世界遺産秘境ガラパゴス諸島の魅力と見どころを検定試験を交えて解説!

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東太平洋上の赤道下にある生き物の楽園ガラパゴス諸島は、世界で始めての世界遺産として1978年に登録が決まります。
世界遺産、中でも自然遺産の歴史の始まりといっても過言ではありません。

前回の記事は 北海道・北東北の縄文遺跡群:2021年登録の世界文化遺産を徹底解説
でした。
今回から海外の世界遺産について記事にしていきます。

 

ガラパゴス諸島の基本情報

 

英語表記)Galapagos Islands
登録区分)自然遺産
登録年)1978年
登録基準)(7), (8), (9), (10)
登録順位)No.1
登録国)エクアドル共和国

 

生き物の楽園と呼ばれるガラパゴス諸島は、人類の歴史上始めての世界遺産です。

1978年、国連が主導する世界遺産委員会で、世界遺産登録基準のうち自然遺産の4つの項目全てで高い評価を受けて登録が決まります。

さらに、2007年から2010年には、環境悪化が懸念され危機遺産リストに登録され、世界中で環境保護活動が見直されるきっかけにもなっています。

 

ガラパゴス諸島に迫る

テレビの自然番組で見かけることの多いガラパゴス諸島、改めて世界遺産検定でも出題される内容を元に詳しく掘り下げてみましょう。

 

ガラパゴス諸島の気候と地理

ガラパゴス諸島は、南米エクアドルから西へおよそ1000キロメートルの太平洋上にある島々です。

赤道直下の熱帯性気候の島々は、13の大きな島と6つの小さな島で、もっとも北のダーウィン島と南のエスパニョラ島が生き物の楽園としてテレビでも取り上げられるほどです。

海洋島と呼ばれ、氷河期でも大陸と陸続きになった歴史を持たない島では、在来の生物は海を渡って飛んできたか、漂着したものの子孫に限られています。

 

ガラパゴス諸島の生態系

「東洋のガラパゴス」と呼ばれる日本の奄美群島の本家に当たるガラパゴス諸島は、独特の生態系を営む地域として世界屈指の地域です。

中でも、ガラパゴス○○と名前のつく生き物を紹介させていただきます。

ガラパゴスゾウガメは、寿命が100年以上の大型のリクガメです。

島ごとに多くの亜種が存在し、甲羅がドーム型のものと鞍型のものに分けられています。

ガラパゴスリクイグアナは、草食のイグアナで近年生息数が著しく減っている貴重な爬虫類です。

サンタ・フェ島には、別種サンタフェリクイグアナ、その他の島には本種が生息していた痕跡と記録が残るのみで、すでに絶滅した島もあるとされています。

ガラパゴスペンギンは世界で3番目に小さい、唯一の熱帯性のペンギンです。

魚を餌にしていますが、近年のエルニーニョ現象の影響で個体数が危ぶまれています。

ガラパゴスペンギン

ガラパゴスペンギン

 

ガラパゴス諸島と進化論

ガラパゴス諸島と深い関係がある人物は、19世紀のイギリスの生物学者・地質学者チャールズ・ダーウィンです。

当時の世界では革新的だった「進化論」を発表し、現代の生物学の基礎を作った人物です。

進化論(英: theory of evolution)は、「生物は生まれたときから今の姿にあるのではなく、長い時間をかけて少しずつ変化してきた」という仮説(学説)に基づいて、現在見られる様々な生物は全て進化の過程のなかで生まれてきたとする理論です。

現代のアジア地域で暮らす私たちにとって、「生物が進化を続けてきた」というのは当たり前のことです。

実は、キリスト教が深く信仰されているヨーロッパ、イスラム教が信仰されている中東では「生物が進化を続けてきた」というのは1大問題とされています。

ダーウィンが発表してから100年以上経った1996年、キリスト教団体から「生物の肉体が進化したことは認めるが、精神が進化することは認めない」と判断されるほど、一神教の地域では受け入れがたい理論でした。

遡ること1835年、当時は地質学者として活動していたダーウィンは、イギリス海軍の測量船ビーグル号でガラパゴス諸島を訪れ、9月15日から10月20日まで滞在しています。

動植物の豊かさに魅了されたダーウィンは、ゾウガメやイグアナなとの爬虫類、ダーウィンフィンチ類と呼ばれる鳥類、虫や植物までつぶさに記録に残したとされています。

帰国後、ガラパゴス諸島で記録した動物の島による違い、他の地域で出土した化石を分析し、「生物が進化を続けてきた」という進化論を発表することになります。

今、ガラパゴス諸島が注目される理由

21世紀の現在、世界はグローバル化と呼ばれるほど人と物の行き来が盛んです。

人間と、人間が生み出した物や文化にも起こるグローバル化の問題よりも、人間以外の生き物の間ではより深刻です。

本来生息していない外来種との生存競争、人の移動とともに移動する生き物同士の交配で生まれる遺伝子汚染の問題は世界中で起こっています。

そのため、ガラパゴス諸島の生き物のように古くからその地で暮らす固有種の存在は、とても希少価値が高いとされています。

 

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

 

Q1.エクアドル共和国の『ガラパゴス諸島』で、進化論のアイデアを得て『種の起源』を著した人物は誰でしょうか?

(引用元:p69,2018年3月世界遺産検定4級)

1.チャールズ・ダーウィン
2.マリア・ライへ
3.デイヴィッド・リヴァングストン
4.ガリレオ・ガリレイ

答え: (1)チャールズ・ダーウィン

 

ガラパゴス諸島のまとめ

人類の歴史に始めての世界遺産、ガラパゴス諸島のお話はいかがでしたか?
世界遺産検定の過去問には正解できましたでしょうか?

ガラパゴス諸島は、私たち人間のルーツにもなる生き物の進化を証明する遺産であるとともに、環境問題への警笛を呼びかける象徴のようさな存在です。
ぜひ、世界遺産に関わる人物や出来事とともに覚えておきたいですよね。