鹿児島と琉球王国沖縄の世界遺産・奄美大島、徳之島、屋久島、西表島の自然遺産

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今回の世界遺産のお話は、沖縄県と鹿児島県の文化遺産と自然遺産についてです。

南北に長い日本は、北はロシアと海を隔てて接する北海道、南は台湾や東南アジアに近い沖縄県。

北海道と沖縄県は、気候はもちろん自然や食べ物、風習や働き方まで比べようがないほどの違いがあります。

もちろん、同じ文化遺産や自然遺産でも、北国の世界遺産と南国の世界遺産は、それぞれ独特の文化や自然を語り継いでいます。

世界遺産検定に役立つシリーズ、今回は沖縄県と鹿児島県です。

前回の記事は 栃木県日光東照宮と群馬県富岡製糸場絹産業遺産群、関東の世界遺産でした。
こちらもご覧いただくとよく理解できると思います。

南国の世界遺産・鹿児島と沖縄の文化遺産と自然遺産

南国というと、沖縄県が思い浮かびます。

また、九州の都道府県の中でも南側に島が多い鹿児島県も南国といえば思いつく地域でしょう。

鹿児島と沖縄には、南の地域ならではの世界遺産があります。

琉球王国のグスク及び関連遺産群

 

英語表記)Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu
登録区分)文化遺産
登録年)2000年
登録基準)(2), (3), (6)
国内の登録順位)No.11

グスクは、沖縄県に琉球王国が栄える前の時代の有力者の城の遺跡です。

沖縄県では、11世紀から12世紀にかけて、按司(あじ)と呼ばれる有力者が地域を治め、農耕や
貿易を経済基盤にした社会が築かれました。

1429年に沖縄本島から奄美大島、宮古島と石垣島周辺まで勢力を伸ばす琉球王国が沖縄県一帯を掌握し、東南アジアと中国との貿易が発展します。

本州で戦国時代が終わった江戸時代、1609年に貿易問題を抱え、隣同士の地域の薩摩藩によって外交と貿易に制限が設けられ保護国となります。

文化遺産として登録されているグスクの中で、最も有名なものは首里城です。

沖縄県那覇市にある首里城は、14世紀頃には建築されていたとされ、現代でも沖縄県最大の遺跡として歴史を紡ぎ続けています。

関連記事で詳しく説明しています:琉球王国のグスク及び関連遺産群とは?世界遺産登録された沖縄の歴史遺産を徹底解説!

屋久島

 

英語表記)Yakushima
登録区分)自然遺産
登録年)1993年
登録基準)(7), (9)
国内の登録順位)No.3

 

樹齢1000年以上の屋久杉で有名な屋久島は、姫路城や白神山地とともに日本で始めて世界遺産として登録された自然遺産の1つです。

鹿児島県の南の海、種子島の隣にある屋久島は、島全体が山地になっている地域では珍しい地形です。

島の海岸から、九州地方最高峰の宮之浦岳 (標高1,936m) まで1つの島の中に2000mの標高差があります。

屋久島が自然遺産に登録された理由は、この地形にあります。

九州地方の気候は暖かく雨が多い亜熱帯気候で、屋久島も同じ気候です。

同じ気候でも、1つの島の中に2000mの標高差がある屋久島は、亜熱帯気候から亜寒帯気候まで、1つの島の中にいくつもの気候が生まれます。

標高の低い亜熱帯気候と、宮之浦岳の山頂付近の亜寒帯気候では植物が大きく変わり、生物学では垂直分布と呼ばれています。

海岸付近の標高の低い地域では、南国らしいガジュマルが広がり、標高500m付近には温帯気候のスギが広がります。

標高が1000mを越えると屋久杉が見えはじめ、1600mを越えると高山植物が広がります。

日本国内でも、垂直分布がはっきりと確認されたのは、屋久島と知床の地域に限られ、どちらも世界遺産として高い評価を受けています。

 

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

 

英語表記)Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and
Iriomote Island
登録区分)自然遺産
登録年)2021年
登録基準)(10)
国内の登録順位)No.24

 

鹿児島県と沖縄県には、もう1つ自然遺産が登録されています。

2021年に新しく登録された自然遺産は、鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄県の沖縄本島北部と西表島の4つの地域です。

登録基準は1つですが、10.生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるものという、とても貴重な条件です。

この基準は、地域だけではなく、地域に生きる生き物たちそのものが世界的に価値があると判断されたことに他なりません。

生き物の中には、レッドリストに登録され見かけることそのものが貴重なイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ、リュウキュウヤマガメ、オキナワイシカワガエル。

地域独特のアマミノクロウサギ、ケナガネズミ、ルリカケス、クロイワトカゲモドキ、イボイモ、ナミエガエルなどが含まれています。

 

世界遺産検定に役立つ例題

Q1.『琉球王国のグスク及び関連遺産群』に含まれる多くのグスクを築いた、琉球王国の豪族はどれか。(世界遺産検定4級)

1. 平家
2.蘇我氏
3.按司
4.藤原氏

答え:(3) 按司

 

Q2.( )に当てはまる用語を選びなさい。(世界遺産検定4級) 『屋久島』は、標高が上がるごとに亜熱帯から亜寒帯まで植生が移り変わる( )が大きな特徴のひとつです。

1. 垂直分布
2.水平分布
3.高低分布
4.熱寒分布

答え:(1) 垂直分布

 

まとめ

鹿児島県と沖縄県の世界遺産のお話は、いかがでしたか?

日本国内でも、北国や南国では気候や歴史の違いがあり、世界遺産も独特です。

沖縄県の世界遺産名「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のグスクという言葉は、調べなければ聞き慣れない単語です。

普段聞き慣れない用語は、世界遺産検定に出題されやすいため、確実に1点を取れるようにしたいですね。

次回の記事は 世界遺産に占める複合遺産の割合と希少価値・複合遺産はどんな世界遺産です!お楽しみに!