四季折々の絶景日本に残る暮らしの知恵を語り継ぐ世界遺産白川郷の魅力と歴史

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白川郷の伝統工芸品や郷土料理に舌鼓です!四季折々の風景が魅力的な白川郷です。
観光すると日本に残る暮らしの知恵を語り継ぐ様子が目に映ってきます。
日本国内の世界遺産の中でも、北陸地方の「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、ある特徴が評価され、1995年に世界遺産に登録されることになります。

今回は岐阜県・富山県にある白川郷・五箇山の合掌造り集落(No.6)に付いて世界遺産検定に向けて記事を書いてます。

前回の記事は 日本を代表する自然のシンボル富士山の魅力と歴史と世界遺産登録についてでした。
こちらもご覧いただくとよく理解できると思います。

雪国の暮らしの知恵を語り継ぐ北陸地方の世界遺産

世界遺産は、建築物や遺跡の美しさや歴史的な価値だけで選ばれるだけではありません。

暮している人々が考え、工夫して、受け継いだ暮らしの知恵の結果生まれた建築物が高い評価
を受けることもあります。

豪雪地帯の北陸地方で生まれた合掌造りの住宅は、雪国の厳しい暮らしの中で生まれました。

現代までを補修を続け、大切にされている白川郷・五箇山の合掌造り集落は、テレビやWebサイ
トで見たことがあるのではないでしょうか?

 

北陸の雪国が生んだ世界遺産〜白川郷・五箇山の合掌造り集落

英語表記)Historic Villages of Shirakawa-go and Gokayama
登録区分)文化遺産
登録年)1995年
登録基準)(4), (5)
国内の登録順位)No.6

北陸地方の世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、岐阜県と富山県にまたがる地域に
存在しています。

白川郷は、岐阜県北部の庄川流域で栄えた集落です。

 

五箇山(ごかやま)の合掌造り集落

もう1つの五箇山(ごかやま)、は富山県の南西にそびえ立つ日本アルプスの渓谷にある集落
す。
岐阜県は中部地方・東海地方に分けられていますが、県境に接するほど北部にあるため、同じ
内容で登録されている富山県に合わせて北陸地方として紹介させていただきますね。

北部地方が豊かな米どころ・酒処、魚介類の宝庫として、食に価値観を置く方を引き付けるのは
遥か昔からのことです。

特に米どころと呼ばれるほど、古くから米の生産量が多いことには、北陸地方の天候かわ深く関
わっています。

日本海側に面し、一年を通して湿度が高く降水量の多い北陸地方は日本海側気候の中心の地
でもあります。

日本海側気候は、日本列島に北西から吹き付ける季節風と九州西方沖から対馬海峡を通って
南から北に流れる対馬海流の影響を受けています。

元々黒潮の一部から始まる対馬海流は、暖かい暖流で水蒸気が蒸発しやすい環境が生まれま
す。

さらに、北西から冷たい風が吹き付けるため、冬の季節の日本海側は北側ほど雪が降りやすく
なります。

中でも北陸地方は、日本海側に面した越後平野・富山平野・金沢平野の東側を囲むように、越後
山脈・三国山脈・飛騨山脈がそびえています。

冬の季節、日本海側から流れる雪雲は、平野部から山地にかけて運びのんだ雪を全て置いて
いってしまいます。

北陸地方の日本海側が豪雪地帯に指定されているのは、こうした特徴のある地形の影響でもあ
ります。

雪国にとっては慣れてはいても、大雪は深刻な災害を生むこともあります。

一方で、冬の間に山地に貯まった雪は、春とともに豊かな水源となって平野部を潤してくれます。

コシヒカリで有名な新潟県、耕作地における水田の割合が全国1位 (95.9%)の富山県と昔から米
どころといえば新潟県でした。

さらに、富山湾や能登半島一帯は豊かな漁場で最近知名度が高まったノドグロも地域で愛され
る魚介類です。

雪国における白川郷の建築物のいつくもの特徴

また、雪国の建築物には、いつくもの特徴があります。

例えば、現代の雪国北海道の建築物には、瓦屋根の変わりに雪を溶かすヒーター付の屋根
露と冷気防止の二重窓か厚手の防寒窓、建物の外側に水道管やガス缶が露わになることはあ
りません。

雪国の建築物が特徴的なのは、雪国で暮らす人々の伝統でもあり歴史でもあります。

北陸地方の世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」では、登録されている名前のように「合
掌造り」と呼ばれる三角屋根が特徴的です。

三角屋根そのものは、日本国内でも珍しくはありませんが、北陸地方の合掌造りでは「叉首構造
の切妻造り」と呼ばれる急勾配の屋根の形、当時の住宅としては高層の3階建て、分厚い茅葺き
が特徴的です。

急勾配の屋根は、屋根の雪下ろしの負担を減らし梅雨の時期の水はけを良くする目的とされて
います。

当時の住宅としては高層の、3階建ての目的は2つあります。

1つは、空気を含む空間を設けることで、居住スペースの断熱性能が上がります。

もう1つは、農作業が行えない冬の間の作業スペースを確保するためです。

分厚い茅葺きにする目的は、防水性・通気性・断熱性の3つの効果があるためです。

雪国で暮らす人々が生み出した生活の知恵は、「4.人類の歴史上重要な時代を例証する建築
様式」、「5.ある文化を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例」とし
文化遺産の基準で世界的な評価を受けています。

歴史的な建物そのものよりも、人々が生み出し、受け継いだ暮らしの知恵そのものに、普遍的な
価値があると評価されたことに違いはないのでしょう。

関連記事でも詳しく説明しています:白川郷・五箇山の合掌造り集落とは?世界遺産の美しい村の魅力を徹底解説!

世界遺産検定の例題

Q1.世界遺産がもつとされる価値は何でしょうか。(世界遺産検定4級)

1. 突出(とっしゅつ)した芸術的価値
2. 顕著 (けんちょな)な普遍的(ふへんてき)価値
3. 莫大(ばくだい)な金銭的価値
4. 公共の利益的価値

答え:(2)顕著 (けんちょな)な普遍的(ふへんてき)価値

まとめ

岐阜県から富山県へまたがる北陸地方の世界遺産、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」雪国
に暮らす人々の歴史が残る文化遺産です。

世界遺産の価値とされる「普遍的価値」には、建物が風化しても変わらず残る人の生み出す文化
そのものが評価されることもあります。

身近にある暮らしの知恵も、いつか世界遺産として取り上げられることがあるのかもしれません
ね。

次回の記事は 世界遺産として認定された銀山の麓とは石見銀山の歴史と魅力的な価値です!お楽しみに!