日本の世界遺産は西高東低?国内の世界遺産数と文化遺産と自然遺産の割合

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世界遺産について調べていると、ふと気になることが見つかりました。
日本国内の世界遺産は、関西や九州地方に多いのではないでしょうか?
今回は、日本国内の世界遺産を東日本と西日本に分けて、比べてみることにしました。

前回の記事は世界遺産として認定された銀山の麓とは石見銀山の歴史と魅力的な価値 でした。

こちらも  世界遺産の登録の流れ・世界遺産検定にも出題世界遺産はどうやって決まるの? ご覧いただくとよく理解できると思います。

日本国内で登録されている世界遺産と東日本と西日本の分かれ目

東日本と西日本の世界遺産に触れる前に、まずは東日本と西日本の分け方についてまとめさせていただきます。

一般的な分け方〜東日本と西日本

東日本は一般には北海道・東北地方・関東

(東日本)
都道府県:東京都、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、青森県、岩手県、宮
城県、秋田県、山形県、福島県、北海道、1都1道11県

人口:約5707万人
面積:182805.71km2

一般的な分け方とされる定義では、東日本は北海道・東北地方・関東とされています。

人口と面積は西日本とほとんど変わりありませんが、首都圏に日本の人口が集中していることと、北海道の面積だけで東日本の半分に迫るため、都道府県の数は西日本よりも少なくなります。

・西日本は近畿・中国・四国・九州の総称

(西日本)
都道府県:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県、滋賀県、石川県、富山県、福
井県、新潟県、長野県、山梨県、岐阜県、愛知県、静岡県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、
山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎
県、鹿児島県、沖縄県、2府31県

人口:6803万人
面積:192686.78km2

西日本は、近畿・中国・四国・九州の総称とされています。
中部地方と北陸地方が西日本に含まれているため、都道府県の数がとても多くなります。

実際の分け方〜中部地方・北陸地方で

・東日本は静岡・長野・新潟以東
(東日本)
都道府県:東京都、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、静岡県、長
野県、新潟県、山形県、福島県、宮城県、秋田県、岩手県、青森県、北海道、1都1道15県

人口:約6559万人(+852万人)
面積:221194.14km2(+38388.43km2)

一方、経済的・文化的なつながりで分けると東日本は静岡・長野・新潟以東とされています。
新潟県が加わったことで面積は西日本を大きく上回ります。

・西日本は富山県・岐阜県・愛知県以西

(西日本)
都道府県:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、三重県、滋賀県、石川県、富山県、福
井県、岐阜県、愛知県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、
高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、2府27県

人口:5951万人(−852万人)
面積:154296.35km2(−38388.43km2)

同じように、西日本は富山県・岐阜県・愛知県以西とされています。
人口と面積は東日本よりも低くなってしまいますが、経済的な生活圏、文化的な暮らしではこちら
の方が分かりやすいのではないでしょうか?

今回の世界遺産の分け方では、こちらの「実際の分け方」で東日本と西日本の世界遺産を比べてみます。

東日本と西日本の世界遺産一覧

日本国内で登録されている世界遺産をまとめてみました。

東日本の世界遺産一覧

白神山地(No.4/青森県・秋田県) 自然遺産
日光の社寺(No.10/栃木県) 文化遺産
知床(No.13/北海道) 自然遺産
小笠原諸島(No.15/東京都) 自然遺産
平泉‐仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群(No.16/岩手県) 文化遺産
富士山‐信仰の対象と芸術の源泉(No.17/山梨県・静岡県) 文化遺産
富岡製糸場と絹産業遺産群(No.18/群馬県) 文化遺産
ル・コルビュジエの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献(No.20/東京都) 文化遺産
北海道・北東北の縄文遺跡群(No.25/北海道・青森県・岩手県・秋田県) 文化遺産

西日本の世界遺産一覧

法隆寺地域の仏教建造物(No.1/奈良県) 文化遺産
姫路城(No.2/兵庫県) 文化遺産
屋久島(No.3/鹿児島県) 自然遺産
古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)(No.5/京都府・滋賀県) 文化遺産
白川郷・五箇山の合掌造り集落(No.6/岐阜県・富山県) 文化遺産
原爆ドーム(No.7/広島県) 文化遺産
厳島神社(No.8/広島県) 文化遺産
古都奈良の文化財(No.9/奈良県) 文化遺産
琉球王国のグスク及び関連遺産群(No.11/沖縄県) 文化遺産
紀伊山地の霊場と参詣道(No.12/三重県・奈良県・和歌山県) 文化遺産
石見銀山遺跡とその文化的景観(No.14/島根県) 文化遺産
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(No.19/福岡県・佐賀県・長崎県・熊
本県・鹿児島県・山口県・岩手県・静岡県) 文化遺産
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群(No.21/福岡県) 文化遺産
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(No.22/長崎県・熊本県) 文化遺産
百舌鳥・古市古墳群‐古代日本の墳墓群(No.23/大阪府) 文化遺産
奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(No.24/鹿児島県・沖縄県) 自然遺産

日本国内の世界遺産は西日本に多かった

東日本の世界遺産は文化遺産6と自然遺産3合計9西日本の世界遺産は文化遺産14と自然遺産2合計16でした。

ほとんどの登録内容が西日本ですが、全国にまたがる『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(No.19)』を東日本に加えても日本国内の世界遺産は西日本に多い結果です。

 

東日本は自然遺産の割合が高い

日本国内の世界遺産は、西日本に多いことは明らかです。

興味深いのは、登録されている世界遺産に占める自然遺産の割合です。

東日本は、9つの世界遺産の中で自然遺産は3つでした。

西日本では、16の世界遺産の中で自然遺産は2つです。

東日本は自然遺産の割合が高いことがわかります。

日本国内の世界遺産は西日本に多い理由

日本国内の世界遺産は、なぜ西日本に多いのでしょうか?

答えは、世界遺産の審査基準でもある歴史と文化の普遍的価値が大きく影響していました。

西日本は江戸時代まで日本の首都

西日本の文化の中心でもある京都府は、平安時代から江戸時代まで日本の首都でもありました。

江戸時代になり、政治の中心となった東京都(江戸)が首都の役割を担いますが、天皇陛下がお住まいになっていた京都は変わらず歴史の中心とされてきました。

さらに、奈良時代以前は奈良県内に首都があり、歴史的な歩みが建築物とともに残っています。

 

日本の文化は西日本から広まった

また、徳川幕府によって関東が開拓されるまで、文化と経済は西日本から広まったことは歴史的な事実です。

海外と交流が盛んだった地域も、近畿地方、九州地方のため、異国文化も関西から取り入れられ日本全国に広まってゆきます。

現在は歴史という形で日本の変化を語り、世界の注目を集めています。

 

まとめ

日本国内の世界遺産は、東日本よりも西日本に多いことがわかりました。

歴史を振り返ると、日本の文化は西日本から東日本へ広まっていたことは確かで、有史以来長く首都のあった近畿地方には、歴史的建造物という形で日本の変化の痕跡が残っています。

文化という視点で、日本の歴史を振り返るのも、海外と接するためには欠かせないことなのかもしれませんね。

次回の記事は 信仰に関係した文化遺産・神宿る島沖ノ島と関連遺産群と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産です!お楽しみに!