【豆知識】天気崩れる兆候や体の不調は何?爆弾低気圧とはいったい?

低気圧が近づくと天気が悪くなる理由

出かける予定がある日にはチェックが欠かせない天気。ですが、天気予報士から「低気圧が発達」といったことが伝えらえると、今後空模様が悪くなっていくことが予想されてがっかりしてしまうでしょう。

そもそも、悪天候をもたらすこの低気圧とは一体どういったものなのでしょう。

雲

気圧とは

気圧というのは文字通りに大気の圧力です。そして、この気圧の単位はお馴染みの「ヘクトパスカル」で表されます。「低気圧」は気圧が周辺よりも低い場合になり、逆に高い時には「高気圧」となりますが、明確に何hPaよりも高い、低いという基準で示されているわけではありません。

低気圧とは

低気圧は周囲と比べて空気が薄く、周囲のより濃い空気が低気圧に向かって流れ込もうとして風が吹き込んでいきます。

この時にぶつかった空気は上か下にしか逃げるしかなくなってしまいますが、下方には地面があるため風の向きが上に、つまり上昇気流が発生するのです。

そして、この時に空気中に存在する水蒸気も一緒に上空に上り、より高いところに行くほど冷えていく空気に冷やされて水滴や氷に変化、これが集まって雲になります。その雲がどんどん大きくなると重くなり、空に留まりきれずに雨や雪になって地上に降ってくるわけです。

低気圧が発達すると曇ったり雨が降る確率が高くなる、この仕組みがわかれば、お出かけ前に注意が必要な理由もわかります。

雲と空

雲と空

「爆弾低気圧」にはくれぐれも注意

雨や雪をもたらす低気圧。その中でも、10月から3月頃までの時期には「爆弾低気圧」といった言葉を耳にする機会も多くなります。

この爆弾低気圧とは急激に発達する温帯低気圧で、大荒れになることから警戒が必要。出かける予定があっても、大事を取って安全な家の中で大人しく過ごしておいたほうが賢明です。

この爆弾低気圧は低気圧あるエリアの緯度から計算し、中心気圧が1日で一定数値以下に急激に下がる場合を指します。

たとえば、北緯40度となる秋田県であれば17.8hPa/24h、北緯30°の屋久島南部であれば13.9hPa/24hが基準です。

表現方法

実は、この「爆弾低気圧」は正確には気象用語ではありません。

言葉のイメージから危険性が高いことが伝わりやすいため浸透していますが、天気予報を気をつけて見てみるとテレビやラジオなどのメディアでは使用されているものの、気象庁からの予報だと「急速に発達する低気圧」という表現になっていることがわかるでしょう。

爆弾低気圧の予想される天候

爆弾低気圧から予想される天候は、最大風速30mを超える暴風、バケツをひっくり返したような大雨、冬場であれば猛吹雪など、とても外で活動できる状態ではありません。実際にこれまでも川の氾濫や土砂崩れ、雪崩など大きな被害を受けています。

予報が出たら、くれぐれも用心しましょう。

低気圧で体調不良になる人も多いのはなぜ?

気象病

昨今、気圧が下がることで体調が悪くなる、天気の影響によるいわゆる気象病に悩まされているかたに注目が集まっています。

頭痛や首こりや肩こり、何となくだるくなってやる気が起きずに気分が塞いでしまう、これは低気圧が自律神経に影響を及ぼすからです。

身体の影響は

低気圧とは気圧が周囲よりも低い状態。人間の身体にも鼓膜の奥、内耳といわれる器官で気圧の変化を感じ取っていて、その変化を脳に伝えることで自律神経が活性化します。

このセンサーの役割を果たす器官の感度は個人差があり、敏感である人ほど気圧から受けた変化から身体のバランスを取ろうとしますが、それが上手くいかないと逆に体内環境が悪化してしまい、頭痛やめまい、だるさなどが引き起こされることがあるのです。

よく聞く話

よく、「雨が降ると古傷が傷む」という話しを聞きますが、これも同様に身体の気圧センサーによる影響。低気圧を察して交感神経が活発化し、血管が収縮して古傷周りの神経が刺激を受けやすくなります。

気圧に敏感な人であれば、自身の体調でいち早く雨の気配を察知することも可能。ただ、やはり調子がよくないのは好ましくない状態です。そんな日にはあまり無理をせず、身体を温めて血行を良くしたり、自律神経を整える取り組みで対処していきましょう。