地球上で毎日40万の人間が生まれ、かつてない勢いで世界中の人口が増えつつあります。
人間が健康に生きていくためには、ただ空腹を満たすだけではなく、バランスの良い食事が必要になります。
前回はエビは昆虫ではない事や世界の人口は増えている
話をしました。
ソラ先生、正直に言っていいですか。
コロナ禍で私達の生活が一変して、世界の細かいニュースまでは
目に届かないです。今の生活が精一杯な方も多いのではないのでしょうか?
その通りです。今すぐではないので日本国内で暮らしていると、なかなかわかりにくいのですが、世界中の食料は不足しています。
では、スカイさんの子供や孫たちの50年後、食料不足の未来を想像してみましょう。
前回の話からすると、それは昆虫食を食べてるイメージですが子供達が・・・
正直考えたくない未来ですね。
でも前回の話で人口が増えて食料不足が身近に迫っていたら争いは避けられない事を想像しました。
現実だけに目が行き、未来は考えられない事は当然の事ですね。
未来で確実に起こる事、それを今からやって行こうというのもSDGs(持続可能な開発目標)の一つなんです。
では今回は、学校でも習うように、生き物の筋肉や血液を作るために欠かせないたんぱく質は、今でも世界的に不足している話をしていきますね。
世界が抱える食料危機にSDGsはどう答えを出すか?
私たち人間が1日に必要なエネルギーは、体格と性別、運動の多さによって違いがあります。
また世界的な違いがある理由は、「人種によって体格が違う」「地域によって気候が違う」「民族によって主食が違う」ためです。
日本人の一日に必要なエネルギー
日本医師会や医療機関の団体からは、平均的な日本人の体格では、デスクワーク以外はほとんど運動をしない少ない成人女性で1400~2000kcal、男性は2000~2400kcalと発表されています。
この数値を基準に、1日の運動量に合わせて1.0から2.0までの数値をかけて1日に必要なエネルギーを計算します。
また、病気や怪我から回復している最中や疲労の時にもさらに1.0~1.5の数値がかけられます。
どうやってエネルギーを取るの
答えから言うと食事です。
植物のように光と水からエネルギーを産むことができない人間は、他の生き物を食べてエネルギーを得る必要があります。
動物はもちろん、植物も含めてです。
どれくらい必要なの?
日本人の体格では、ご飯やパンなどの糖質は320g、もちろん甘い物やお酒もここに含まれ、食事のおよそ55%の割合です。
理想のたんぱく質と脂質の量
たんぱく質は食事の13~20%が理想で50~60g、脂質は20~25%が理想の50g必要です。
意外に少なく思われるかもしれませんが、この数字はあくまで糖質、たんぱく質、脂質の物質の量のため、お肉50gが単純にたんぱく質50gとなるわけではありません。
糖質の場合は、ご飯小盛り1杯に約37g、食パン1枚に約47g、コーンフレーク1食分に80g含まれています。
日本人の平均的な体格で計算すると
日本人の平均的な体格では、320gの糖質が必要なのでご飯だけなら小盛り9杯、食パンだけなら7枚も食べなければなりません。
ですが、多くの食品に囲まれた私たちは、ご飯やパンの他にもお菓子の糖質、飲み物の糖質、お酒の糖質を取り入れているので、糖質はほぼ毎日の食事で賄われています。
日本人が1日に必要なたんぱく質の量は
たんぱく質は牛もも肉100gに約20g、鮭1切れには15g、牛乳1杯(200ml)に約6g含まれています。 たんぱく質については、日本人は「思っているほど」撮れていないようです。
1日に必要なたんぱく質は、日本人の平均的な体格では50gでした。
牛肉なら250gなので、大きめのステーキ1枚分。
焼き魚なら、鮭の切り身で3枚分ほどです。
食べれているかのように思えますが、ご飯やパン、麺を食べる機会が多い私たちには、意識していなければ不足してしまう栄養でもあります。
日本人が1日に必要な資質の量は
脂質はというと、マヨネーズなら大さじ4杯の20mlで48g分、ドレッシングは大さじ3杯の15mlで45~50g分と糖質とたんぱく質に比べてすぐにオーバーしてしまいそうな量ですね。
不足するたんぱく質
日本人に不足しがちなたんぱく質の摂取量。
世界では、さらに深刻です。
というのも、野生の生き物には限りがあり、海の生き物は漁の規模を人間の目線でほんの少し拡大しただけで、絶滅の危機に陥ってしまうこともあります。
地上で人間が食料にする野生動物は、他の野生動物の食料でもあります。
なるほど。人口が増えれば限りある量を分け与える計算だと
分かりやすいですね。だから漁でも制限が設けられてるんですね。
だんだん、わかってきました!
そうです。食べる分を今年一気に全部捕獲すると来年の分が無くなるのは
小学生も解かる事ですね。
畜産の始まりと未来の限界
祖先は不安定な狩りや漁から、家畜になる生き物を育て、貴重なたんぱく質を確保することにしました。
それが畜産の始まりです。
栄養の研究が積み重ねられる前から、私たち人間はお肉やお魚が生きるために欠かせないことを知っていたんですね。
ですが、畜産にも限界はあります。
そして、人間の人口増加によって畜産の規模が拡大したことで、環境への負担もそろそろ限界を迎えつつあります。
え、畜産無くなったらどうなるの?牛肉は?豚肉は?ケンタッキーは?
食べられなくなるの?え?
落ち着いてください!!
ここで言うのは畜産が無くなるのではなくて、環境への負担もそろそろ限界を迎えつつあるので環境を変えていきましょうと言うことです。
ほっ。ビックリして取り乱してしまいました。
続きを落ち着いて聞きます。(#^^#)
畜産は現代では多くの穀物が必要。
畜産は、中世のように放牧をして自然の草を動物の食事にするだけでは足りず、現代では多くの穀物を必要としています。
例えば、牛肉1キロには10~30kgの穀物が必要で豚肉なら7~10kgの穀物が必要です。
世界中の人々が十分なたんぱく質を得るためには、1日牛肉250g×世界人口の約76億7696万人で1兆9192億2500kgも必要になります。
畜産の穀物不足
おおよそ100兆~300兆kgの穀物が毎日必要になり、とても現在の生産量では足りません。
もちろん、私たちに必要なたんぱく質は全て畜産で賄われているわけではありませんが、世界中でたんぱく質が不足していることは明らかです。
世界の食糧危機は世界的な昆虫の利用
世界中で不足しているたんぱく質を補うために、昆虫の利用が注目されています。
牛もも肉100gには約20g、鮭1切れには15gのたんぱく質が含まれています。
昆虫はどのくらいの栄養
それでは、昆虫はどのくらいの栄養があるのでしょうか?
身近なバッタやイナゴでは、100gあたり35~48gのたんぱく質が含まれていて、同じ重さなら牛肉の2倍もあります。
1日に必要なたんぱく質を牛肉だけで摂るとしたら、250gのお肉が必要ですが、昆虫なら100~150gで足りることになります。
へー昆虫って栄養高いのね。ちょっと意外でした!
昆虫の数
さらに、昆虫の数は脊椎動物の12~16倍と圧倒的です。
これほど生息数が多い理由には、昆虫の6つの特徴の中で「外骨格がある」「羽があり足は3対」「卵から生まれ変態する」ことが関係しています。
外骨格という硬い殻で覆われる昆虫は、乾燥や高温多湿のどちらにも強く、羽があり空を飛ぶことができ、器用な足が6本もあることは住む場所を選びません。
昆虫の生活力と繁殖力
活動できる気温と僅かな食事さえあれば、昆虫はどこでも暮らしていけるのです。
さらに、卵で生まれることは繁殖力が高く、変態するため、季節に合わせてエネルギーを無駄なく使うことができます。
地球上で暮らす環境を選ばす、エコで繁殖力の高い昆虫は地球上の環境に見事に適応した生き物といえるでしょう。
まとめ
他の生き物に迷惑をかけ、地球の環境にまで迷惑をかけた私たち人間は、地球上の成功者でもある昆虫に助けてもらうしか、これからの発展は望めないのかもしれません。
昆虫は繁殖力も高く育成も行いやすいことから目を付けられています。畜産の穀物の代わりになる事も考えられるでしょうね。
まとめで昆虫に人間が助けられる日が近いって度肝を抜かれました。
昆虫って害もあるけど食の連鎖で他の生物の食事になっていますからね。
まだまだシリーズは続きますので次回もどうぞ来てくださいね。