世界遺産古都京都は日本の心宿る文化財の宝庫神々しい美と古き良き日本

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今回の世界遺産は、「古都京都の文化財」です。
合計17の文化遺産が登録され、東寺(教王護国寺)・清水寺・銀閣寺(慈照寺)・平等院などが有名です。
文化財のほとんどは、芸術的価値のみではなく歴史的価値も高く評価されており、京都の世界遺産は建築された時代の出来事と組み合わせて覚えておくと、世界遺産検定でも役に立ちそうですよ。

今回の世界遺産検定シリーズは、「古都京都の文化財」世界検定試験にもよく出てきます。

前回の記事は白神山地は日本最高峰級の自然遺産・神秘が息づく森林と湿原の世界遺産 でした。
こちらもご覧いただくとよく理解できると思います。

日本の心を彩る至宝・古都京都の文化財の魅力

 

英語表記)Historic Monuments of Ancient Kyoto (Kyoto, Uji and Otsu Cities)
登録区分)文化遺産
登録年)1994年
登録基準)(2), (4),
国内の登録順位)No.5

 

「古都京都の文化財」は、京都市内の14カ所、市街近郊にある3カ所の歴史的建造物が含まれています。

京都の町並みからイメージできるように、寺社仏閣がほとんどを占めています。

 

古都京都の文化財の秘密

京都市に数多くの文化財が集まっている理由に、京都が培った歴史が関係しています。

 

戦火に見舞われた首都、京都の歴史

日本の文化の中心京都は、平安京に都が移された794年の平安時代から、鎌倉時代、室町時代、安土桃山時代、江戸時代を経て1869年の明治時代まで、1000年以上にわたり日本の首都であり続けました。

日本国内だけではなく、東アジア屈指の大都市として栄え、きらびやかな文化を重ねるとともに、歴史の年月だけ何度も戦火に見舞われた街でもあります。

平氏一族の経済力で平安時代に政治と経済の中心として発展した京都は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて平氏と源氏の争いの舞台にもなっています。

鎌倉から派遣された源義経の軍勢に制圧された京都ですが、源頼朝と北条氏が幕府を開いた鎌倉時代になっても政治的な基盤は強いままでした。

1221年に起こった承久の乱では、貴族政権の権力を抑えるため、鎌倉幕府によって六波羅探題が設置され、政治の中心から経済都市へと変わることになります。

鎌倉幕府が滅ぼされ政権の座についた足利氏が京都に幕府を置いたことで室町時代が訪れます。

海外との貿易で経済力が回復した日本では、室町時代の中盤にかけて現代にも残るきらびやかな仏教建築物が築かれることになります。

時代は進み、戦国時代の始まりとされる応仁の乱では京都で市街戦が繰り返され、北側の地区のほとんどが焼失し荒廃してしまう大惨事が起こります。

日本国内の政権が安定した江戸時代が訪れると、1729年には374000人と江戸と大阪に次ぐ大都市に発展し、「三都」と呼ばれる文化の中心都市の地位がよみがえります。

江戸幕府から明治政府へ政権が移った明治時代初期、東京への首都移転もあり一時的に人口が現象してしまいますが、第二次大戦の被害が他の大都市に比べて少なかったこともあり、大阪と神戸とともに近畿地方の中心都市として発展し続けています。

 

地区別に見る古都京都の文化財の寺院

京都市内と近郊には、1000年以上首都として重ねた歴史の分だけ、数多くの建築物や文化のが残されています。

「古都京都の文化財」として登録されている17カ所の歴史的建造物は、京都市内に14カ所、市街に3カ所が文化遺産として保存されています。

中世から首都として整備が進められた京都は、行政の区分けの他に洛中・洛東・洛西・洛南・洛北という地域の分け方があります。

今回は、歴史を感じる地域の区分け別に世界遺産を紹介してみます。

かつての平安京のあった地区は洛と呼ばれ、現在の京都市の中心部にあたります。

洛中の東西は西の鴨川の西岸から東の紙屋川、南北は北の鷹ヶ峯から南の九条までの内側です。

世界遺産は、下鴨神社(賀茂御祖神社)・東寺(教王護国寺)・西本願寺(龍谷山本願寺)・二条城(元離宮二条城)が含まれています。

洛東は洛中の東側の地区で、東西は東山連峰すそから賀茂川・鴨川、南北は北山通から南の九条通まで東山区の大半と左京、山科区の一部を含めた地域です。

世界遺産は、清水寺・銀閣寺(慈照寺)が含まれ、他にも寺社仏閣が立ち並ぶ地域です。

洛西は洛中の西側に位置します。

東西は西大路通以西から京都市西部の桂川の東岸に広がる右京区と西岸の西京区および西山一帯の地域が含まれています。

世界遺産は、金閣寺(鹿苑寺)・高山寺・仁和寺・龍安寺・天龍寺・苔寺(西芳寺)と鎌倉時代から室町時代にかけての寺院が残る地域です。

洛中の南側一帯が洛南です。

九条通以南の広い地域には、桂川以東の南区、伏見区、東山区・山科区南部、宇治市が含まれています。

世界遺産は、宇治市内に2箇所、宇治上神社・平等院が含まれています。

洛中の北山通りより北側は洛北と呼ばれています。

南側は北山通より北側の左京、右京、北区の京都市北部地域が含まれ、北側は北山の一帯にまで迫る地域です。

世界遺産は上賀茂神社(賀茂別雷神社)・醍醐が含まれています。

その他の京都近郊では、滋賀県大津市に1箇所の世界遺産織田信長との抗争で大河ドラマにも度々登場する延暦寺が有名です。

 

 

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

Q1.「古都京都の文化財」に含まれる寺院はどれでしょうか?

  1. 東寺
  2. 平等院
  3. 慈照寺(銀閣寺)
  4. 龍安寺
ア答え:(3) 慈照寺(銀閣寺)

引用元:2018年3月,p67,世界遺産検定4級

 

Q2.「古都京都の文化財」のある京都で、多くの寺社が消失した室町時代の戦乱は何でしょうか?

  1. 応仁の乱
  2. 関ケ原の戦い
  3. 島原の乱
  4. 桶狭間の戦い
答え:(1) 応仁の乱

引用元:2018年9月,p94,世界遺産検定4級

 

Q3.「京都」に関し、「古都京都の文化財」に含まれる室町幕府8代将軍足利義政が建てた別邸を禅寺としたものはどれでしょうか?

  1. 清水寺
  2. 鹿苑寺(金閣寺)
  3. 平等院
  4. 慈照寺(銀閣寺)
答え:(4) 慈照寺(銀閣寺)

引用元:2018年12月,p101,世界遺産検定4級

 

まとめ

「古都京都の文化財」のお話は、いかがでしたか?
日本全国の中でも、京都に歴史的建造物が多い理由は、世界遺産検定にはかかせません。
また、寺社仏閣は正式名称と通称の両方が出題されています。

どちらも見慣れない漢字が使われ、「金閣寺は誤りだけど鹿苑寺は当たっているか……(どちらも金閣寺)」と受験する人を惑わせてくれます。

寺社仏閣について覚える際には、正式名称と通称のどちらも覚えておくと、問題に惑わされずにすみそうですね。

次回の記事は 世界遺産古都奈良の文化財は日本古代史の栄華を伝える至宝を彩る歴史です!お楽しみに!