラクフの大規模な荒廃は、東ヨーロッパにとって異文化でもあったモンゴル帝国による破壊活動を受けた一度だけとされています。

爆撃機や戦車が行き交う第一次・第二次世界大戦の中でも、大規模な被害を受けなかったのは稀なことです。

もう1つは、住民が培った文化が受け継がれてきていることです。

支配者がたびたび入れ替わった歴史の中でも、強制移住や弾圧で住民のほとんどが入れ替わる事態は避けられてきました。

中でも、ナチスドイツやソビエト連邦といった極端な政治体制の支配を受けた地域では珍しいことではないでしょうか?

 

 クラクフ歴史地区の未来

クラクフ歴史地区は、その価値を維持し、後世に引き継ぐために多くの努力がされています。
保存活動には、地元のコミュニティだけでなく、国際的な専門家も関わっており、現代の技術を用いて歴史的建造物を守る新しい方法が探求されています。

例えば、建物のデジタル化により、詳細な修復が可能になり、クラクフの魅力を未来に向けてさらに強化していく計画が進行中です。

これにより、歴史地区の美しさと重要性を未来の世代にも伝えることができるのです。

 訪れる前に知っておきたいこと

クラクフ歴史地区を訪れる際は、何カ所か訪問するべきスポットを事前にリストアップしておくと良いでしょう。

また、クラクフは四季折々の表情を見せるため、訪問時期によって異なる美しさを楽しむことができます。
春には新緑が美しく、夏は活気に満ち、秋には落ち葉が情緒ある景色を作り出し、冬には雪が歴史的建造物をさらに幻想的に演出します。

公共交通機関は非常に整備されているため、市内の移動はスムーズです。

クラクフの魅力を最も深く味わうには、徒歩での探索がおすすめです。
クラクフ歴史地区の深い魅力に触れ、その場所が持つ重要な意味を理解することが、ただの観光以上の価値をあなたにもたらすでしょう。
世界遺産としてのその美しさと歴史を心ゆくまで楽しみたいものです。

 

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

過去4年間の出題はありませんので独自に作成しました。

問題1: クラクフの王宮の名前は何でしょうか?

1.マウォポルスカ宮殿
2.ヴィリャヌフ宮殿
3.ヴァヴェル城
4.ランチュト宮殿

正解: 3. ヴァヴェル城 解説: ヴァヴェル城はクラクフの象徴的存在で、ポーランド王国の政治的および文化的中心地でした。この城はルネサンス様式の美しい建築で知られ、多くのポーランド王がこの地で戴冠しました。城はヴィスワ川のほとりの丘の上に位置しており、その戦略的な位置は防御に非常に適していました。

 

 

問題2: 聖マリア教会の塔の高さはどれくらいですか?

1.約70メートル
2.約80メートル
3.約100メートル
4.約120メートル

正解: 1. 約70メートル  解説: 聖マリア教会の主塔は約70メートルの高さで、クラクフの旧市街で最も高い建築物の一つです。この高さは、たとえばパリのノートルダム大聖堂(約69メートル)とほぼ同じであり、中世の建築技術の優れた例として知られています。塔からはクラクフ市内を一望でき、毎時全方位に向けてトランペットのメロディが演奏されることで有名です。

正解: 1. 約70メートル  解説: 聖マリア教会の主塔は約70メートルの高さで、クラクフの旧市街で最も高い建築物の一つです。この高さは、たとえばパリのノートルダム大聖堂(約69メートル)とほぼ同じであり、中世の建築技術の優れた例として知られています。塔からはクラクフ市内を一望でき、毎時全方位に向けてトランペットのメロディが演奏されることで有名です。

問題3: クラクフの旧市街で最も古い建物はどれですか?

1.セントアンドリュース教会
2.ヤギェウォ大学
3.聖ペーターと聖パウロ教会
4.ヴァヴェル城

正解: 1. セントアンドリュース教会  解説: セントアンドリュース教会は11世紀に建設されたクラクフで最も古い建築物の一つで、ロマネスク様式の代表例です。この教会は、その堅固な構造と防衛機能のために、過去には攻撃から市民を守る避難所としても使用されました。教会の厚い壁と狭い窓は、その防御的特性を今に伝えています。

 

 

 

クラクフ歴史地区のまとめ

ポーランドの文化遺産、クラクフ歴史地区のお話はいかがでしたか?

日本国内の古都とされる地域との違いは、政治体制の異なる外国の支配を受け、統治者が何度も入れ替わった点です。

過去4年間で世界遺産検定の出題はありませんが、海外の古都について、成り立ちや変化とともに知る機会になれば幸いです。