言わずと知れた古代のロマン、ピラミッドはエジプトが誇る世界遺産でもあります。
旅番組や歴史番組、都市伝説まで幅広く取り上げられるエジプトのピラミッド。
世界の七不思議にも選ばれ、未だ真実が明らかになっていない歴史的建造物です。
今回は、世界遺産『メンフィスとその墓地遺跡 – ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯』を、古代エジプト文明とともにまとめさせていただきます。
前回の記事は アフリカ大陸文化遺産ゴレ島の深い歴史的背景と世界遺産としての価値 です。
- 世界遺産に登録されたピラミッド:その歴史と特徴
- ピラミッドが世界遺産になった背景
- メンフィスとその墓地遺跡 – ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯の基本情報
- ピラミッドが世界遺産に登録された年
- エジプトの歴史とメンフィスのピラミッド地帯
- 古代エジプトとは?
- どのくらい文明は発展していたのか?
- ピラミッドが建造された背景
- エジプトのピラミッドの種類とそれぞれの特徴
- メキシコのピラミッド
- その他の国のピラミッド
- ピラミッドが世界遺産に登録された理由
- 保存状態と保存活動
- 古代文明におけるピラミッドの役割とその歴史的影響
- 現代におけるピラミッドの影響
- 世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題
- 世界遺産ピラミッドへのアクセス方法
- カイロからギザへの移動
- ピラミッド訪問のベストタイム
- 訪問時の注意点
- メンフィスとその墓地遺跡のまとめ
世界遺産に登録されたピラミッド:その歴史と特徴
私たちの想像を超える古代の偉大な建築物、ピラミッド。
これらは単なる壮大な石の山ではなく、文化、宗教、そして技術の進歩が結集したシンボルです。この記事では、世界遺産としてのピラミッドの魅力とその背後にある歴史を、優しく解き明かしていきます。
ピラミッドが世界遺産になった背景
ピラミッドと聞いて多くの人が思い浮かべるのはエジプトのギザの大ピラミッドかもしれません。正式には「ギザのピラミッド群」として世界遺産リストに登録されています。
これらのピラミッド群がどのようにしてその名を世界に轟かせることになったのか、その歴史に触れてみましょう。
メンフィスとその墓地遺跡 – ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯の基本情報
登録区分)文化遺産
登録年)1978年
登録基準)(1),(3),(6)
登録国)エジプト
登録地域)アフリカ
エジプトの世界遺産『エジプトの歴史とメンフィスのピラミッド地帯』は、古代エジプトの都市遺跡メンフィスとナイル川西岸にある墓地遺跡群を含む南北およそ30㎞の範囲が含まれています。
遺跡の中には、一年間に何度も放送されるギザの大ピラミッドのほか、いくつもの建造物が含まれています。
文化遺産としての登録基準は、
「(1)人類の創造的才能を表現する傑作」とされる建造物そのものの価値、
「(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」とされる歴史を今に残す価値、
「(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事」
とされる建造にまつわる背景の3つで高い評価を受けています。
ピラミッドが世界遺産に登録された年
ピラミッド群は1979年にユネスコの世界遺産に正式登録されました。
この登録は、ピラミッドが持つ無比の歴史的価値と、人類共通の財産としての重要性を国際社会が認めたことを意味します。
エジプトの歴史とメンフィスのピラミッド地帯
エジプトが誇る世界遺産『エジプトの歴史とメンフィスのピラミッド地帯』には、ピラミッドといえば多くの方が想像するギザの大ピラミッドが含まれています。
ピラミッドの建造にまつわる理由も含めて、改めて古代エジプトという文明をおさらいしてみます。
古代エジプトとは?
古代エジプトは、具体的な記録が残る紀元前3000年頃にはじまり、紀元前30年に古代ローマとの争いで滅亡した文明です。
現在のエジプトのナイル川下降地域で、乾燥したサハラ砂漠の中にあってもナイル川のもたらす肥沃な農地で食料が得られたことから、具体的な記録が残る遥か前から人々が暮らしていたとされています。
どのくらい文明は発展していたのか?
紀元前3000年頃、日本は縄文時代後期とされています。
縄文時代の日本では農業が発展しておらず、樹の実や自然の野菜、鳥や海などを採集する狩猟採集生活を営んでいたとされています。
一方、古代エジプトでは皇帝ファラオを中心とした政治が行われ、中流階級以上の子どもには義務教育の制度があったことが明らかになっています。
また、産出される豊富な貴金属で中東地域から木材を輸入する貿易も行われ、経済も発展していました。
小麦や豆は自国で生産され、ワインやビールの醸造も盛んだったことから、豊かな食料があったことがうかがえます。
エジプト神話を元に、宇宙や太陽、大空を支配する神々が信仰され、死者は神が新しく創造する世界で生まれ変わると信じられていました。
この信仰が、ミイラでの埋葬やピラミッドの建造に深く関わっています。
ピラミッドが建造された背景
紀元前3000年頃から発展を続けた古代エジプトには、現代にまで人々を惹きつける大規模建造物ピラミッドがあります。
世界遺産の『メンフィスとその墓地遺跡』には、南北およそ30㎞の範囲の遺跡が登録され、いくつものピラミッドが含まれています。
中でも、クフ王・カフラー王・メンカウラー王のピラミッドはギザの三大ピラミッドと呼ばれています。
最も大きいものはクフ王のピラミッドで、高さ138.5 m、エジプトの観光番組でも紹介されるピラミッドの中のピラミッドといえます。
スフィンクスを背景に、頂上の石が異なるものがカフラー王のピラミッドです。
メンカウラー王のピラミッドは、高さ62mとギザの三大ピラミッドの中でもクフ王・カフラー王のピラミッドに比べてコンパクトです。
ピラミッドの建造には、いくつもの説があります。
代表的なものに、皇帝ファラオを安置する墓標として建設されたとされています。
また、農閑期の人々の生活を保障する公共事業であったという説もあり、労働の代わりに食料の配給を受けていたともされています。
他にも、天体観測のための施設、宗教のための設備、中には宇宙人によって建造された説もあり、私たちの興味を飽きさせません。
エジプトのピラミッドの種類とそれぞれの特徴
エジプトのピラミッドはその完璧な形と巨大さで有名です。特にギザの大ピラミッドは、その規模と古代からの完璧な保存状態が世界中の人々を引きつけてやみません。
メキシコのピラミッド
メキシコにもテオティワカンの太陽のピラミッドなど、壮大なピラミッドが存在します。
これらはエジプトのものとは異なり、しばしば階段状の構造を持ち、その頂上には古代の神々に捧げる祭壇がありました。
その他の国のピラミッド
世界中には他にもピラミッド形式の建造物が存在します。
例えば、スーダンにはナパタとメロエのピラミッドがあり、これらはより急勾配で小型ですが、独自の歴史的背景を持っています。
ピラミッドが世界遺産に登録された理由
ピラミッドは古代文明の知恵と技術の粋を集めたものです。
それぞれのピラミッドが建てられた目的と文化的背景を理解することは、私たちが過去の人類とのつながりを感じる手助けとなります。
保存状態と保存活動
これらの古代の巨大構造物は時とともに損傷する可能性がありますが、国際的な努力により、多くのピラミッドが驚くほど良好な状態で保存されています。
保存活動には科学的な調査が含まれ、これによって我々はこれらの壮大な建造物がどのようにして時代を超えて生き残ってきたのかを理解することができます。
古代文明におけるピラミッドの役割とその歴史的影響
ピラミッドは単なる墓ではありませんでした。
これらは古代の支配者たちが自らの権力を示し、死後の世界での生活を保証するための象徴的な建築物として機能していました。
特にエジプトでは、ピラミッドはファラオの神格化と永遠の命の象徴とされていました。
現代におけるピラミッドの影響
ピラミッドの形状は今日でも多くの文化や芸術作品に影響を与えています。
映画、文学、さらには現代建築に至るまで、ピラミッド形式の美学は人類の創造性を触発し続けています。
また、これらの古代の遺産は観光の大きな引き寄せとなっており、世界中から旅行者を惹きつけています。
世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題
Q1.世界遺産条約は、1972年の第17回ユネスコ総会において、満場一致で採択された。この条約が誕生するきっかけとなったのは1960年代にユネスコが行った「( )の遺跡調査キャンペーン」である。日本は1992年に世界遺産条約を締結し、2018年3月現在、21件が世界遺産に登録されている。
〜文中の空欄に当てはまる語句として正しいものはどれか。
(p7,2018年3月世界遺産検定4級より)
1.ヌビア
2.メンフィス
3.カイロ
4.ビブロス
Q2.メンフィスのピラミッド地帯の説明として、正しくないものはどれか。
(p39,2018年9月世界遺産検定4級より)」
1.ギザの大ピラミッドはクフ王、ツタンカーメン王、カフラー王のものからなる。
2.ギザの大ピラミッドの中で最も大きいものは、クフ王のピラミッドである。
3.ピラミッドの建造目的は、農閑期の人々の生活を保障する公共事業だったという説もある。
4.カフラー王のピラミッドへ続く参道の入り口に立つスフィンクスも、構成資産に含まれる
Q3.スフィンクスを構成資産に含む『メンフィスのピラミッド地帯』に関する以下の文中の語句で正しくないものはどれか。
〜『メンフィスのピラミッド地帯』の中でも(1.ギザの大ピラミッド)は巨大でありよく知られている。そのうち最も大きいものは(2. ラメセス2世のピラミッド)である。スフィンクスは(3. カフラー王)へ続く参道の入口にある。ピラミッドの建造目的は、農閑期の人々を動員して(4. 生活を保障する公共事業)であったという説もある。(p59,2018年12月世界遺産検定4級より)
1.ギザ
2.ラメセス2世のピラミッド
3.カフラー王
4.生活を保障する公共事業
Q4.次の4つの建物の中で、高さが一番高いものはどれでしょうか。(p73,2018年3月世界遺産検定3級より)
1.クフ王のピラミッド『メンフィスのピラミッド地帯』
2.東寺の五重塔『古都京都の文化財』
3.エッフェル塔『パリのセーヌ河岸』
4.『自由の女神像』
Q5.日本の縄文時代にあたる紀元前2500年ごろに築かれた建造物として、正しいものはどれでしょうか。(p101,2018年12月世界遺産検定3級より)
1.『タージ・マハル』
2.『マチュピチュ』
3.ギザの大ピラミッド(『メンフィスほピラミッド地帯』)
4.パルテノン神殿(『アテネのアクロポリス』)
メンフィスとその墓地遺跡のまとめ
エジプトの世界遺産『メンフィスとその墓地遺跡 – ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯』はいかがでしたか?
世界遺産検定では、毎回の試験で取り上げられるほど出題頻度の高い世界遺産です。
遺産検定3級では、当事の海外の出来事や文明の成り立ちも含めて出題されることもあります。
ピラミッドの規模や建設された時代も合わせて、覚えておきたいものですね。