【豆知識】熱帯夜の定義や「猛暑日」夏に使われる気象用語5選の基準

「熱帯夜」の定義・夏の気象用語

夏が近付いてくる季節から、その終わりにかけてよくニュースで聞く「熱帯夜」は、れっきとした気象用語の1つです。陽が沈んで気温が下がる夜間になっても、それが25度以上あること、またはそのような日という意味で使われています。

1日の最低気温

つまり、1日の最低気温が25度を下回らない(それ以上ある、あった)日を指して、「その日は熱帯夜だった」などと用いられる言葉です。天気予報の中で「明日は熱帯夜になりそうです」のように使われることも珍しくありません。

最低気温が25度以上にもなる熱帯夜の日は、天気がよいことが多いのは言うまでもなく、そうなると聞いた日には、晴れることを期待していいかも知れません。

ですが、雨が降っても気温だけは高いということも夏の間にはよく見られる為、必ずしも晴れに結び付く訳ではありません。よって、天気自体の予報としてはそれほどあてにはしない方が無難です。

「熱帯夜」は日に対して

言葉として、あくまで「その日」に対して使われるもので、「夜」のことを表現している訳ではない点に注意してください。「熱帯夜」と使うだけで、「最低気温が25度以上ある日」だと表現できる言葉となっています。

入道雲

積乱雲入道雲(北海道)

湿度が関係していることも…

気温が上がる為には、日差しの強さが必要になります。曇っていたり、雨が降っている時にはそれが弱くなっていることがほとんどなので、最低気温で25度を越えるとなると、晴れ間の多い日の可能性が高いのは間違いないでしょう。

ですが、気温は大気中の水分量(つまりは湿度)によっても左右されます。比較的気温が高い季節には、これが多いほど気温が高くなる傾向があり、寒い季節だと逆に寒く感じることになります。

梅雨の時期がいい例

梅雨の時期がいい例になりますが、日差しはそれほででもないのに、気温は30度もあるといったことあります。その為、先のように熱帯夜に天気がよいとは限らず、梅雨の時期には一日中晴れ間が全くなくても熱帯夜になってしまう日もあるものです。

「超熱帯夜」と「熱帯夜」

「熱帯夜」は前述のように、気象庁が用いる公式な気象用語ですが、そのような公式な用語ではないながら、最低気温が30度以上の日のことを「超熱帯夜」と呼ぶことがあります。

気象庁の発表で日本の特定の日について使われることはありませんが、「海外の○○では昨日は超熱帯夜になったらしい」のような使われ方をする言葉で、テレビやラジオの民放でまま聞くことがあります。

 

その他の主な気象用語5選

暑さ

夏の暑さ

この「熱帯夜」は、最低気温が25度以上の日のことですが、この他にも天気予報などに用いられる気象用語として公式に使われている似たような意味をもつ言葉がいくつか存在します。

「夏日」や「真夏日」

その中でも有名なのが「夏日」や「真夏日」で、前者は最高気温が25度以上になる(なった)日のことで、後者はそれが30度以上の日になります。そして、2007年からは35度以上を記録することになる日には、「猛暑日」という新たな言葉が公式に使われるようになりました。

夏日

夏日

「猛暑日」(もうしょび)

これらは重複して使われることはなく、最高気温が35度以上になる「猛暑日」(もうしょび)は、条件的に「真夏日」でも「夏日」でもありますが、一番上の「猛暑日」だけが用いられます。

ですが、「熱帯夜」とは重複して使用することができ、「昨日はとても暑く、猛暑日、並びに熱帯夜を記録しました」といったような使い方ができます。

「酷暑日」(こくしょび)

「酷暑日」(こくしょび)という言葉も見聞きすることがありますが、こちらは「猛暑日」の俗称として使われており、公式な用語ではありません。意味がそちらと同じ為、あまり一般的な言葉とはなっていません。

「炎暑日」

また、最高気温が40度を超えることが年に一度、二度と出てきたことから、その条件に当てはまる言葉を作るという動きがありますが、こちらはまだ発表がありません。「炎暑日」(えんしょび)が候補に挙がっているそうですが、噂の段階に過ぎず、作られるかどうかも決まっていません。