天気にまつわることわざ、四字熟語
「日」を使った天気にまつわることわざ、四字熟語は豊富にあります。しかし、必ずしも理にかなっているものばかりではありません。
特に天気に関することわざや四字熟語は、意味する内容を信じるあまり実害につながってしまうこともあるので注意が必要です。
「日」を使ったことわざ、四字熟語
今回は、「日」の含まれる天気を表すことわざと四字熟語のなかから3つをピックアップし、信憑性を確かめてみましょう。

太陽と青空と虹
「日傘月傘は雨のきざし」
ここでいう「日傘」は直射日光を避ける傘ではなく、太陽にかかる雲を表現しています。「月傘」も同じく、月夜にかかる雲のことです。
太陽や月を隠すように現れる雲の発生は低気圧によるものが多いため、傘をかぶった状態は次第に天気がくずれて雨になる可能性がある、ということを意味します。
ただし、太陽や月にかかった雲が、必ずしも低気圧の影響で発生したものとは限りません。この段階では、雨が降るかどうかは五分五分といったところでしょう。この後だんだんと雲が厚くなるようであれば、低気圧の接近に備えて行動すると安心です。

満月と雲
「朝霧は日中晴れ」
「朝霧は日中晴れ」とは、朝、霧がかかっていれば、その日の日中は晴れが続く、という意味です。
霧は寒いシーズンに見られる現象で、空気中の水蒸気が極小の水粒になって浮遊し、もやがかかったように見える状態をいいます。
霧の発生は、主に放射冷却の影響によるものです。放射冷却はよく晴れた、雲の少ない夜に起こります。夜のうちに熱を放射した地面は冷え切っていて、地面周囲の空気も冷やします。この時、空気中の水分が冷えて水蒸気から水粒に変化すると霧になるわけです。
よって、朝のうちに霧が見られるということは、上空に雲が少ないことを意味し、晴れる可能性が高いことを示しています。

雨でも元気カラフルな傘
「雨栗日柿」
雨が多い年は栗が豊作で、逆に晴れが多いと柿が良く獲れるという意味になります。
栗は雨不足などにより、成熟前に実が落ちてしまうことがあります。一方、柿は雨が多いと害虫の被害を受けやすい作物です。つまり、雨が少なすぎると栗が、雨が多すぎると柿が、それぞれあまり収穫できないことを表します。
ただし、栗も柿も適度な雨や日照が必要なのは当然で、天候に影響する注意点を掲げているに過ぎないようです。どちらかが不作ならもう一方が豊作、というわけではありません。

栗 クリの実 秋の味覚