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世界遺産サガルマータ国立公園の観光ガイド:エベレストの魅力と見どころ

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東南アジアには、サガルマータ国立公園と呼ばれる自然遺産があります。
聞き慣れない珍しい名前と思いますが、ネパール語のサガルマータを英語に翻訳するとエベレストという意味があります。
登山に興味がない方でもご存知の、世界最高峰の山エベレストが含まれる世界遺産です。

  1. サガルマータ国立公園の概要と世界遺産登録の理由
    1. サガルマータ国立公園の基本情報
    2. 世界遺産に登録された背景と理由
    3. 観光客に人気の理由
    4. サガルマータ国立公園の基本情報
    5. サガルマータ国立公園の自然と山岳地帯の暮らし
    6. ヒマラヤ山脈とサガルマータ国立公園
    7. サガルマータ国立公園とエベレストの風景
    8. ヒマラヤ山脈の暮らし
  2. エベレスト(サガルマータ)の見どころと観光シーズン
    1. エベレストの魅力と主要スポット
      1. エベレストベースキャンプ
      2. カラパタール
      3. テンボチェ僧院
    2. 最適な観光シーズンとその理由
      1. 春(3月~5月)
      2. 秋(9月~11月)
    3. サガルマータ国立公園へのアクセス方法
      1. カトマンズからルクラへのフライト
      2. トレッキングルートとヘリコプター
  3. サガルマータでのトレッキングガイドとシェルパ文化
    1. 初心者向けと上級者向けのトレッキングコース
    2. 上級者向けのトレッキングコース
    3. トレッキング中に体験できるシェルパ文化
    4. シェルパ文化の歴史とその重要性
      1. シェルパ文化の歴史
      2. 仏教の影響
      3. シェルパ文化の重要性
  4. サガルマータ国立公園の歴史と文化
    1. サガルマータの歴史的背景
      1. 古代の居住者
      2. エベレスト登山の歴史
    2. 文化的遺産とその保護活動
      1. 仏教寺院とストゥーパ
      2. 文化的保護活動
    3. 現地の祭りや伝統行事
      1. マンリム・フェスティバル
      2. ダムジ・フェスティバル
      3. ロサール(チベット新年)
  5. 気候変動がサガルマータに与える影響
    1. 気候変動の現状と未来予測
      1. 現状の影響
      2. 氷河の融解
      3. 未来予測
    2. 環境保護の取り組みとその重要性
      1. 地元の取り組み
      2. 再生可能エネルギーの導入
      3. エコツーリズムの推進
    3. 観光客ができること
      1. ごみの持ち帰り
      2. 地元の環境保護プロジェクトへの参加
      3. エコフレンドリーなツアーの選択
      4. 水の節約
      5. 地元の文化を尊重
  6. ゴーキョー湖とサガルマータの珍しい動物たち
    1. ゴーキョー湖の特徴と観光ポイント
      1. ゴーキョー湖の特徴
    2. 主要な観光ポイント
    3. サガルマータで見られる珍しい動物たち
      1. レッサーパンダ
      2. ヒマラヤタール
      3. 雪豹
      4. イエティの伝説
    4. 動物保護活動とその重要性
      1. 保護活動の取り組み
      2. 生息地の保護
      3. 教育と啓発活動
      4. 観光客の役割
  7. 日本からサガルマータ国立公園へのアクセス方法
    1.  日本からネパールのカトマンズへ
      1. 直行便と乗り継ぎ便
      2. フライト時間
    2.  カトマンズからルクラへ
      1. 国内線フライト
      2. フライトの特徴と注意点
    3. 3. ルクラからサガルマータ国立公園へ
      1. トレッキング
      2. ヘリコプター
    4. 世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題
      1. Q1.次の3つの説明文から推測される世界遺産は何でしょうか?
      2. Q2.ネパール連邦民主共和国の「サガルマータ国立公園」に関し、世界最高峰のサガルマータを含む山脈は何でしょうか。
      3. Q3.下の写真は、どの世界遺産でしょうか?
      4. Q4.「サガルマータ国立公園」に関する以下の文中の語句で、正しいものはどれか。
      5. Q5.「トランスバウンダリー・サイト」として登録されている遺産として、正しいものはどれか?
    5. サガルマータ国立公園のまとめ

サガルマータ国立公園の概要と世界遺産登録の理由

サガルマータ国立公園は、世界最高峰のエベレスト現地ではサガルマータと呼ばれています)を中心に広がる壮大な自然公園です。
このエリアは、自然愛好家や冒険家にとってまさに聖地と言える場所で、その美しい風景と豊かな生態系が訪れる人々を魅了します。

 

サガルマータ国立公園の基本情報

サガルマータ国立公園は、ネパール東部のソルクンブ県に位置し、1976年に設立されました。

この広大な公園は、エベレストを含むヒマラヤ山脈の一部を保護するために設立され、広さは1148平方キロメートルにも及びます。
エベレストの他にも、ローツェ、ヌプツェ、チョ・オユーなどの名峰が連なるこの地域は、まさに自然の宝庫です。

世界遺産に登録された背景と理由

サガルマータ国立公園は、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。その理由は、以下の3つにまとめられます:

  1. 壮大な景観と地形:エベレストを中心としたヒマラヤの雄大な景観は、他に類を見ない自然の美しさを誇ります。
    雪に覆われた山々、氷河、深い谷は、訪れる人々に感動を与えます。
  2. 豊かな生物多様性:サガルマータ国立公園には、多種多様な動植物が生息しています。
    レッサーパンダ、ヒマラヤタール、雪豹などの希少な動物たちが見られるだけでなく、高山植物も豊富です。
    この地域の生態系は、非常に独特で、科学的にも重要な研究対象となっています。
  3. シェルパ文化の保護:サガルマータ国立公園は、シェルパ族が生活する地域でもあります。彼らの文化や伝統は、この地域の歴史と深く結びついており、世界遺産として保護されるべき重要な要素です。
    シェルパ族の信仰や伝統的な生活様式は、訪れる人々に深い感銘を与えます。

観光客に人気の理由

サガルマータ国立公園は、エベレスト登山の玄関口として知られ、毎年多くの冒険家やトレッキング愛好者が訪れます。
彼らは、エベレストの雄大な姿を目の当たりにしながら、トレッキングを楽しみます。
また、シェルパ族の温かいホスピタリティや、豊かな文化を体験できることも、この地を訪れる大きな魅力の一つです。

自然と文化が調和したこの場所は、訪れる全ての人々に忘れられない思い出を提供してくれます。

パノラマビューのサガルマータ国立公園とエベレストの背景。雪を頂く山々、緑豊かな谷、小さな村々と仏教僧院が点在。

サガルマータ国立公園の基本情報

英語表記)Sagarmatha National Park
登録区分)自然遺産
登録年)1979年
登録基準)(7)
登録国)ネパール
登録地域)アジア

 

ネパールの世界遺産、サガルマータ国立公園はエベレストを含むヒマラヤ山脈一帯の国立公園です。
他の地域にはない自然環境、裾野の熱帯から雪が降る山頂まで広がる独自の生態系が高く評価され、1979年に自然遺産に登録されています。

サガルマータ国立公園の自然と山岳地帯の暮らし

世界最高峰の山エベレストが含まれることを知ると、身近に感じられるサガルマータ国立公園。
エベレストの名声だけではない、世界遺産として評価される自然、気候、風景美をまとめてみます。

ヒマラヤ山脈とサガルマータ国立公園

サガルマータ国立公園は、ネパール北東部、ヒマラヤ山脈のエベレストを含む国立公園です。

広さは1,148.00km2、日本国内の市町村では秋田県北秋田市(1152.7km2)や北海道札幌市(1121.2km2)のように自治体の中に山地や大きな川が複数含まれる市町村と同じくらいの広さです。

インドやネパールやブータンのある地域は。「インド亜大陸」と呼ばれ、ユーラシア大陸とは別のプレーとの上にあります。
インド亜大陸がユーラシア大陸と接しているヒマラヤ山脈では、大規模なプレートが押し合う力で今でも上昇を続けています。

ヒマラヤ山脈の中で最も標高が高いエベレストは、8848.86mと発表され、世界一の山でもあります。
また7,200メートル以上の山が100峰以上もあるため、山脈の麓は熱帯のジャングルが広がり、山を登るにつれ気候が下がり、高山帯では一年中氷床と雪に覆われた独特の気候です。

サガルマータ国立公園とエベレストの風景

サガルマータ国立公園内には、エベレスト登山のためのエベレスト・ベースキャンプがあり、登山家の聖地とされています。

標高5,364メートルのエベレスト・ベースキャンプでは、眼下一帯に高い山がそびえ、ほとんど水平に見える太陽は山頂をかすめるように見えます。

エベレスト・ベースキャンプ付近は氷河に覆われた限られた生態系ですが、エベレストの南側の裾野に森林、北側には草原と湿地が広り動植物が活発に生息しています。

植物ではカバノキ、モミ属、タケ、バラ属、ツツジなどが有名で、ヒマラヤトウヒ、ヒマラヤマツ、オニノヤガラ、サンシチニンジン、インドイチイ、スイセイジュ、ワタゲトウヒレンなどは地域の固有種と絶滅危惧種でもあります。

動物はアッサムモンキー、レッサーパンダ、ヒマラヤグマ、ユキヒョウ、チベットノロバ、チベットガゼルなどの地域特有の哺乳類のほか、人気のコツメカワウソも生息しています。

また、オグロヅル、チベットセッケイ、ヒオドシジュケイ、モリフクロウなどの鳥類も多く、中でもヒマラヤハゲワシ、インドガンなどはエベレストを飛び越える飛行能力を持っています。

ヒマラヤ山脈の暮らし

エベレストとともに標高8516 mで世界第4位のローツェ標高8463 mで世界第5位のマカルー、標高8188 mで世界第6位のチョー・オユーが連なるヒマラヤ山脈は、世界の屋根と呼ばれるほどの険しい高山地帯です。

交通機関が発達していなかった古代はもちろん、現代でも周囲の地域から隔てられたヒマラヤ山脈一帯には、独自の文化を持つ少数民族が暮らしています。

中でも、エベレスト南麓に面したネパール東部の標高3500〜5000m付近で暮らすシェルパ族は山とともに生きる人々です。

普段の暮らしの中でヒマラヤ山脈を行き来するシェルパ族の山岳ガイドは世界の一流登山家ほどの実力を持つ者も少なくないとされています。

現在は、登山を仕事とする山岳ガイドをはじめ、世界各地から1年を通して訪れる人々のための観光業が一大産業になっています。

エベレスト(サガルマータ)の見どころと観光シーズン

エベレスト(サガルマータ)は、登山家や自然愛好家にとって夢の目的地です。
その壮大な景観と挑戦的なトレッキングルートが、多くの人々を引き付けます。
ここでは、エベレストの主な見どころと最適な観光シーズンについて詳しくご紹介します。

エベレストの魅力と主要スポット

エベレストは、ただその高さだけでなく、周囲の自然環境や文化的な背景も含めて、多くの見どころを提供しています。

エベレストベースキャンプ

エベレストベースキャンプは、エベレスト登山の出発点として知られています。
標高約5,364メートルに位置し、ここからエベレストの壮大な姿を間近に見ることができます。

トレッキングコースは、ルクラから始まり、ナムチェバザールやテンボチェ僧院などを経由してベースキャンプに到達します。
道中の美しい景色やシェルパ文化を楽しむことができる点が、このルートの魅力です。

エベレストベースキャンプからのエベレストの眺め。カラフルなテントが散らばる岩地と登山者たち。

カラパタール

カラパタールは、エベレストを眺望する最高のスポットの一つです。
標高約5,545メートルに位置し、ここからはエベレストの全貌を一望できます。

特に日の出や日の入りの時間帯は、エベレストが金色に輝く瞬間を目撃できるため、多くのトレッカーに人気があります。

テンボチェ僧院

テンボチェ僧院は、エベレストトレッキングルートの中でも文化的なハイライトです。
この僧院は標高3,867メートルに位置し、美しい山々に囲まれた神聖な場所です。

毎年10月には、マンリム・フェスティバルが開催され、多くの巡礼者や観光客が訪れます。

最適な観光シーズンとその理由

エベレストのトレッキングシーズンは、春(3月~5月)と秋(9月~11月)が最適です。
この時期は、天候が安定しており、空気が澄んでいるため、美しい山の景色を楽しむことができます。

春(3月~5月)

春は、エベレスト周辺の花々が咲き誇る季節です。
特に、鮮やかなシャクナゲの花が山腹を彩り、美しい景観を提供します。
この時期は、登山シーズンでもあり、多くの登山家がベースキャンプに集まります。

秋(9月~11月)

秋は、最も人気のあるトレッキングシーズンです。
雨季が終わり、空気が乾燥しているため、視界が非常に良くなります。
エベレストや周囲の山々のクリアな眺望を楽しむことができ、快適なトレッキングが可能です。

サガルマータ国立公園へのアクセス方法

サガルマータ国立公園へのアクセスは、カトマンズからルクラへのフライトが一般的です。
ルクラからは、トレッキングまたはヘリコプターを利用して、エベレストベースキャンプやその他の観光スポットへ向かいます。

カトマンズからルクラへのフライト

カトマンズのトリブバン国際空港からルクラへのフライトは、約30分です。
ルクラ空港は「世界で最も危険な空港」とも呼ばれ、その短い滑走路と急な傾斜が特徴です。

しかし、このフライトは、エベレストへの冒険の始まりを意味し、観光客にとってはエキサイティングな体験です。

トレッキングルートとヘリコプター

ルクラからエベレストベースキャンプまでは、トレッキングで約10日から14日かかります。
この間、多くの村を通り、地元の文化や自然を堪能できます。
時間がない場合や特別な景観を楽しみたい場合は、ヘリコプターを利用することも可能です。

 

サガルマータでのトレッキングガイドとシェルパ文化

サガルマータ国立公園は、トレッキング愛好者にとって理想的な目的地です。
その美しい景観と独特の文化が、初心者から上級者まで多くのトレッカーを魅了します。

ここでは、初心者向けと上級者向けのトレッキングコース、トレッキング中に体験できるシェルパ文化、そしてシェルパ文化の歴史とその重要性について詳しくご紹介します。

シェルパの村の風景。伝統的な石造りの家、カラフルな屋根、祈りの旗、ヤクが物資を運ぶ様子。

初心者向けと上級者向けのトレッキングコース

初心者向けのトレッキングコース

初心者には、比較的短期間で無理なく楽しめるコースが適しています。
以下のコースは、美しい景観と文化体験を提供しながら、比較的容易に歩けるルートです。

  • ナムチェバザールトレッキング
    ルクラからナムチェバザールへのトレッキングは、初心者に最適です。
    ナムチェバザールは標高3,440メートルに位置し、美しい山々に囲まれたシェルパの主要な村です。
    このコースでは、壮大な景色を楽しみながら、シェルパ文化にも触れることができます。
  • テンボチェ僧院トレッキング
    ナムチェバザールからテンボチェ僧院へのトレッキングも人気です。
    テンボチェ僧院は、標高3,867メートルにあり、美しいヒマラヤの景色を楽しむことができます。
    また、僧院での宗教儀式を見ることができる貴重な体験が待っています。

上級者向けのトレッキングコース

上級者向けのコースは、体力と経験が求められるチャレンジングなルートです。
しかし、その努力に見合う壮大な景色と達成感が得られます。

  • エベレストベースキャンプトレッキング
    ルクラからエベレストベースキャンプへのトレッキングは、標高5,364メートルまで登る過酷なコースですが、最も人気があります。
    このルートでは、壮大な山々の景観を楽しみながら、多くのシェルパの村を通過します。
    道中、地元の生活や文化にも触れることができます。
  • ゴーキョーリとゴーキョー湖トレッキング
    ゴーキョーリは、標高5,357メートルの高峰で、エベレストを含む周囲の山々を一望できる絶景ポイントです。
    ゴーキョー湖の澄んだ湖水と周囲の山々の景色は、言葉にできないほど美しいです。
    このコースは、エベレストベースキャンプと並ぶ人気のルートです。

 

トレッキング中に体験できるシェルパ文化

サガルマータ国立公園を訪れる際には、シェルパ文化を体験することができます。トレッキング中、以下のような体験が待っています。

  • シェルパの村訪問
    トレッキングルートには多くのシェルパの村があり、地元の人々と交流する機会があります。
    シェルパの家庭での食事や伝統的な住居を見ることができ、彼らの生活様式に触れることができます。
  • ローカルマーケット
    ナムチェバザールや他の村では、地元のマーケットが開かれています。
    ここでは、シェルパ族が作った工芸品や衣料品、食料品などが販売されており、彼らの文化や日常生活を垣間見ることができます。
  • 仏教寺院とストゥーパ
    サガルマータ国立公園内には、多くの仏教寺院やストゥーパが点在しています。
    特にテンボチェ僧院は、その規模と歴史で有名です。
    僧院では、伝統的な仏教儀式を見ることができ、シェルパ族の信仰の深さを感じることができます。

 

シェルパ文化の歴史とその重要性

シェルパ族は、数世紀にわたりヒマラヤの厳しい環境で生き抜いてきた民族です。
彼らの文化は、自然と調和しながら生活する知恵と、仏教を中心とした精神性に根ざしています。

シェルパ文化の歴史

シェルパ族は、約500年前にチベットからヒマラヤ地域に移住してきました。
彼らは農業と牧畜を営みながら、過酷な山岳地帯での生活を築いてきました。
シェルパ族の名は「東の人々」を意味し、彼らの住む地域は「シェルパランド」とも呼ばれています。

仏教の影響

シェルパ文化は、仏教の教えに強く影響されています。
彼らは毎日の生活の中で仏教の教えを実践し、祈りや儀式を通じて精神的な平穏を保っています。仏教寺院やストゥーパは、シェルパ族の精神的な中心地として重要な役割を果たしています。

シェルパ文化の重要性

シェルパ文化は、エベレスト登山に欠かせない要素でもあります。
シェルパ族は、優れた登山技術と知識を持ち、多くの登山家をサポートしてきました。
彼らのガイドとしての役割は、エベレスト登山の成功に大きく寄与しています。
また、シェルパ文化の保護と継承は、ヒマラヤ地域全体の文化遺産の保存にもつながります。

サガルマータ国立公園の歴史と文化

サガルマータ国立公園は、エベレストを中心に広がる美しい自然と豊かな文化遺産を持つ地域です。
この公園の歴史と文化は、訪れる人々にとって非常に魅力的です。

ここでは、サガルマータの歴史的背景、文化的遺産とその保護活動、そして現地の祭りや伝統行事について詳しくご紹介します。

サガルマータの歴史的背景

サガルマータ国立公園の歴史は、ヒマラヤ山脈の歴史と密接に関連しています。
エベレストは地球上で最も高い山として知られ、多くの登山家がその頂上を目指して挑戦してきました。
しかし、この地域の歴史は登山家たちだけに限りません。

古代の居住者

この地域には、古代から人々が住んでいました。
シェルパ族は約500年前にチベットからこの地域に移住してきたと言われています。
彼らは農業や牧畜を営みながら、厳しい山岳地帯での生活を築いてきました。

エベレスト登山の歴史

エベレストの登山史は、1920年代に始まりました。
1953年、エドモンド・ヒラリー卿とテンジン・ノルゲイが初めてエベレストの頂上に立ち、それ以降、多くの登山家がこの偉業に挑戦し続けています。
この歴史的な登頂は、エベレストとその周辺地域を世界的に有名にしました。

文化的遺産とその保護活動

サガルマータ国立公園には、多くの文化的遺産が存在します。
これらの遺産は、シェルパ族の生活と信仰に深く根ざしており、訪れる人々に深い感銘を与えます。

仏教寺院とストゥーパ

公園内には、多くの仏教寺院やストゥーパが点在しています。
これらの宗教施設は、シェルパ族の精神的な支柱であり、彼らの生活において重要な役割を果たしています。
特に、テンボチェ僧院はその規模と歴史で有名で、多くの巡礼者や観光客が訪れます。

文化的保護活動

サガルマータ国立公園では、文化遺産の保護活動が積極的に行われています。
地元のコミュニティや国際的な団体が協力し、仏教寺院の修復やストゥーパの保護活動を行っています。

また、シェルパ族の伝統的な生活様式を保存するための取り組みも進められています。
これらの活動は、訪れる観光客にも理解と協力を求めることで、持続可能な観光と文化遺産の保護を両立させています。

テンボチェ僧院の歴史的なシーン。伝統的なチベット建築、宗教儀式を行う僧侶たち、背景にそびえる雪山。

現地の祭りや伝統行事

サガルマータ国立公園では、シェルパ族の文化を祝う多くの祭りや伝統行事が行われています。
これらのイベントは、地域の文化を体験し理解する絶好の機会です。

マンリム・フェスティバル

マンリム・フェスティバルは、サガルマータ地域で最も重要な仏教行事の一つです。
この祭りは、悪霊を追い払い、地域の繁栄と平和を祈るために行われます。
祭りの期間中、テンボチェ僧院では多くの宗教儀式や舞踏が行われ、多くの人々が参加します。

ダムジ・フェスティバル

ダムジ・フェスティバルは、シェルパ族の新年を祝う祭りです。
この祭りは、家族や友人と共に祝い、伝統的な食事や踊りを楽しむ機会です。
祭りの期間中、地域全体が活気に満ち溢れ、多くの観光客もその雰囲気を楽しむことができます。

ロサール(チベット新年)

ロサールは、チベット暦の新年を祝う行事で、シェルパ族にとっても重要なイベントです。
色鮮やかな衣装を着た人々が集まり、祈りや儀式、舞踏を行います。
この祭りは、シェルパ族の深い信仰と文化を理解する絶好の機会です。

サガルマータ国立公園は、その美しい自然景観だけでなく、豊かな歴史と文化が訪れる人々を魅了します。シェルパ族の生活や信仰、そして彼らが守り続けてきた文化遺産を体験することで、この地域の特別な魅力をさらに深く理解することができます。
旅行では、ぜひこれらの文化的な側面にも注目してみてください。

気候変動がサガルマータに与える影響

サガルマータ国立公園は、その美しい自然景観と豊かな生態系で知られていますが、気候変動がこの地域に深刻な影響を及ぼしています。
ここでは、気候変動の現状と未来予測、環境保護の取り組みとその重要性、そして観光客ができることについて詳しくご紹介します。

 

気候変動の現状と未来予測

現状の影響

サガルマータ国立公園は、気候変動による影響を直接受けています。
特に、氷河の融解は顕著で、エベレスト周辺の氷河は年々後退しています。
これにより、氷河湖の増加や湖の氾濫リスクが高まり、地域の生態系や人々の生活に影響を与えています。

氷河の融解

ヒマラヤの氷河は、気温上昇により急速に融解しています。
研究によれば、過去50年間でヒマラヤ氷河の約20%が失われたとされています。
この融解により、氷河湖の形成が進み、氷河湖決壊洪水(GLOF)のリスクが増加しています。
これにより、下流域の村々やインフラに大きな被害が及ぶ可能性があります。

未来予測

未来の気候変動シナリオでは、気温のさらなる上昇が予測されています。
これにより、ヒマラヤ氷河のさらなる縮小が進むと見られています。
気候変動が続く限り、この地域の生態系は大きな変化を余儀なくされ、多くの動植物が生息地を失う可能性があります。

気候変動の影響を示すシーン。融解する氷河と形成された氷河湖、希少な植生、背景のヒマラヤ山脈。

環境保護の取り組みとその重要性

地元の取り組み

サガルマータ国立公園では、気候変動の影響を緩和するための様々な取り組みが行われています。地元のNGOや政府機関が協力し、氷河湖の監視や早期警報システムの導入が進められています。
これにより、氷河湖決壊洪水のリスクを減少させることが期待されています。

再生可能エネルギーの導入

地域の環境負荷を減らすために、再生可能エネルギーの導入も進められています。
太陽光発電や小規模水力発電が導入され、地域のエネルギー需要を持続可能な方法で賄う取り組みが進行中です。
これにより、温室効果ガスの排出を削減し、気候変動の影響を緩和することが期待されています。

エコツーリズムの推進

エコツーリズムは、持続可能な観光の一環として注目されています。
観光客が地域の自然環境を尊重しながら訪れることで、環境への負荷を最小限に抑えることができます。
地元のガイドや宿泊施設も、エコフレンドリーな取り組みを推進し、観光業と環境保護の両立を目指しています。

 

観光客ができること

気候変動の影響を緩和し、サガルマータ国立公園の自然と文化を守るために、観光客にもできることがあります。

ごみの持ち帰り

トレッキング中に出るごみは必ず持ち帰り、適切に処理しましょう。
自然環境を保護するために、ごみを残さないことが重要です。

地元の環境保護プロジェクトへの参加

現地では、さまざまな環境保護プロジェクトが進行しています。
例えば、植樹活動や清掃活動に参加することで、地域の環境保護に貢献できます。
また、これらのプロジェクトに寄付することも、間接的に環境保護活動を支援する方法です。

エコフレンドリーなツアーの選択

ツアー会社やガイドを選ぶ際には、環境に配慮した取り組みを行っている業者を選びましょう。
エコツーリズムを推進しているツアーを選ぶことで、環境への影響を最小限に抑えることができます。

水の節約

高山地域では水資源が貴重です。
シャワーやトイレの使用時には節水を心がけ、必要最低限の水を使うようにしましょう。

地元の文化を尊重

シェルパ族の文化や信仰を尊重することも重要です。
訪れる場所での行動や言葉遣いに注意し、地元の習慣に従うことで、地域社会との調和を図ることができます。

 

 

ゴーキョー湖とサガルマータの珍しい動物たち

サガルマータ国立公園は、その壮大な自然景観と豊かな生態系で知られています。
特にゴーキョー湖とそこに生息する珍しい動物たちは、訪れる人々にとって大きな魅力となっています。
ここでは、ゴーキョー湖の特徴と観光ポイント、サガルマータで見られる珍しい動物たち、そして動物保護活動とその重要性について詳しくご紹介します。

 

ゴーキョー湖の特徴と観光ポイント

ゴーキョー湖の特徴

ゴーキョー湖は、サガルマータ国立公園内の標高約4,700メートルに位置する一連の美しい氷河湖です。
これらの湖は、エベレストとその周辺の山々から流れ出る氷河水によって形成されています。
特に、ゴーキョーリからの眺めは圧巻で、多くのトレッカーがその美しい景色を求めて訪れます。

主要な観光ポイント

  • ゴーキョーリ
    ゴーキョーリは標高5,357メートルのピークで、ここからはエベレスト、ローツェ、マカルー、チョ・オユーなどの壮大な山々を一望できます。日の出や日の入りの時間帯には、山々が黄金色に輝く美しい景色が広がります。
  • ゴーキョー村
    ゴーキョー村は、ゴーキョー湖の近くに位置する小さな村です。この村は、トレッカーが休息を取るためのロッジやティーハウスがあり、地元のシェルパ族との交流も楽しめます。村からは、ゴーキョー湖周辺の美しいハイキングコースへアクセスできます。
  • 氷河湖の観察
    ゴーキョー湖は、複数の湖から構成されており、それぞれが異なる美しさを持っています。特に、第三湖であるドゥドラ湖は、最も大きく、その青く澄んだ水は訪れる人々を魅了します。

 

サガルマータで見られる珍しい動物たち

サガルマータ国立公園は、希少で独特な動植物の生息地でもあります。
以下は、この地域で見られる珍しい動物たちです。

レッサーパンダ

レッサーパンダは、竹を主食とする小型の哺乳類で、赤い毛皮と愛らしい外見が特徴です。
サガルマータ国立公園の高山帯に生息し、主に早朝や夕方に活動します。

ヒマラヤタール

ヒマラヤタールは、ヤギとウシの特徴を持つ大型の哺乳類です。
山岳地帯の急斜面を巧みに移動し、草や葉を食べる草食動物です。雄は立派な角を持ち、見る者を圧倒します。

雪豹

雪豹は、非常に希少な大型肉食獣で、高山帯に生息しています。
その美しい毛皮と鋭い目つきが特徴で、主に岩場や険しい地形で生活しています。
雪豹を見ることは非常に難しいですが、観察できれば大変貴重な体験となります。

イエティの伝説

サガルマータ地域では、イエティ(雪男)に関する伝説も存在します。
シェルパ族の間では、イエティが高山に住む神秘的な生物として語り継がれています。
実際に目撃された例は少ないものの、この伝説は観光客にとって興味深い話題となっています。

ゴーキョー湖の絵のような風景。エメラルドグリーンの湖と周囲の雪を頂くヒマラヤの峰、湖の近くにいるレッサーパンダやヒマラヤタール。

動物保護活動とその重要性

保護活動の取り組み

サガルマータ国立公園では、希少な動物たちを保護するための様々な取り組みが行われています。地元のNGOや国際的な団体が協力し、保護区の設定やパトロールの強化、研究活動を通じて動物たちの生息地を守る努力が続けられています。

生息地の保護

生息地の保護は、動物保護活動の基本です。
サガルマータ国立公園では、森林伐採の規制や密猟の取り締まりが行われており、動物たちが安全に生活できる環境を維持しています。

教育と啓発活動

地元コミュニティや観光客への教育と啓発活動も重要です。
動物保護の重要性や、自然環境を尊重する意識を高めるためのワークショップやセミナーが開催されています。
これにより、地域全体が保護活動に参加する意識を持つようになります。

観光客の役割

観光客も動物保護に貢献することができます。
トレッキング中には、野生動物を脅かさないように行動し、生息地を乱さないことが求められます。
また、保護プロジェクトへの寄付や、エコツーリズムを選択することも有効です。

ゴーキョー湖とサガルマータ国立公園の珍しい動物たちは、訪れる人々にとって大きな魅力です。その自然の美しさと生態系を守るために、環境保護活動が重要です。観光客としても、持続可能な観光を実践し、これらの貴重な資源を未来の世代に残す努力を共にすることが大切です。

日本からサガルマータ国立公園へのアクセス方法

サガルマータ国立公園を訪れるには、まずネパールの首都カトマンズに到着する必要があります。そこから、エベレストへの玄関口となるルクラへ移動し、トレッキングまたはヘリコプターでサガルマータ国立公園に入ります。以下に、日本からのアクセス方法を詳しくご紹介します。

 

 日本からネパールのカトマンズへ

直行便と乗り継ぎ便

日本からネパールへの直行便はありませんが、複数の航空会社が乗り継ぎ便を提供しています。一般的なルートは以下の通りです:

  • 東京(成田・羽田)→バンコク(タイ)→カトマンズ タイ国際航空やバンコクエアウェイズを利用するルートです。バンコクで乗り継ぎ、カトマンズのトリブバン国際空港に向かいます。
  • 東京(成田・羽田)→クアラルンプール(マレーシア)→カトマンズ マレーシア航空を利用するルートです。クアラルンプールで乗り継ぎ、カトマンズに向かいます。
  • 東京(成田・羽田)→ドーハ(カタール)→カトマンズ カタール航空を利用するルートです。ドーハで乗り継ぎ、カトマンズに向かいます。

フライト時間

東京からカトマンズまでの総フライト時間は、乗り継ぎ時間を含めて約10~15時間です。
乗り継ぎ時間によっては、それ以上かかる場合もありますので、スケジュールを確認して計画を立てることが重要です。

 

 カトマンズからルクラへ

国内線フライト

カトマンズのトリブバン国際空港からルクラ空港へは、国内線のフライトを利用します。主な航空会社には、タラエア、サミットエア、ヤティエアラインズなどがあります。フライト時間は約30~40分です。

フライトの特徴と注意点

ルクラ空港は「世界で最も危険な空港」とも呼ばれ、その短い滑走路と急な傾斜が特徴です。天候によりフライトがキャンセルされることもあるため、日程には余裕を持たせることが重要です。

 

3. ルクラからサガルマータ国立公園へ

トレッキング

ルクラからサガルマータ国立公園への一般的な移動方法はトレッキングです。以下は主要なトレッキングルートです:

  • ルクラからナムチェバザール
    ルクラからナムチェバザールまでは、標高差約800メートルを登るトレッキングコースです。所要時間は約2日間で、美しい景色とシェルパ文化を楽しむことができます。
  • ナムチェバザールからエベレストベースキャンプ
    ナムチェバザールからエベレストベースキャンプまでは、さらに約10日間のトレッキングが必要です。このコースでは、テンボチェ僧院やカラパタールなどの主要スポットを巡ります。

ヘリコプター

時間が限られている場合や特別な景観を楽しみたい場合は、ヘリコプターを利用することも可能です。カトマンズから直接エベレストベースキャンプまでヘリコプターツアーを提供している会社もあります。ヘリコプターを利用することで、短時間でサガルマータ国立公園の美しい景色を楽しむことができます。

日本からサガルマータ国立公園へのアクセスは、以下のステップを踏むことになります:

  1. 日本からネパールのカトマンズまで飛行機で移動。
  2. カトマンズからルクラまで国内線フライトを利用。
  3. ルクラからサガルマータ国立公園までトレッキングまたはヘリコプターで移動。

これらのステップを踏むことで、エベレストを中心とした美しい自然とシェルパ文化を堪能することができます。
計画を立てる際には、天候やフライトスケジュールを考慮し、余裕を持った日程を組むことが重要です。

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

Q1.次の3つの説明文から推測される世界遺産は何でしょうか?

・ヒマラヤ山脈に位置する
・世界最高峰を中心とする山岳公園である
・標高3500〜5000m付近には少数民族のシェルパ族が生活している。
(p72,2018年3月世界遺産検定4級より)

1. サガルマータ国立公園
2. ウルル・カタ・ジュタ国立公園
3. ペルシア庭園
4. カナイマ国立公園

答え:(1)サガルマータ国立公園

 

Q2.ネパール連邦民主共和国の「サガルマータ国立公園」に関し、世界最高峰のサガルマータを含む山脈は何でしょうか。

(p81,2018年7月世界遺産検定4級より)

1. ヒマラヤ山脈
2. 天山山脈
3. アルプス山脈
4. ロッキー山脈

答え:(1)ヒマラヤ山脈

 

Q3.下の写真は、どの世界遺産でしょうか?

(p102,2018年12月世界遺産検定4級より)

1. ウルル・カタ・ジュタ国立公園
2. サガルマータ国立公園
3. カナイマ国立公園
4. ガラパゴス諸島

答え:(2)サガルマータ国立公園

 

Q4.「サガルマータ国立公園」に関する以下の文中の語句で、正しいものはどれか。

(p24,2018年7月世界遺産検定3級より)

「サガルマータ国立公園」は、(1. インド)が保有する世界遺産である。ザカルマータをはじめとする(2. ウラル山脈)は、大陸同士の衝突により海底が隆起したことで形成された。サガルマータは、一般には(3. トンガリロ山)の名で知られている。公園内の標高3500〜5000m付近は、(4. シェルパ族)の生活圏である。

1. インド
2. ウラル山脈
3. トンガリロ山
4. シェルパ族

答え:(4)シェルパ族

 

Q5.「トランスバウンダリー・サイト」として登録されている遺産として、正しいものはどれか?

(p45,2018年9月世界遺産検定3級より)

1. サンディアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道
2. ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著に貢献
3. サガルマータ国立公園
4. ナスカとバルバの地上絵

答え:(2)ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著に貢献

 

サガルマータ国立公園のまとめ

サガルマータ国立公園のお話はいかがでしたか?
世界遺産の中には、英語やフランス語ではなく登録地の単語が使われることもあります。
聞いたことがない世界遺産が、実は良く知っていたものと気づくと、何だか得をした気分に思えてなりませんね。

 

 

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