2006年に文化勲章を受章した作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが9日に死去したことが11日ニュースで分かりました。99歳でした。徳島市出身で1973年、51歳のときに出家し、73年、岩手県の世界文化遺産がある中尊寺で得度しました。また作家として新しい生き方を模索したいとで本名も晴美から法名の「寂聴」を名乗りました。
現在は京都・嵯峨野の自坊、寂庵に暮らし、定期的に法話を開催されていました。岩手県の天台寺住職も務めていました。瀬戸内寂聴さん99歳の大往生。近年までTV出演や数多くの執筆されています。
瀬戸内寂聴さん99歳の大往生・幾多の軌跡
瀬戸内寂聴さん波乱万丈の人生
その前にWikipediaより瀬戸内寂聴さんの経歴を掲載して見ました。
【瀬戸内寂聴さん経歴】
徳島県徳島市塀裏町(現・幸町)の仏壇店(瀬戸内商店)を営む三谷豊吉・コハルの次女、三谷晴美として生まれ、体が弱く、本を読むのが好きな子供だった。後に父が従祖母・瀬戸内いとと養子縁組したため、晴美も徳島高等女学校時代に三谷から瀬戸内姓に改姓。東京女子大学在学中の1942年に20歳で酒井悌(1913-1992 徳島市生)と見合いして婚約。1943年2月に結婚し、10月に夫の任地北京に渡る。1944年8月1日、女の子を出産。1945年6月夫が召集、8月終戦と共に帰宅。1946年、8月に一家3人で徳島に引き揚げ、夫の教え子の文学青年と不倫、夫に打ち明ける(晴美25歳 夫34歳 相手21歳)。1947年秋に一家3人で上京1948年に夫と3歳の長女を棄て家を出て京都で生活。大翠書院などに勤めながら、初めて書いた小説「ピグマリオンの恋」を福田恆存に送る。
1950年に正式な離婚をし(長女とは後年出家後に和解したという)、東京へ行き本格的に小説家を目指し、かつての本名であった三谷晴美のペンネームで少女小説を投稿し『少女世界』誌に掲載され、三谷佐知子のペンネームで『ひまわり』誌の懸賞小説に入選。少女世界社、ひまわり社、小学館、講談社で少女小説や童話を書く。また丹羽文雄を訪ねて同人誌『文学者』に参加、解散後は『Z』に参加。
1957年(35歳)に『花芯』を発表するも、ポルノ小説であるとの批判にさらされ、批評家より「子宮作家」とレッテルを貼られる。
1963年には不倫の恋愛体験を描いた『夏の終り』で女流文学賞を受賞し、作家としての地位を確立する。
1966年、井上光晴と高松へ講演旅行、恋愛関係になる。1973年、井上との関係を絶つために出家
1973年(51歳)に出家。尼僧としての活動も熱心で、週末には青空説法を行っていた。引用元:Wikipedia瀬戸内寂聴
養子縁組➡結婚➡戦争で北京へ➡出産➡日本帰国➡不倫➡離婚➡恋愛➡出家
並べて見るだけでも波乱万丈の人生だったことでしょうね。
恋愛や歴史など題材に数々の小説発表
経歴でもあるように子供の頃から本を読むのが好きで数多くの人生と恋愛や歴史、そして老いなどをテーマに数々の小説を発表されました。また講演においては法話を通じて多くの人たちに生き方を説いた作家であり僧侶でもありました。
主な出版内容
1957年、「女子大生・曲愛玲(チュイアイリン)」で新潮社同人雑誌賞受賞。
1963年、「年夏の終り」でに女流文学賞。
「かの子撩乱(りょうらん)」「美は乱調にあり」などの伝記小説を次々に発表されています。1988年、『寂聴 般若心経』は1年で43万部を売るベストセラーとなる。
1998年「源氏物語」の現代語訳を達成し〝平成の源氏ブーム〟をけん引しました。
晩年まで創作意欲は衰えず、世阿弥を描いた2007年出版の「秘花」がベストセラーになりました。
2017年、最後の長編小説「いのち」、初の句集「ひとり」を刊行されました。
1997年には文化功労者に選ばれ、2006年には文化勲章を受章しています。
僧侶として東北の被災地を回る
僧侶としても30年以上にわたって各地で法話を続け、多くの人々の悩みや苦しみに耳を傾け、みずからの思いをことばにして伝えてきました。
TV出演でも有名な僧侶でもありました。
また、東日本大震災の際には、東北の被災地を回って多くの被災者を励ましてどんなに勇気をもらった事でしょう。
90歳過ぎての手術
瀬戸内さんは、90歳を過ぎていた2014年5月に背骨を圧迫骨折して入院していて、同じ年には胆のうがんでも手術を受けました。90歳過ぎての手術は並大抵のことではなかった事でしょう。療養後も執筆活動などを再開されていました。
まとめ
講演では「笑うこと」が大切であると説き、座右の銘は「生きることは愛すること」だそうです。
「いろんな経験をしてきたからこそ、あなたの今があるのです。すべてに感謝しましょう」瀬戸内寂聴さんのこの言葉がいまだに頭から離れません。
99歳の大往生、瀬戸内寂聴さん人生お疲れ様でした。安らかにお眠りください。
次回は瀬戸内寂聴さんが残した名言・格言を本の中から掲載させて頂きます。