メサ・ヴェルデ国立公園の世界遺産古代アナサジの足跡と探訪先史時代の住居

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アメリカ合衆国のメサ・ヴェルデ国立公園は、アメリカ合衆国の先住民族ネイティブ・アメリカンの暮らしを物語る貴重な遺跡です。
今回は、ネイティブ・アメリカンのそれぞれの民族も掘り下げてみるため、インディアンという用語を使わせていただきます。

前回の記事は自然の驚異ナハニ国立公園:カナダの隠された宝石と世界遺産に認定された理由
です

 

メサ・ヴェルデの歴史と文化遺産

メサ・ヴェルデ国立公園は、アメリカ合衆国コロラド州に位置し、古代プエブロ文化の人々によって築かれた遺跡が数多く残る歴史的な場所です。

この公園は、1978年にユネスコの世界遺産に登録され、アナサジ(古代プエブロ人)の生活の痕跡を今に伝える貴重な遺産として保護されています。

公園内には、崖の壁に建てられた壮大な住居群や、塔、キバ(儀式用の部屋)、貯蔵室などがあり、その建築技術や当時の社会構造を垣間見ることができます。

クリフ・パレスやバルコニー・ハウスなどの有名な遺跡は、訪れる人々に古代の文化と自然の融合した美しさを体感させます。

メサ・ヴェルデは、先史時代の住居を探訪し、アメリカ先住民族の歴史と文化を学びたい人々にとって、欠かせない訪問地です。

遺跡の宝庫:メサ・ヴェルデ国立公園の先史時代の住居を訪ねて

メサ・ヴェルデ国立公園は、アメリカ合衆国コロラド州南西部に位置し、古代アナサジ族の息をのむような遺跡が残る場所です。

この地は、かつてアナサジ族が築いた石造りの住居や儀式の場が点在し、今なおその壮大な歴史を今に伝えています。
公園内には600以上の崖の住居があり、その中でも特に有名なのがクリフ・パレスやバルコニー・ハウス、ロング・ハウスです。

これらの遺跡は、アナサジ族が約1200年前に築いたもので、彼らの生活の様子を今に伝える貴重な証拠となっています。

驚異のクリフ・ドエリング:建築と自然の融合

メサ・ヴェルデを訪れる旅は、まさに時間を遡る旅です。
園内を歩きながら、古代の人々がどのようにこの地を開拓し、独自の文化を育んでいったのかを想像することができます。

遺跡の中には、石造りの住居だけでなく、岩絵や彫刻、陶器の破片など、アナサジ族の日常生活に関する手がかりも豊富に残されています。
これらの遺物は、彼らが農耕を行い、狩猟や集団生活を営んでいたことを物語っています。

また、メサ・ヴェルデ国立公園は、その自然環境においても非常に魅力的です。
高原、峡谷、岩壁が織りなす景観は、四季折々に異なる表情を見せ、訪れる人々を魅了します。

春には野花が咲き乱れ、夏には緑豊かな木々が生い茂り、秋には紅葉が園内を彩り、冬には雪に覆われた静寂が訪れます。
このような自然の変化も、アナサジ族がこの地で生活していた時代から変わらずに続いているのです。

訪問者は、公園内の遊歩道を利用して、遺跡を間近で見ることができます。
中にはガイド付きツアーが行われている遺跡もあり、専門家から直接話を聞きながら、古代の住居を探索することが可能です。
これらのツアーは、遺跡の歴史やアナサジ族の文化について深い理解を得る絶好の機会を提供してくれます。

メサ・ヴェルデ国立公園は、1987年にユネスコの世界遺産に登録されました。
この登録は、アナサジ族の遺跡が持つ普遍的な価値と、後世に残すべき重要な文化遺産であることを世界に認められた証です。
公園を訪れることは、ただ美しい景色を楽しむだけでなく、人類共通の歴史を学び、保護するための一歩となるでしょう。

メサ・ヴェルデ国立公園は、過去と現在が交差する場所であり、古代アナサジの足跡をたどりながら、私たち自身のルーツを探求する旅を提供しています。
この地を訪れることで、私たちは先人たちの知恵と精神を感じ取り、彼らが築き上げた壮大な文明に敬意を表することができるのです。

 

メサ・ヴェルデの驚異: 古代住居の秘密を明らかにする

メサ・ヴェルデ国立公園は、アメリカ合衆国コロラド州南西部に位置し、古代アナサジ族の息吹が今も色濃く残る場所です。
この地は、遥か過去、紀元600年から1300年にかけて栄えたアナサジ文化の中心地であり、彼らが残した驚異的な遺跡は、今日でも多くの人々を魅了してやみません。

メサ・ヴェルデを訪れる:探索と保護のバランス

この地を訪れると、まず目に飛び込んでくるのは、断崖絶壁にへばりつくように建てられた岩壁住居です。
これらの住居は、自然の洞窟や岩のくぼみを利用し、石と泥で築かれた壁で囲まれています。
その構造は、防御や気候の変化に対する適応を考えると、古代アナサジの知恵と技術の高さを物語っています。
また、これらの住居は、彼らの社会構造や日常生活にも光を当ててくれます。

探訪者は、クリフ・パレスやバルコニー・ハウス、スプルース・ツリー・ハウスなど、数々の遺跡を巡ることができます。
クリフ・パレスは、メサ・ヴェルデで最大の岩壁住居であり、200以上の部屋と23のキバ(儀式用の部屋)を有しています。
これらの遺跡を訪れることで、古代アナサジがどのようにしてこの厳しい環境で生活していたのか、その一端を垣間見ることができるのです。

しかし、メサ・ヴェルデの魅力は岩壁住居だけに留まりません。

この地には、ピトハウスやパビングロード、そして神秘的なペトログリフといった、他にも多くの遺跡が点在しています。
ピトハウスは地面に掘られた住居で、アナサジの住居形態の初期段階を示しています。

一方、ペトログリフは岩に刻まれた古代の絵や記号であり、彼らの信仰や伝説、日々の生活を伝える貴重な手がかりとなっています。

メサ・ヴェルデ:古代の謎に触れる旅

訪れる人々は、メサ・ヴェルデの遺跡群を通じて、古代アナサジの文化や歴史に深く触れることができます。

公園内には、専門のガイドが案内するツアーや、自分のペースで探索できる自己案内式のトレイルが整備されており、それぞれの遺跡が持つ物語をじっくりと学ぶことができます。

メサ・ヴェルデ国立公園は、ただ美しい自然を楽しむ場所ではなく、古代の人々が築き上げた文化遺産を今に伝える貴重な場所です。

その壮大な景観と共に、遺跡からは古代アナサジの生活の知恵や精神性が今に伝わってきます。

この地を訪れることで、私たちは遠い過去への旅をし、先史時代の住居が持つ無言の物語に耳を傾けることができるのです。

メサ・ヴェルデ国立公園は、アメリカ合衆国コロラド州に位置し、古代プエブロ文化の人々(アナサジとも呼ばれる)が築いた遺跡が数多く残されている場所です。

この地域は、紀元600年から1300年にかけて栄えた文化の証拠を今に伝えており、崖の壁に建てられた住居や村落が特徴的です。

 

メサ・ヴェルデ国立公園の世界遺産古代アナサジの足跡と探訪先史時代の住居 遺跡の宝庫:メサ・ヴェルデの不思議を探る

メサ・ヴェルデ国立公園の世界遺産古代アナサジの足跡と探訪先史時代の住居 遺跡の宝庫:メサ・ヴェルデの不思議を探る

 

メサ・ヴェルデ国立公園の基本情報

英語表記)Mesa Verde National Park
登録区分)文化遺産
登録年)1978年
登録基準)(3)
登録国)アメリカ
登録地域)北アメリカ

 

アメリカ合衆国の内陸側西部、コロラド州のメサ・ヴェルデ国立公園は、インディアン(ネイティブ・アメリカン)のアナサジ族の残した遺跡が残る地域です。

アナサジ族は、プエブロ・インディアンと呼ばれトウモロコシ農業で生計を立て、定住自活するイ
ンディアングループとされています。

アドベと呼ばれる、日干しレンガで作られたアパートのような集合住宅と断崖をくりぬいた一連の
集落遺跡群で暮らしていたことが明らかになっています。

アメリカ合衆国現在でも、知られているおよそ25のプエブロ民族が、それぞれ現存するプエブロ
集落を構えています。

メサ・ヴェルデ国立公園とインディアン

インディアンには、「インド人」という意味もあります。
当時、インドへの航路を探す中偶然見つかったアメリカ大陸の先住民族をインドの先住民族と勘
違いしたヨーロッパ諸国で呼ばれるようになったためです。

メサ・ヴェルデ国立公園に関わるアメリカ先住民族インディアンについて掘り下げてみます。

2つのインディアン

アメリカ大陸の先住民族インディアンといえば、ビビットカラーの羽飾りにペイントをした勇ましい姿が思い浮かびます。

歴史的にインディアンとされる部族には、移動しながら狩猟と略奪で生計を立てる狩猟部族と、定住して農業で生計を立てる農耕部族の2つに分けられています。

同じ狩猟部族の中でも、カリフォルニアのマカ族は伝統的に捕鯨生活で生計を立てていた捕鯨民族、馬に乗りシカやバッファローを狩るネズ・パース族というように、生活する地域で文化に大きな違いがありました。

プエブロ・インディアンとアメリカ大陸の歴史

プエブロ・インディアンは、1つの地域に定住し、トウモロコシ農業で生計を立てる農耕部族とされています。

ニューメキシコ州のアコマ族、イスレタ族、サンディア族、タオス族が現在でも規模が大きいプエ
ブロ・インディアンの部族です。

古くから、機織り文化と貴金属加工技術に優れ、伝統的な布製品やインディアン・ジュエリーは世
界的にも有名です。
農耕部族ではありますが、ナバホ族、コマンチ族、アパッチ族などの狩猟部族による略奪やキリスト教者による武力による宗教弾圧に対しては、武力で応じることもあります。

1680年には、プエブロ・インディアンのポペ率いる集団が「プエブロの反乱」を起こし、武力で抵抗したことが記録にも残っています。

1492年、ヨーロッパ人の探検家クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸東海岸を訪れてから、
1500〜1600年代にかけスペイン・イギリス・フランス・オランダによってアメリカ大陸の植民地化が広まります。

現在のアメリカ合衆国のある北アメリカでは、イギリスとフランスの植民地の領有権をめぐり戦争
が続きます。

植民地宗主国同士の戦争の中でも、支配する側と先住民族との間での争いは繰り返され、近代的な武器を持つ植民地宗主国側によって、先住民族インディアンの多くの民族が暮らしていた地域を追われることになります。

メサ・ヴェルデ国立公園の文化遺産としての評価

メサ・ヴェルデ国立公園で登録されている遺跡には、崖をくり抜いたロング・ハウスとオーク・ツ
リー・ハウス。

日干しレンガで作られたアパートのようなスプルース・ツリー・ハウスとスクウェア・タワー・ハウスなどが残っています。

メサ・ヴェルデ国立公園は、12世紀頃にはじまり現代まで続くプエブロ・インディアンの歴史を紡
ぐ確かな証。

登録基準の1つ、「(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくと
も稀な証拠」として高い評価を受け、1978年に文化遺産としての登録が決まりました。

 

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

 

Q1.「文化的景観」の世界遺産における分類(A)と、「文化的景観」の説明(B)の組み合わせとして、正しいものはどれか?

(p36,2018年9月世界遺産検定3級)

1. A.自然遺産−B.異なる民族の文化が融合して形成された景観
2. A.自然遺産−B.人類が長い時間をかけて自然とともに作り上げた景観
3. A.文化遺産−B.異なる民族の文化が融合して形成された景観
4. A.文化遺産−B.人類が長い時間をかけて自然とともに作り上げた景観

答え:(4)A.文化遺産−B.人類が長い時間をかけて自然とともに作り上げた景観

 

メサ・ヴェルデ国立公園のまとめ

メサ・ヴェルデ国立公園のお話は、いかがでしたか?
世界遺産で「文化」と呼ばれる単語が使われる場合、「人の営みで生み出された」という意味があ
ります。
メサ・ヴェルデ国立公園の風景画像を見るだけでは、自然遺産と勘違いしてしまいそうですよね。
世界遺産検定に挑戦される方は、改めて1つ1つの世界遺産の成り立ちを調べてみてはいかがでしょうか?
次回の記事は、手つかずの自然: エチオピアのシミエン国立公園の保全の成功を探る  です。