世界遺産検定に役立つシリーズ・「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

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福岡県の『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』は、日本の信仰にまつわる歴史と海外の文学が交流した手がかりにもなる宗教的な文化遺産です。

前回の記事はル・コルビュジエと近代建築運動:その顕著な貢献と世界遺産の建築作品 でした。
こちらもご覧いただくとよく理解できると思います。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

英語表記)Sacred Island of Okinoshima and Associated Sites in the Munakata Region
登録区分)文化遺産
登録年)2017年
登録基準)(2), (3)
国内の登録順位)No.21

 

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は、文化遺産として登録された遺産群のほとんどが宗像大社(むなかたたいしゃ)の関連施設です。

古代日本で九州地方は、中国大陸や東南アジアと行き来する玄関口でもありました。

宗像大社の由来は、日本書紀とされていますが、細かな解釈によっては異国文化を表現している内容もあるとされ、九州地方で海外との交流があったことは記録や出土品から明らかになっています。

神宿る島の神様・宗教別に見る「神」の違い

神様の辞書的な意味は、「宗教信仰の対象として尊崇・畏怖されるもの」とされています。

神様の特徴は宗教ごとに異なりますが、「人間を超越した能力を持つ存在」「人間に幸福と災禍を降すと考えられる存在」という共通点もあります。

キリスト教やイスラム教のような唯一神を信仰する宗教では、神の英語表記は「God」とされ、多神教の神を表す「god,gods」もしくは「deity,deities」とは区別されています。

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群では、英語表記の「神」は「God」ではなく精霊や神聖な場所を表す「Sacred」が使われているのも、国際的な配慮がされています。

宗像大社を含む日本神道で信仰されている「神様」は、伝承や願いに応じて存在する「多神教」の神様です。

キリスト教やイスラム教こ「唯一神のGod」と区別するため、「神々しい・聖なる」という意味を持つ「Sacred」が使われたとされています。

神宿る島で祀られる日本神道の神

宗像大社の日本神道での役割は、宗像三女神の田心姫神(沖津宮)、湍津姫神(中津宮)、市杵島姫神(辺津宮)を祭る神社の総本山とされています。

日本最古の神社の一つとして、島全体が神聖な聖域とされて崇められていたことが日本書紀にも書かれています。

宗像大社は、祭られている神様毎に沖津宮(福岡県宗像市大島沖之島)、中津宮(福岡県宗像市大島)、辺津宮(福岡県宗像市田島)の3か所の本殿があります。

世界遺産として登録されているのは、福岡県宗像市の沖ノ島、大島、田島の宗像大社、福津市の「津屋崎古墳群」の4か所が登録されています。

仏教の神様とは?

日本では、日本神道と並び仏教が信仰されています。

仏教では、仏様の仏陀(Buddha)が礼拝の対象とされ、観音様やお地蔵様などの菩薩(enlightenment being)が仏陀の次に位が高いとされています。

仏教での神様は日本語では「天」、英語では「Deity」と表記されます。

仏教では、神様も私たち「人間と同じ世界」で暮らす存在の1つとされ、悟りと呼ばれる「人間と同じ世界」を超えた力を身に着けた仏陀とは区別されているためです。

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

Q1.「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の説明として、正しいものはどれでしょうか。

(引用元:p65,2018年3月世界遺産検定4級)

1. 新潟県にある
2. 複合遺産である
3. 沖ノ島ではかつて国家的祭祀が行われていたと考えられる
4. ヨーロッパ人が沖ノ島に漂着して西欧文化を伝えた

答え:(3)沖ノ島ではかつて国家的祭祀が行われていたと考えられる

 

 

 

Q2.文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれでしょうか。

「神宿る島」宗像・()と関連遺産群は、島に対する日本固有の自然崇拝と文化交流の歴史を伝える遺産です。       (引用元:p84,2018年9月世界遺産検定4級)

1. 沖ノ島
2. 石垣島
3. 小豆島
4. 種子島

答え:(1)沖ノ島

 

 

Q3.文中の空欄に当てはまる、沖ノ島の特徴を表している語句として、正しいものはどれでしょうか。

福岡県の「( )宗像・沖ノ島と関連遺産群は世界遺産に登録されています。」
(引用元:p103,2018年12月世界遺産検定4級)

1. 花咲き誇る楽園
2. 神宿る島
3. 渡り鳥の楽園
4. 星降る島

答え:(2)神宿る島

 

まとめ

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群のお話はいかがでしたか?
世界遺産検定の過去問には、正解できましたでしょうか?
日本国内の文化遺産の中には、お寺や神社が含まれる遺産が少なくはありません。
さらに海外を見てみると、ヨーロッパの地域では宗教に関連する遺跡が世界遺産に数多く登録されています。
宗教という単語は、ここ数年の一部の宗教の報道でイメージが損なわれてしまっていることは確かです。
単語を置き換えて信仰という言葉を使わせていただくとしたら、私たちの心のなかには人を超えた存在や自然そのものを敬う気持ちがあることは海外と違いはないのではないでしょうか。
建築物の歴史だけではなく、信仰的な役割も合わせて覚えておきたいですよね。

次回の記事は 世界遺産の中の日本の宝!百舌鳥・古市古墳群の知識を徹底解説 です!お楽しみに!